公文書で確認した「おおつあやか後援会」所在地届出の時系列と訴訟上の説明について
目次
はじめに
本稿は、破産事件に関する最終的な結論を断定するものではありません。
あくまで、公開されている訴訟上の主張と、公文書開示請求により入手した「おおつあやか後援会」の届出書との整合性を、外部から確認できる範囲で整理・検証するものです。
今回確認したいのは、「おおつあやか後援会」の主たる事務所所在地の時系列です。
この点は、破産管財人が訴訟上指摘している内容とも関係しています。
争点の所在

訴訟資料上、破産管財人は、被告側による
「後援会が十全ビルの賃料等を負担していた」
との説明について、その前提となる
「令和6年1月18日に後援会の事務所を十全ビルに移転した」
との説明自体に疑義がある旨を指摘しています。
本稿では、その全体を論じるのではなく、まずはこのうち所在地の時系列に絞って、公文書で確認できる事実を並べます。
公文書開示で確認した届出書
今回確認した資料は、「おおつあやか後援会」に関して東京都選挙管理委員会へ提出された届出書であり、公文書開示請求により入手したものです。
また、当該期間に関する資料としては、これら以外に存在しないとのことです。
令和6年1月4日提出の「届出事項等の異動届」

この書面では、「主たる事務所の所在地」について、
旧住所:東京都台東区根岸1丁目1-24 鶯谷ニッシンハイツ608
新住所:東京都千代田区神田錦町3丁目15-16-005
異動日:令和5年11月6日
と記載されています。
つまり、少なくともこの時点で、後援会の主たる事務所所在地は神田錦町住所として届け出られています。
令和6年4月19日提出の「届出事項等の異動届」

この書面は会計責任者の変更届であり、
旧会計責任者:小林宏
新会計責任者:大津綾香
異動日:令和6年3月25日
とされています。
重要なのは、この書面でも所在地欄に
東京都千代田区神田錦町三丁目15番地16-005
と記載されている点です。
表記は前書面と多少異なるものの、実質的には同一住所とみてよい内容です。
したがって、少なくとも令和6年4月時点でも、公的届出上の所在地は神田錦町住所であったことになります。
令和6年11月26日提出の「届出事項等の異動届」

この書面では、「主たる事務所の所在地」について、
新住所:東京都千代田区永田町二丁目9-6 十全ビル405
異動日:令和6年11月15日
と記載されています。
旧住所欄は判読しにくいものの、少なくともこの書面により、十全ビル405への異動は令和6年11月15日として届け出られていることが確認できます。
時系列を並べるとどう見えるか
以上の3通を時系列で並べると、次のようになります。
令和5年11月6日異動として、神田錦町住所へ変更
令和6年1月4日提出書面でも神田錦町住所
令和6年4月19日提出書面でも神田錦町住所
令和6年11月15日異動として、十全ビル405へ変更
令和6年11月26日にその異動届を提出
少なくとも、公的届出資料の時系列だけを見る限り、十全ビルへの所在地変更が現れるのは令和6年11月です。
訴訟上の説明との関係
ここで問題になるのは、訴訟上言及されている
「令和6年1月18日に後援会の事務所を十全ビルに移転した」
との説明との関係です。
公文書開示で確認した当該期間の届出資料では、
令和6年1月時点でも神田錦町住所
令和6年4月時点でも神田錦町住所
十全ビルへの異動は令和6年11月15日として初めて届出
という流れになっています。
そのため、少なくとも公文書上の時系列は、「令和6年1月18日に十全ビルへ移転した」との説明と整合しにくいように見えます。
もちろん、実際の使用実態や、届出が遅れた事情、あるいは別の説明可能性が全くないとまでは、この資料だけで断定できません。
最終的な事実認定は裁判所の判断に委ねられるべきです。
ただし、少なくとも、公文書で確認できる時系列と訴訟上の説明との間に看過しにくい齟齬があるように見えることは指摘してよいと思います。
私見
私が問題視するのは、感情的な人格批判ではありません。
問題は、公文書で確認できる事実と、訴訟上の説明との整合性です。
しかも本件は、単なる私的なトラブルではなく、破産した政党をめぐる訴訟であり、説明主体として名前が挙がるのは、政党の代表者・党首を務めてきた人物であり、かつ自身の政治団体に関する事項です。
そうである以上、公的資料と食い違い得る説明がされているのであれば、その説明責任は重いと言わざるを得ません。
違法性や虚偽を軽々に断定するつもりはありません。
しかし、少なくとも公文書上の時系列との不整合があるように見える以上、この点は厳しく検証されるべきだと考えます。
おわりに
今後も、公開資料や公文書に基づいて確認できる範囲で、事実関係を丁寧に追っていきたいと思います。
この件についても、印象論ではなく、一次資料ベースで検討されることを期待します。
