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GRAPEVINE『退屈の花』全曲レビュー

 最近何かと話題な気がするGRAPEVINE。自分は4年前に急に思い立って全アルバム聴いてみて、急にハマった口なのだけど、大人になってから聞き始めた者なりのフラットな感想を書きたいと思った。表題作『退屈の花』はざっくり言うと彼らが一番ブリットポップっぽかったアルバムだと思う。90年代洋楽ロックが好きな自分にとって、これが最初のアルバムだったのはめちゃくちゃ印象がよかった。
 以下、曲を聴きながらメモを走り書きしていく。音楽用語とか相当雑な使い方をしている気がするので、あまり深く考えず読んでみてくださいね。

  1. 鳥:Vo.田中曲。グランジとblurのちょうどいいとこどり。うっさいギターとポールウェラーみたいな泥臭いメロディー。なにげにサビの歌詞が英語なのよね。Why do you want to stay? これは相当開放感があります。ちなみに全体的には地を這うようなリズムで、曲としては全然鳥っぽくない。

  2. 君を待つ間:Dr.亀井曲らしい、センチメンタルないいメロディー。サビの歌詞に「光」が出てくる。これはこのバンドの一番のキーワードになるので覚えておくとよい。しかも「光」初出(?)曲なのに「(柔らかな光に)騙されながら行こうじゃない」と、いきなり諧謔性を帯びているのがこのバンドらしさ。

  3. 永遠の隙間:元Ba.西原曲。イチオシ曲。マジで質が高いblur(オルガンとかストリングスとか)。ドラムとベースとギターの隙間を埋め合うようなアンサンブルがすごい(最新作まで含めてもここまでかみ合っているのは稀な気がする)。1stのクオリティーじゃない。

  4. 遠くの君へ:Gt.西川曲。ここまでにバンドメンバー全員分の曲が入っている、ということが言いたくて最初に作曲者を提示していた(次曲からは割愛します)。うって変わって切実な感じの曲。西川氏のギター、日本のウタモノバンドで一番好きかもしれない。Bメロとサビの気の利いたフレーズが入ってくる感じがめちゃくちゃカッコいい。

  5. 6/8:6/8拍子の曲。西原ベースがずっと高音のあたりにいて、ボーカルのセカンドメロディとなっている。スローな曲調でいったん落ち着くが、歌詞には退屈な生活に対するクリティカルな視点が入っていて意外とキレがある。まさに「退屈の花」って感じの曲。

  6. カーブ:アコギから元気よく発進するアップテンポな曲。2:20~ギターリフとボーカルが前面に出て少し溜めを作ったあと、アウトロで3本目のギターが加わってドライブ感が炸裂する。

  7. 涙と身体:イチオシ曲。ひたすらメロディーがいい。この曲の灰色っぽい感じのトーンがめちゃくちゃ好き。やはり西川ギターのひずんだ音色と推進力があるフレージングがよい。自分がギタリストなら絶対コピーしたい。

  8. そら:不協和音っぽいコード感が面白いフォーク。ベース西原氏の曲らしさがあるよな~。サビが美メロ。ストレートにロマンチックな曲。5分50秒はちょっと長くて飽きるが、人生なんてそんなもんだからまぁいいか。

  9. 1&MORE:パンキッシュなイントロから「あ~たしだって~」という歌詞で、人生疲れた姐さんがいきなり出てくるのが最高。サビのメロディーがバカ明るくて、GRAPEVINEにたまにあるめちゃくちゃキャッチ―で明るいけど泣ける曲。「ひとつだけ」という歌詞のリフレインに、JUDY AND MARYを思い出したり(曲調込みで)。

  10. 愁眠:ここにきてやっと若さを感じる曲。Oasis的。シンプルな文学ロック。田中曲ですね。なんとも煮え切れんメロディーとコード進行。もったりした気分になり、やっぱ「退屈の花」だな、と。この曲が終わってしばらく無音を挟んだらボートラがある。「熱の花」という曲でなんかみょんみょんとした、パン(音が聞こえる位置)がキモい、熱に浮かされた感じで本当に終わる。このスッキリしなさよ。

2026/5/20追記:
M9の「1&MORE」は矢野顕子の楽曲「ひとつだけ」の実質的なカバーに近い曲であることが、以下のJMX氏のブログ「ろくおんげいじゅつ倶楽部」に紹介されていました。とても有益な情報!

矢野顕子の曲もさっき聴いた。とてもよかった。よく考えたら矢野顕子ってちゃんと聞いたことがなかったな…。知れてよかった。
そして本日、2026年5月20日は『退屈の花』発売28周年だそう。オンラインで見られる「CD・レコード発売カレンダー」によると同日発売にはB'zのベスト盤『Pleasure』、翌21日はMISIAのシングル『陽のあたる場所』、次週27日には椎名林檎『幸福論』とモーニング娘。『サマーナイトタウン』と、なんとまぁすごい時期だったんだね。

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