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不安が戻ってきても、それは「後退」ではありません


「あ、少し楽になってきたかも」
そう思える日が、一日、また一日と増えていく。

どんよりとした霧の中にいたような毎日から、少しずつ視界が開けてきて、久しぶりに空の青さをきれいだと思えたり、テレビを見ていてクスッと笑えたり。
そんな自分に気づいたとき、心の底からホッとするんですよね。
「ようやく、あの暗い場所から抜け出せたんだ」って。

でも、そんな矢先に、それは前触れもなくやってきます。

朝起きたときの、あの嫌な動悸。
胸の奥をギュッと掴まれるような、得体の知れない不安感。
「あぁ、またあの感覚が戻ってきた……」

一度、光が見えたあとだからこそ、その暗闇は以前よりも深く、重く感じられます。
せっかく積み上げてきた自信が、音を立てて崩れていくような感覚。

「やっぱり、私はダメなんだ」
「結局、何も変わっていなかったんだ」
「一生、この繰り返しから抜け出せないんじゃないか」

そんなふうに、自分に絶望してしまいそうになっているあなたへ。
今日、どうしても伝えたいことがあります。

不安が戻ってきたのは、あなたが後退したからではありません。
あなたが今まで積み上げてきた努力が、無駄になったわけでもありません。

それは、あなたの体が「着実に、次のステップへ進もうとしているサイン」なのです。

回復は、きれいな一本道ではありません

私たちはどうしても、回復というものを「右肩上がりの直線」でイメージしてしまいます。
昨日より今日、今日より明日、少しずつ良くなって、二度と悪い状態には戻らない……そんな理想を描いてしまいますよね。

でも、自律神経や心の回復は、決して直線ではありません。

三歩進んで、二歩下がる。
あるいは、寄せては返す波のような、行きつ戻りつの繰り返しです。
もっと言うなら、それは「螺旋(らせん)階段」のようなものかもしれません。

同じような不安、同じような苦しみの場所をぐるぐると回っているように見えて、実は少しずつ、あなたは高い場所へと移動しています。
前回の不安の波よりも、あなたはほんの少しだけ、対処法を知っているはずです。
前回の波のときよりも、あなたはほんの少しだけ、自分を客観的に見られているはずです。

「戻ってきた」と感じるのは、あなたが前進しているからこそ見える景色なのです。

なぜ、良くなったと思ったあとに不安が出るのか

実は、自律神経が整い始め、体が「安全モード」に切り替わろうとするとき、脳はあえて「過去の警戒パターン」を再確認することがあります。

これは、パソコンの再起動や、システムの脆弱性チェックのようなものです。
「本当に、もう安心しても大丈夫?」「もしもの時、ちゃんと動ける?」
そんなふうに、あなたの体の中の防衛システムが、最終点検を行っているのです。

特に、これまでずっと

  • 良くなったと思ったら、ドカンと悪いことが起きた

  • 期待しては裏切られることを繰り返してきた

  • 「幸せになっちゃいけない」とどこかで思ってしまう

そんな経験を重ねてきた人ほど、体が「安心」を怖がることがあります。
「こんなに調子が良くていいはずがない。今のうちに警戒しておかなきゃ」と、ブレーキをかけてしまうのです。

今の不安は、あなたを苦しめるためのものではなく、あなたの体が「変化」に対して慎重になり、あなたを懸命に守ろうとしている証拠。
「慎重すぎるくらいの優しさ」が、不安という形になって現れているだけなんです。

「戻ってしまった自分」に落第点をつけないで

不安が戻ってきたとき、一番つらいのは「症状そのもの」よりも、その症状を見て「あぁ、やっぱりダメだ」と自分をジャッジしてしまうことではないでしょうか。

「あんなに頑張ったのに」
「あの本を読んで、あんなにワークもしたのに」
「カウンセリングにも通ったのに、結局これか」

そうやって自分を責めるエネルギーは、さらに自律神経を緊張させ、不安の波を大きく、長くしてしまいます。

もし、また不安がやってきたら、自分にこう言ってあげてください。

「お帰り、不安さん。また点検に来たんだね」
「今は回復のプロセスで、揺れているだけなんだ」
「戻ったように見えるけど、私はちゃんと進んでいるよ」

以前のあなたなら、不安に飲み込まれて、何日も寝込んでしまっていたかもしれません。
でも今は、こうして記事を読んで、自分の状態を理解しようとしている。
そのこと自体が、あなたが以前とは違う場所に立っている、何よりの証拠です。

0か100かではなく、その間の「揺らぎ」を愛する

自律神経の回復とは、「不安がゼロになること」を目指す旅ではありません。
不安という波がやってきても、「あぁ、また波が来たな。そのうち引いていくだろう」と、ボードの上でバランスを取れるようになること。

「戻っても大丈夫」
「また悪くなっても、私は私の味方でいられる」

そう思えるようになったとき、あなたの心は本当の意味で自由になれます。

今日は、不安が戻ってきた自分に、100点満点をつけてあげてください。
「また不安になれるくらい、私は回復を信じて進んできたんだね」と。

あなたは、後退なんてしていません。
今のその苦しみも、新しいあなたに生まれ変わるための、大切な「通過点」です。

今日は、何も解決しなくていいです。
ただ、温かい毛布にくるまって、「今日も生きていた、それで十分」と、自分を抱きしめてあげてください。

あなたのペースでいい。
その揺らぎさえも、あなたの体が一生懸命に生きようとしている、愛おしいリズムなのですから。

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