見出し画像

私はエンジニアじゃない。でもPythonとChatGPTで、採用を変えた。

「採用って、もっとよくできるんじゃない?」

夜、自宅のデスクに座りながら、私はChatGPTに問いかけていた。

「お仕事体験ゲームって、採用活動に使えると思う?」

まだ実現していない構想だけれど、頭の中では鮮明にイメージできていた。求職者がゲームの中でさまざまな職業を“体験”し、興味のある仕事に自然と惹きつけられていく…。現実の会社紹介では伝えきれない“働くイメージ”が、バーチャルの世界で補完される未来。

そんな妄想めいたアイデアを、私は夜な夜なAIと共有している。
私はエンジニアではない。でも、PythonとChatGPTを組み合わせれば、アイデアをカタチにできる。
この文章は、非エンジニアの私がAIと出会い、“働き方”と“採用の未来”をどう変えていったかの記録である。

キャリアのスタートは「人を支える仕事」だった


私のキャリアのはじまりは、地元の銀行だった。

「人の人生に関われる仕事がしたい」
そう思って選んだ金融の仕事は、想像よりずっと数字とノルマに追われる日々だった。保険や投資信託を売る。資産運用の提案をする。ときには相続や信託の相談にも乗る。確かに“人生”には関わっていたけれど、「本当にこの人のためになっているんだろうか?」という問いが、心のどこかにずっと残っていた。

その後、私は医療系の広告会社に転職した。クリニックや病院の集患支援、WebサイトやSNSの提案…。いわゆる“営業”という仕事を初めて経験した。人と話すのは好きだったし、提案書をつくるのも得意だった。でも、どこか物足りなかった。
「もっと、お客さんの“中”に入り込んで、仕組みから改善したい」
そう思って、3社目となる今の求人広告代理店に転職した。

採用の仕事で見えた「人材業界の課題」


「応募はあったけど、誰も来なかったんです」
「高い広告費かけたのに、たった3人しか応募がなくて…」
「定着せずに、また同じ求人を出さなきゃいけない」

求人広告の営業・運用・効果分析を担当する中で、私は日々、企業の“採用のリアル”と向き合っていた。
ただ原稿を書いて広告を出せば人が集まる時代は、とっくに終わっている。少子高齢化、職種間の人気格差、求人の乱立…。企業側がいくら条件を整えても、「伝え方」や「採用設計」が間違っていれば、まったく響かない。

そんなときだった。ChatGPTと出会ったのは。

ChatGPTとの出会いで“業務”が変わった

最初は軽い興味だった。
「求人原稿、AIに書かせてみたらどうなるんだろう?」

私が実際にやってみたのは、ChatGPTへのプロンプト作成だった。
「この求人、主婦をターゲットにして書いてみて」
「仕事内容を1日の流れで、わかりやすく説明して」
「この文章にもっと“応募したくなる要素”を入れて」

何度も対話を繰り返すうちに、私は気づいた。
ChatGPTは、ただ文章を自動生成してくれるだけじゃない。
「自分の考えを言語化する補助線」になってくれる存在なのだと。

そこから、私はPythonの学習もはじめた。
求人データのExcelを自動で加工したり、効果分析をグラフ化したり。
業務時間はどんどん短くなったし、そのぶん「戦略を考える時間」が生まれた。
私は非エンジニアだ。けれど、“現場で使えるAI”を自分の手でつくれるようになっていった。

非エンジニアが描いた、採用の未来図


ChatGPTとPythonで仕事を効率化していくうちに、私はある感覚を手に入れた。
「もしかして、これ、採用の“仕組み”自体を変えられるんじゃない?」

そんなふうにして妄想し始めたのが、“お仕事体験ゲーム”というアイデアだった。

たとえば、物流の仕事。求人原稿には「倉庫内作業」「仕分け・梱包」といった言葉しか並ばない。でも、現場を見れば、そこには独特の流れやリズムがある。どんな商品が流れてきて、どのぐらいのスピードで作業するのか。どれだけチームで声をかけ合っているのか。

「もし、ゲームでその仕事を仮想体験できたら?」

私はそれを“ワートピア(Work+Utopia)”と名づけた。
ジャンルはRPGでもメタバースでもいい。求職者は自由に街を歩き、仕事を「体験」できる。プレイした行動データから向いている職種を提案したり、企業がプレイヤーにスカウトしたり。
履歴書では見えない「働きたい」の気持ちや個性を、ゲームで引き出せる世界。

そしてもう一つの構想が、“AI ATS”。
ATS(採用管理システム)は今や当たり前のツール。でも、現場の人事は忙しい。応募者対応、面接設定、原稿管理、すべてが属人的になりがちだ。
だったら、AIが補助できたら?
ChatGPTが応募者のやりとりを提案し、面接日程を候補から自動生成し、志望動機を分析して「この人は離職リスクが低い」とアラートを出してくれる。
それが“AI ATS”の構想だ。

私は今、これらの構想をすべて「妄想のまま」で終わらせないために、少しずつ形にしている。絵を描くのが苦手でも、UIモックはCanvaで作った。仕組みの根幹はPythonでスクリプトを書き、Streamlitでプロトタイプをつくりはじめた。
まだ完成形にはほど遠いけれど、非エンジニアの私にも、ここまで来れた。

「副業で“届けてみる”ことから見えた世界」


この「妄想」を加速させたのが、副業だった。

会社に勤めながら、私はnoteで発信をはじめた。PythonやChatGPTを使った業務効率化、求人原稿の作成ノウハウ、採用データの見える化…。最初は「読まれなくてもいいから、書こう」と思っていたけれど、少しずつフォロワーが増え、反響も届くようになった。

加えて、ココナラではスキルをサービスとして出品する準備を進めている。
「採用分析の自動化ツール」「求人チェックGPT」「Python業務相談」…
まだ収益化はしていないけれど、自分の経験や知識が“誰かの役に立つ形”として世に出る可能性を感じている。

「外に出してみることで、見える世界がある」
そんな実感が、副業や発信によって芽生えてきた。

“誰かの未来”を変えるツールを、私たちが作る

私は、プログラマーではない。でも「作ること」を諦めたことはない。

採用業務をPythonで自動化し、ChatGPTを業務に実装し、UIモックを作成しはじめた。わからないことは検索し、試し、失敗して、また書き直す。最初は小さな自動化でも、それが確かな“変化のきっかけ”になる。

そして私は信じている。
ツールは、課題を一番よく知る人が使うべきだ。

採用現場のリアルを知っている私たちが、採用の未来を変えられる。
大手企業や有名スタートアップじゃなくても、誰かの“働く”を変えるプロダクトは生まれる。ChatGPTもPythonも、そのための“手段”にすぎない。

「これは、私の働き方改革だった」


かつて、私は求人広告の数値に追われていた。
クリック率、応募数、予算消化率。
それを少しでも良くするために、原稿を書き直し、配信を調整し、クライアントに報告書をつくった。

でも今は違う。
数字に追われるのではなく、“数字の意味”を考え、“未来の仕組み”を構想している。
効率化だけがゴールではなく、「この仕事の価値を、もっと伝えられる方法はないか」を日々、問い続けている。


この物語は、AI時代を生きる「誰でもない誰か」の、等身大の挑戦の記録だ。
そしてきっと、これはまだ“はじまりの章”。

いつかこの話が「あなたの未来の働き方」に届いたなら、それ以上の幸せはありません。


👇自己紹介はこちら

#創作大賞2025 #ビジネス部門

いいなと思ったら応援しよう!