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第四話 二回目の応援と初めてのお礼

📘 はじめて読む方へ

このお話は、子どもが働く体験のできる
こどものくにを舞台にした物語です。
※シリーズのつづきになります。

前回のお話はこちら👇
👉 第三話 はじめての おしごと ― 会社を応援しよう ―

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👉🏰こどものくに(やさしい法律教室シリーズ内)

はじめてのおしごとを終えた日は、
なんだか、体の中の力が、
いっぺんに抜けたみたいでした。

はるきは、
お菓子の家の小さなベッドに腰かけて、
そのまま、
ごろん、と横になります。

目を閉じると、
すぐに、
眠ってしまいました。

* * *

――はるき。

「……あれ?」

目を開けると、
そこは、
いつもの自分の部屋。
お母さんが、心配そうに見つめています。

「何度呼んでも起きなかったから……
 大丈夫?」

天井も、
カーテンも、
いつもと同じ。

「うん、大丈夫。
 ……ゆめ、だったのかな」

そう言って、
枕の下に手を入れました。

でも――

あるはずの、
招待状が、
ありません。

紙の感触も、
ありません。

「……ない」

胸が、
すこしだけ、
ざわっとしました。

その日は、
学校へ行って、
ごはんを食べて、
いつも通り過ごしました。

でも、
頭のすみっこには、
ずっと、
「こどものくに」のことが残っています。

その夜。

はるきは、
少しだけ不安になりながら、
布団に入りました。

「……ほんとうに、
 もう一度、行けるのかな」

そっと目を閉じました。

* * *

かすかに、
甘いにおいがします。

気がつくと――

はるきは、
あのお菓子の家のベッドの上にいました。

「……あ」

ここだ。

そのとき。

かたん。

家の外で、
小さな音がしました。

はるきが外に出ると、
ポストの中に、小さな箱が入っていました。
封は、やさしいリボン。

そっと、ふたを開けると――
中には、クッキーが一箱。
そのとなりに、
昨日 応援した会社の名前が書かれた、
小さなバッジが、ひとつ入っています。

クッキーは、
今まで見たことのない、
不思議な包み紙で包まれていました。

金色と、
すこし青い色。

模様が、
ゆっくり動いているみたいです。

ひとつ、
口に入れてみると。

――とびきり、おいしい。

はるきは、
思わず、
笑ってしまいました。

「……もう一回、
 応援しに行こう」

ポケットの中には、
コイン。

車に近づくと、
なにも言わなくても、
すっと動き出します。

昨日と同じ場所。

応援のポストが並ぶ広場でした。

そこに――

「あ、はるき」

ゆかりが、
手を振っています。

「お礼、来た?
 昨日、集計日だったから。」

「うん。
 クッキーもらったよ。」

「そっかぁ。
 わたしはねー…」

ゆかりは、
うれしそうに言いました。

「コイン10まい分
 応援したから、
 お菓子の詰め合わせ」

でも、
すぐに、
少しだけ、くやしそうな顔になります。

「でもね、
 いちばん人気の会社、
 えらべなかった…
 ごほうび、ほしかったのにな」

はるきは、
ゆかりの手元を見ました。

そこには、
小さなバッジが
たくさんありました。

会社の名前が、
ひとつずつ、
書いてあります。

「これね、
 応援のしるし」

ゆかりは、
ポストの前に立って、
いくつかのバッジを、
中へ返しました。

すると――

ふわっ。

コインが、
手のひらに戻ってきます。

「応援、
 やめたい分だけ
 返せるんだよ。
 きえた会社じゃなければ、ね」

はるきも、
自分のポケットをさぐりました。

クッキーと一緒に入っていた、
小さなバッジ。

「……ぼくも、 変えてみようかな」

はるきも、昨日応援した会社のポストへ
バッジをそっと入れると、
手元に、コインが1枚、
ふわっと現れました。

はるきと、
ゆかりは、
並んで、
ポストの前に立ちました。

「今度は、どこ、応援する?」

はるきは、一生懸命
案内文を読んで考えます。

どこが一番人気に、
なれるだろう…

「……ここにしてみる!」

今度は、
コインを、
五枚。

封筒に入れて、
名前を書いて、
そっと。

かたん。

やっぱり、何も起きません。

「よし」

ゆかりが、にこっと笑いました。

「じゃあさ、 あそびに行こ」

ふたりが向かったのは、
空中ブランコやトランポリンのある、大きな公園。

トランポリンは、ぐーん、と高くはねて、
空まで飛んでいってしまいそうです。

そのとなりには、雲の上までのぼれるエレベーター。
びゅーん、とすごいスピードで、空へ向かっていきました。

雲の上には、
レストランや、大きな遊園地。

でも――
遊園地に入るには、たくさんのコインが必要みたいです。

「いっぱい お仕事して、
 こんど あそびに こよう」

ゆかりが、そう言って笑いました。

雲の上からは、こどものくにが、見渡せます。

たくさんのお店や、お家。
遠くのほうには、
大きな、にじいろに光る滝。

その先には、海も見えました。
海へつづく、透明なトンネルもあります。

「あのトンネルを くぐったらね、
 海の中の世界にも いけるんだよ」

ゆかりが、うれしそうに教えてくれました。

はるきは、初めて見る景色に、何度も足を止めました。


この世界は、まだまだ、知らないことだらけ。
それなのに――
ずっと前から、知っていたような。

そんな、ふしぎな気持ちになりました。

「またね。」
そう言って、ゆかりと別れ
お菓子の家に帰りました。

明日は、二回目のお仕事の日かな?
どんな仕事が、待っているんだろう。

はるきは、わくわくしながら、
色々考えていましたが、
ヘトヘトだったので、
すぐに眠ってしまいました。

今日も、ほんの少しだけ
この世界のことを知った気がしました。


🏰前のお話はこちら👇
👉第三話 はじめての おしごと ― 会社を応援しよう ―

🏰次のお話はこちら👇
👉第五話 二かいめのおしごとー株主総会に出席しようー


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プロフィール

🌿司法書士ママ|みか
平成19年司法書士試験合格。
売買・相続などの不動産登記や会社・法人登記に15年以上たずさわっています。
家族の物語とともに、法律を“絵本のようにやさしく”お届けしていきます🍃

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