採用も育児も、「今」ではなく「未来」を見ている。
先日、公文で娘がパズルをしていた。
明らかに角のピースを、真ん中にはめようとしている。
「そこじゃないよ。」
答えは分かっている。
だから、つい口を出したくなる。
でも、そのたびにぐっと飲み込んだ。
娘は、
「ここじゃない。」
「これでもない。」
と、小さな声でつぶやきながら、何度も何度もピースを動かしている。
見ている私は少しもどかしい。
もっと早く教えてあげれば、すぐ終わるのに。
そんなことを思ってしまう。
でも、その時間はきっと、
パズルを完成させる時間じゃない。
娘が、
「考えること」
「間違えること」
「自分で答えを見つけること」
を覚える時間なんだ。
そう思って、私は何も言わずに見守った。
数分後、
「あっ!」
という声と一緒に、最後のピースがぴたりとはまった。
「できた!」
満面の笑みだった。
その笑顔を見た瞬間、
私は仕事のことを思い出した。
⸻
私は人事の仕事で、新卒採用をしている。
面接で見ているのは、
「今、何ができるか」
だけではない。
この学生は3年後、どんな社会人になっているだろう。
5年後には、どんな人を支え、どんな仕事を任されているだろう。
そんな未来を想像しながら話を聞いている。
だから、
今できないことだけで、その人を判断することはほとんどない。
経験が少ないのは当たり前。
失敗するのも当たり前。
それよりも、
素直に学べる人か。
考え続けられる人か。
これから伸びていける人か。
そんなことを見ている。
⸻
でも、親になる前の私は、
それが当たり前だと思っていた。
「伸びそうな学生」を見極めるのが、人事の仕事なんだと。
親になって、その考えは少し変わった。
子どもは、
最初からできるわけじゃない。
何度も間違えて、
何度も失敗して、
少しずつできることを増やしていく。
その姿を毎日のように見ていると、
「伸びる人を見つける」
というより、
「人は、伸びるものなんだ。」
そう思えるようになった。
育児が、
人事観まで変えていた。
⸻
それでも私は、
娘に対しては「今」を見てしまう日がある。
早くできるようになってほしい。
もっと上手になってほしい。
なんで分からないんだろう。
そんな気持ちが顔を出すこともある。
でも、そのたびに思い出す。
あのパズルの時間を。
私が教えたから完成したわけじゃない。
娘が、自分で考えて、
自分で答えを見つけたから、
あんなに嬉しそうに笑ったんだ。
⸻
採用も育児も、
目の前の「できる」「できない」を見る仕事ではないのかもしれない。
その人が、
これからどんなふうに成長していくのか。
その未来を信じる仕事なんだと思う。
だから私は、
娘が間違えている時間も、
学生がうまく話せない時間も、
少しだけ待てるようになった。
答えを知っていることより、
答えを見つけられる未来を信じたい。
採用も育児も、
私が見ているのは、
「今」ではなく、
その先の未来なのかもしれない。
⸻
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
このnoteでは、シングルファザーとしての子育てや、人事の仕事を通して感じたことを、一つひとつ言葉にしています。
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