港のまちの畳のお宿— 御宿 野乃 境港で、ほっとする夜 —
港の夜と、畳のぬくもり
— 境港・野乃のひと夜 —
鳥取県境港市の港町。
水木しげるロードの通り沿いに建つ、畳のお宿――
天然温泉夕凪の湯 御宿 野乃 境港へ。
港の風が、ほんのり潮の香りを運んでくる。
ぽつぽつ灯る街灯の下、石畳の上には妖怪たちの影。
入り口を入ると、
い草の香りがふわりと広がった。
全館畳敷き。
裸足で歩く廊下は、ひんやりやさしくて、
その瞬間、旅の疲れが静かにほどけていく。
露天風呂は少し高い場所にあって、
湯面の向こうに港町の夜景がきらめいていた。
湯気の中で空を見上げると、
星がほんの少し揺れて見える。
湯上がり処には、ずらりと並ぶアイス。
ソーダ、フルーツ、モナカ。
どれも、宿からの小さなごほうび。
「どれにする?」
子どもたちは迷いながら、「もう一個いい?」と笑う。
つられて、パパもにっこり。
無料のマッサージのいすは、
ぶーん、と小さな音。
肩の奥まで、
とん、とん、と
やさしく たたいてくれた。
夜の鬼太郎ロード
おふろのあと、すこしだけ おさんぽ。
鬼太郎ロード は、金色の光。
妖怪たちは しずかに立って、
夜風が すうっと通りぬける。
「夜のぬりかべ、ちょっとこわいね」
手をつないだまま、
くすっと笑う声。
その声は、街灯のひかりに まざって
ふわっと消えた。
夜鳴きそばと、やさしい終わり
部屋で少し休んでいるうちに、時計は10時。
ロビーの奥から、醤油の香ばしい匂い。
夜鳴きそばの時間だ。
湯気の立つ丼を手に、
「これ、毎晩でもいいね」とパパ。
小さなレンゲで食べる子どもたち。
素朴であたたかい味が、
一日の終わりをそっと包んでくれた。
朝の光と、海鮮丼
朝食会場は、光と湯気で満ちていた。
サーモン、イカ、カニ、マグロ、いくら。
自分で作る海鮮丼は、
器の上に港の朝を閉じこめたみたい。
しじみの味噌汁をすすると、
潮の香りが喉の奥にひろがる。
食後は、湯上がり処の小さな乳酸菌飲料。
冷たい甘酸っぱさが、朝の空気と一緒に体に染みた。
朝のまちあるき
チェックアウト後、ふたたび水木しげるロードへ。
朝の光の中では、夜とはまるで違う顔。
スタンプ帳を手に、
「こっちは一反もめん!」
「次はねずみ男!」
子どもたちが駆けていく。
通りを抜ける、やわらかな朝の風。
静かな港町が、少しずつ目を覚ましていく。
🌾あとがき
「野乃」は、
旅館のぬくもりとホテルの快適さを、
やさしくひとつにしたような宿だった。
畳の香り。
温泉の湯気。
冷たいアイスの甘さ。
それぞれの瞬間が、
家族の記憶をそっと結んでくれる。
思い出すたび、
あの畳の感触が、静かに心に戻ってくる。
📖 旅ノート
宿泊:天然温泉夕凪の湯 御宿 野乃 境港
畳敷きの廊下や、湯上がりの時間が、とても心に残る宿。・全館畳敷き
・天然温泉/露天風呂(夜景や朝日)
・無料マッサージ機
・湯上がりアイス
・無料夜鳴きそば(22時〜)
・朝の乳酸菌飲料朝食:
サーモン、イカ、カニのほぐし身、マグロ、いくらの海鮮丼/しじみ味噌汁アクセス:
JR境港駅から徒歩約5分。水木しげるロードの目の前。周辺:
境港さかなセンター(朝の市場)
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🌿 旅のものがたり とは?
家族で出かけた小さな旅を、
そっと物語のように綴っていくシリーズです。
そこで出会った景色、
子どもたちの“できた”がふわりと灯る瞬間、
帰り道に胸の奥に残ったあたたかさ。
そんな一つひとつを、
静かに、大切に書きとめています。
🌙 次の旅のおはなしも、またゆっくり読んでもらえたら嬉しいです🍃
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プロフィール
🌿司法書士ママ|みか
平成19年司法書士試験合格。
売買・相続などの不動産登記や会社・法人登記に15年以上たずさわっています。
家族の物語とともに、法律を“絵本のようにやさしく”お届けしていきます🍃
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