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司法書士として歩いてきた道と、これからのこと

このページを開いてくださり、ありがとうございます。

ここには、
私が司法書士として歩いてきた道と、
いま、大切にしていることを、
少し長めに書いています。

合格までの話というよりも、
なってから、迷いながら、続けてきた日々のこと。

よろしければ、
ひとつのおはなしとして、
読んでいただけたらうれしいです。

司法書士になるまでのおはなし

大学では、法学部に進みました。
はっきりとした理由があったわけではありません。

テレビで見たドラマの弁護士さんが、
なんとなく、かっこいいなと思った。
それくらいの、ほんの小さなきっかけでした。

大学生活にも慣れて、
進路を考えはじめたころ。

そのころの私は、
いつか、家庭をもち、
子どもを育てる未来を、
ぼんやりと思い描いていました。

そのためには、
子どもが生まれても、
自分の手で働き続けられる道が、
あったらいいな。

そんな思いから、
資格のことを、考えるようになりました。

大学の友達は、
司法試験を目指す子ばかり。

だから、その頃の私は、
法律の資格試験=司法試験
というぼんやりとした知識しか
ありませんでした。

ある日、資格学校のパンフレットを集めているとき。
ふと、一冊のパンフレットが目にとまりました。

「司法書士」

それまで、その資格の名前すら、知りませんでした。
どんな仕事なのかも、まったくわかりません。

調べてみると、
「身近な街の法律家」という言葉が、目に入りました。

争いの中で前に立つのではなく、
できるだけ争いが起きないように、
その前で、そっと形を整えていく仕事。

中立の立場で、
登記や手続きを、
一つひとつ積み上げていく。

その姿を思い浮かべたとき、
なぜか、胸の奥が、少し落ち着きました。

強く戦う人になるよりも、
静かに整える人でいるほうが、
自分らしいのかもしれない。

そう思ったことが、
司法書士という仕事との、
はじまりでした。

はじめての「先生」

大学4年生のとき、司法書士試験に合格しました。
大学卒業後は、地元に戻り、
主に登記を専門に扱う、
地元では比較的大きな司法書士事務所で、
勤務司法書士として働きはじめました。

ビジネスマナーも知らず、
試験の知識だけを持った、
ほんとうに頭でっかちな新米でした。

仕事は、毎日が綱渡り。
いま思い出しても、ヒヤヒヤします。

何もできない自分が、情けなくて、
落ち込むことばかりでした。

それでも、お客さまは、
こんな若輩者の私を「先生」と呼んでくれます。

そのたびに、
この期待に、応えられているだろうかと、
不安ばかりが、胸の中でふくらんでいました。

戸籍の読み方なんて、
試験には出てきません。

はじめて手にした戸籍は、
どのように読んだら良いのか、
全く分かりませんでした。

出生から、死亡まで――
どうやって、つなげたらいいの?
なんで、こんなに、手書きの文字って
読みにくいんだろう。

裁判所に相続関係の申出に行ったとき、
「これは、いらないだろう」と思って
戸籍を抜いてしまい、
窓口の方に、やさしく教えてもらったこともあります。

印鑑も、うまく押せませんでした。
決済の場で、
「先生、押して」
そう言われて、戸惑いながら印鑑を押します。
でも、ぜんぜん、上手に押せない。

印鑑って、
こんなに難しいものだったのかぁ……。

決済って、
いったい、どうやったらいいんだろう。
権利証は、
どこを見たらいいんだろう。
会社の定款って、
どうやってつくったらいいんだろう。

本当に、
わからないことだらけでした。

その一つひとつの経験から、
私は、思うようになりました。

相続の手続きって、
登記って、
会社の手続きって、
なんて難しいんだろう。


知識と、実務のあいだで

法律の知識は、
今は、インターネットでも手に入ります。

私も、試験に合格して、
法律の考え方はわかっているつもりでした。

でも、知識と実務は、まったく違いました。

税金や、行政の手続きなどに対する知識、
そして、なによりも大切な、
人の感情に対する配慮。
実務では、たくさんのことが必要となります。

当時の私は、
目の前の手続きを追うことに必死で、
その先に、
どんな影響が広がっていくのかまで、
全く想像できていませんでした。

それでも、
事務所の方々に助けていただきながら、
少しずつ、仕事を覚えていきました。

その事務所で、
10年近く。
不動産登記や会社登記を中心に、
たくさんの経験を積ませていただきました。


母になってからの選択

結婚し、長男を出産したあと。
私は、仕事をどうするか、悩みました。

育児に専念したいという気持ちもあり、
お世話になった事務所を辞め、
一度、司法書士の登録を抹消しました。

司法書士は、
登録をしなければ、
名乗ることも、仕事をすることもできません。

2年後、次男を出産し、
これからのことを考えました。

外に勤めに出るのは、難しい。
でも――
もう一度、司法書士として働いてみようかな。

そこで、再登録をし、
自宅で、一人で仕事を始めました。

子どもは、2歳と0歳。
1週間に一度、熱を出すことも。

とても、満足な仕事ができる状態では、
ありませんでした。

それでも、
子どもが寝たあとに仕事をしたり、
自宅で開業できたことには、
本当に、助けられました。

大きな看板も出さず、
ホームページも作らず。
ご紹介いただいた仕事を、
ひとつひとつ、
大切に続けてきました。

それは、
子どもが小学校に上がった今でも、同じです。

営業をしたり、宣伝をして、
たくさんのお仕事をこなしていくことは、
私には、難しい気がしました。

それよりも、一つ一つのお仕事を、
丁寧にやっていきたい。

そう思ったからです。

そうしていくなかで、
しばらく時間がたってから、
また思い出してご連絡をいただいたり、
ご縁がつながって、
新しいお客さまをご紹介いただいたりすることがあります。

そのたびに、
ああ、続けてきてよかったな、と
胸の奥が、そっとあたたかくなります。


いま、思っていること

司法書士になってから、
変わらず、思っていることがあります。

いただいたお仕事に対して、
できるだけ、
不安を抱かせないこと。

わからないことを、
「わからない」と言いやすい空気をつくること。

そして、
できるだけ、丁寧に説明すること。

その根底には、
なりたてのころの、
右も左もわからなかった自分の不安があります。

慣れている人にとっては当たり前のことも、
初めての人にとっては、
怖くて、わからなくて、不安でいっぱいです。

今、法律の物語や解説を書いているのも、
もしかしたら、
あの頃の自分を、
そっと慰めているのかもしれません。

「怖くないよ。大丈夫だよ。」

お客さまにも、
当時の自分にも、
そして、これから様々な問題に、
ぶつかるであろう、こどもたちにも、
そう伝えたくて。

司法書士とかかわることは、
もしかしたら、
人生で、一度きりかもしれません。

でも、その一度きりのときに、
ほんの少しでも、不安が和らぐように。

わかりやすくて、
あたたかい司法書士でいられたら。

そう思いながら、
今も、仕事を続けています。


あとがき

noteを書きはじめて、三カ月ほどがたちました。

いまの私は、新米の司法書士だったころの自分に、
戻ったような気がします。

どうしたら、もっと、わかりやすくなるだろう。
どうしたら、法律のいちばん大切なところを、
そっと手渡せるだろう。

書くたびに、そんなことを考えて、手探り状態です。

正直に言うと、noteをはじめたころは、
自分のことを書くのが、少し怖くもありました。

私は、ふだん、SNSをほとんど使いません。
名前や顔や経歴を前に出して、
発信することも、ほとんどありませんでした。

だから最初は、
どんな人なのか、なぜ書いているのか。
ぼんやりとした記事のみで、
きちんとした自己紹介もしないまま、
静かに書きはじめました。

それでも、この小さな場所を見つけて、
フォローしてくださる方がいて、
スキを残してくださる方がいて。

その一つひとつが、本当に、心の支えになりました。

「ちゃんと、読んでくれる人がいるんだ」
「ここに、いてもいいんだ」

そう思えるようになって、
一度、あらためて、
わたしがどんなふうに、
ここまで歩いてきたのかを、
ちゃんと書いてみようと思いました。

法律は、私たちの暮らしのすぐそばにあるのに、
少し、むずかしい顔をしていることがあります。

でも、ゆっくり眺めてみると、
「あ、そういうことか」と、ふっと、ほどける瞬間も、きっとある。

そんなふうに、法律が、すこしだけ身近に感じられるような、
お話や解説を、これからも書いていけたらと思っています。

もし、わかりにくいところや、
間違っているところがあったら、
そっと、教えてもらえたらうれしいです。

一緒に考えて、
一緒に、ほどいていけたら。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

また、次のお話で、
お会いできたら、とてもうれしいです。


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このnoteでは、以下のシリーズを書いています。

プロフィール

🌿司法書士ママ|みか
平成19年司法書士試験合格。
売買・相続などの不動産登記や会社・法人登記に15年以上たずさわっています。
家族の物語とともに、法律を“絵本のようにやさしく”お届けしていきます🍃

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