実った稲穂の重さと、信頼の重さ
この稲穂を見るたびに思います。
ここまで来るまでには、一年があります。
春に田植えをし、
毎日の水管理を続け、
肥料をまき、
病害虫と向き合い、
天候に一喜一憂しながら、
ようやく、この景色になります。
一本一本の稲穂は軽く見えても、
その一本には、一年分の時間と努力が詰まっています。
だからこそ、農家にとって「一年」は、とても重いものです。
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先日、借り入れの手続きを進めるため、社長が農機具メーカーの営業担当の方を呼びました。
契約書には3月支払いと記載されていましたが、私は契約の時から、
「商品が納品されてから支払います。」
と伝えていました。
会社としても、その方針で借り入れの準備を進めていたため、その内容を改めて確認するための話し合いでした。
その場で、8月上旬に納品予定だった農機具が、10月納品になると聞きました。
納期が遅れること自体は、仕方ないこともあります。
ですが、農業には作業の時期があります。
正直、この先の作業がどうなるのか、内心ヒヤヒヤしています。
実は、これが初めての話し合いではありませんでした。
前回、この営業担当の方との間でトラブルがありました。
その出来事を受けて、今回は社長にも入っていただき、改めて契約内容や納期、支払い方法について確認する場となりました。
私は、
「今度こそ、お互いに信頼関係を築いていけたら。」
そんな思いで、その場にいました。
ところが、その直後に返ってきた言葉は、
「米の代金が入ってくるから払えるね。余ってるじゃん。」
というものでした。
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私が残念だったのは、納期が遅れたことではありません。
農家の経営や資金計画が、軽く受け止められたように感じたことです。
農家は、お米を売ったお金が、そのまま利益になるわけではありません。
そこから、
・肥料代
・農薬代
・燃料代
・機械代
・借入金の返済
など、多くの支払いがあります。
一年かけて得た収入で、一年分の経営を回しています。
だからこそ、資金計画はとても大切です。
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私は、この営業担当の方だけを責めたいわけではありません。
今まで担当してくださった営業の方々とは、お互いに間違いがあれば認め合い、必要であれば謝ることもできていました。
そうした積み重ねがあったからこそ、信頼関係を築くことができていたのだと思います。
だからこそ、今回は、そのような信頼関係を感じることができませんでした。
地域の農業を支える全国規模の農機具の企業だからこそ、農家の現実や、一年かけて積み重ねている経営を、もう少し理解していただけたら嬉しいと思っています。
農機具は、一度買って終わりではありません。
修理のたびに依頼していきます。
また、細かな消耗品の交換もあり、
何年、何十年と付き合っていくものです。
だからこそ、商品だけではなく、人と人との信頼も積み重ねていくものだと思っています。
担当者が変わっても、その信頼や現場への理解は、変わらず受け継がれてほしい。
社長が変わると、組織の雰囲気や考え方も大きく変わることがあるのかもしれません。
特に今回は、交代した社長からの流れで、会社の風土も変わっていく事を身を持って体験しました。
今回の出来事を通して、そんなことも考えました。
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📝あとがき
この文章は、誰かを責めるために書いたものではありません。
農業は、一年という時間を積み重ねて成り立つ仕事です。
だからこそ、農家と企業も、お互いを理解し、信頼を積み重ねていける関係であってほしい。
実った稲穂を見ながら、そんな願いを込めて書きました。
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🌱追伸
この写真は、新潟市西蒲区で撮影しました。
穂が重くなり、頭を垂れ始めた稲を見ると、「もうすぐ収穫だ」という期待と、「ここから無事に実ってほしい」という願いが、毎年同時に湧いてきます。
稲も信頼も、一日では育ちません。
時間をかけて積み重ねていくものだからこそ、大切にしていきたい。
そんなことを、この景色が教えてくれました。
