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【残り75】仕事から逃避して観た『人はなぜラブレターを書くのか』が、想定外に心を打つ名作でした

奇跡のような実話を元にした物語

まずは、公式サイトから本作のイントロダクションとストーリーを引用させてもらう。

【INTRODUCTION】
2000年3月8日に発生した地下鉄線脱線事故により、当時高校生だった富久信介さんが犠牲となりました。
2020年―― 一通のラブレターが信介さんのご家族の元に届きました。
その手紙は、毎朝、信介さんと同じ時間、同じ車両で通学し、彼に密かな想いを寄せていたという女性から送られてきたものでした。ご家族も知らなかった信介さんの姿がそこには綴られており、20年越しで彼の成長を目の当たりにしたのです。
人の想いが色褪せる事は無い。この奇跡のような実話を元に、信介さんのご家族や関係者のご協力を得て、映画化されました。

【STORY】
寺田ナズナ(綾瀬はるか)は、とある青年に手紙を書きはじめる。
―― 24年前、17歳のナズナ(當真あみ)は、いつも同じ電車で見かける高校生・富久信介(細田佳央太)にひそかな想いを抱いていた。一方、信介は学校帰りにボクシングに夢中な生活を送り、プロボクサーを目指していた。そんな彼らに、運命の日、2000年3月8日が訪れる。
―― 2024年、ナズナからの手紙を受け取った信介の父・隆治(佐藤浩市)。その手紙の中に亡くなった息子の生きた証を確かに感じ、知りえなかった信介の在りし日が明らかになっていく。そして、隆治はナズナに宛てた手紙を綴りはじめる。愛する者を亡くして生き続けた隆治とナズナとの邂逅により、24年前の真実とナズナが手紙を書いた理由が明らかになる。
人はなぜラブレターを書くのか ―― その手紙が“奇跡”を起こす。

公式サイト/人はなぜラブレターを書くのか 


内容についての詳細やネタバレは、これ以上書くつもりは無し。
鑑賞後の率直な感想を一言で表すなら、『良い映画だった』ということ。

ふと、電車通学のことを思い出した


秀逸なタイトルと、半世紀生きた人間に刺さる映像美

まず、私が強く心惹かれたのが、この映画のタイトル。
『人はなぜラブレターを書くのか』
鑑賞前から、なんとも秀逸なタイトルだと感じていた。

もちろん映画館での予告編を何度も観ていたので、「なぜ書くのか」を暴くような野暮なミステリー作品ではないことは百も承知だった。ただ、映画の2時間という本編を通して、私自身も「人はなぜ、手紙という形で想いを残そうとするのか」という問いを、心のどこかでずっと考えながら観ていたように思う。

映像面でも、非常に印象的なシーンが多い映画だった。
ハッとするような美しい景色もあれば、誰もがチクリと思い出しそうな「学生時代の一コマ」もある。そして、近くて遠い「何とも歯がゆい家族との時間」。
半世紀近く生きてきた人間の視点からすると、其処此処(そこここ)に「ああ、わかるな」と思わず自分の人生と重ね合わせてしまうような絵が、2時間弱の尺の中にこれでもかと凝縮されていたように感じる。

今や高校生役といえば、この子ですね


役者たちの凄みと、予期せぬ涙

また、演じている役者の皆さんの「演技レベル」が途轍もなく高い。
綾瀬はるかさん、佐藤浩市さん、妻夫木聡さん、菅田将暉さん、そして細田佳央太さんや當真あみさん、西川愛莉さんら若手キャスト。主要キャストそれぞれにとても印象的な見せ場があったが、全員の悲哀を訴えかけるシーンの演技には、とても心がうたれた。
私は普段、映画を観てそこまで泣くタイプではないのだが、今回は想定外。彼らの熱のこもった芝居に引き込まれ、暗闇の中で何度か自然と涙がこぼれ落ちた。

鑑賞後に、いくつかのインタビューや制作裏話の情報を調べてみた。
制作陣が、この奇跡のような実話を単なる「お涙頂戴」にするのではなく、当事者の方々への敬意を持ち、いかに丁寧な手つきで一つの映画作品へと昇華させたのかがよく伝わる話ばかりだった。

おわりに

少しでも興味を持たれた方には、配信を待って自宅のテレビの小さな画面で観るのではなく、ぜひ映画館の暗闇の中で、スマホの通知を切って2時間集中して観ることをお勧めする。

おそらく次回の日本アカデミー賞では、作品賞をはじめいくつかの部門で確実にノミネート、あるいは受賞すると思われるので、劇場で体験しておいて損はないかと。


【追伸】
残り75本。
実はこの映画、「仕事のやる気がどうしても出なくて、現実逃避でフラッと映画館に入って観てしまった」という動機だったのだが、想定外の両作に出会った感じ。サボってみるのも悪くない。

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