学遊高校あそび部!第一話

#創作大賞2024 #漫画原作部門

あらすじ
学遊(がくゆう)高校に入学した主人公、隅角 涼太(すみかど りょうた)は、部員が足りず廃部寸前の部活動、「あそび部」に入部することとなった。「みんなでワイワイ楽しく」をモットーに、今日も遊ぼう!
個性豊かなキャラクターが織りなす"遊び"コメディ。

遊びーーそれは生物が心を満たすためにする行為。
生産性はなく、生活、生存する上で行う必要は全くない行動。
では、何故人は遊ぶのか。何故あえてする必要のないことをしたがるのか。それはーー
「楽しいからよ!!!!!!!!!」
ーーだ、そうです。…この騒がしい女はーーいや、すぐ登場するのでその時に自分で紹介してもらいましょう。ともかく、そんな「遊び」を主題とした物語が始まります。

第一話「ババ抜き」

 私立学遊高等学校、入学式の日。
入学式を終え、教室に向かう生徒たち。
その中に、平凡そうな少年が一人。
「えっと、1-A組の教室はーーっと、ここか」
「ん?おお!?涼太やないか!同じクラスやったんか!しかも隣の席やないか!」
「え?あっ、圭介くん!久しぶり!」
「いやー、中学ん時からの友達がおって助かったで!よろしくな!」
「うん、よろしく!」
二人の少年ーー涼太と圭介は再会を喜び合う。すると、教室に担任と思わしき女性が入ってきた。
「はい、みんな席に着け〜」
生徒たちは皆、自分の席に座った。
「えー、改めて、みんな入学おめでとう。今日からこの1年A組を担任することになった、山本 千秋(やまもと ちあき)だ。よろしく。早速だが、諸々の連絡と説明をーー」
「ーーと、これくらいかな。ああ、そうそう、今日はこれで下校してもらうが、君たちの先輩から部活動の勧誘があると思うから、興味があれば話を聞くと良い。では、解散!」

生徒たちが帰りの支度をする中、涼太と圭介は話していた。
「部活やって。涼太は何か決めとる?」
「僕は特には。圭介くんは?」
「ワイも特にはないなぁ。まあ、ゆっくり考えればええやろ。ほな、また来週な!」
「うん、またね!」
圭介と別れた涼太は、帰りの支度を済ませ、校舎を出る。するとーー
「サッカー部です!サッカーやろうぜ!」
「セパタクロー!セパタクロー!」
「バスケ部に入りませんかー!」
「セパタクロー!セパタクロー!」
「バドミントン部に興味ある人ー」
「セパタクロー!セパタクロー!」
新入生たちが部活の勧誘を受けていた。
「なるほど、先生が言ってたのはこれか」
よく見れば遠くの方で圭介も勧誘を受けている。
「圭介くん、筋肉あるもんなぁ。僕は運動部はきついかなぁ」
「セパタクロー!セパタクロー!」
「(セパタクロー部うるさっ)…ん?あれは…」
「あそび部!あそび部に入りませんか!?」
見ると、黒髪の美少女が勧誘している。
「あそび部?…ってなんだろう」
気になって見ていると、目が合ってしまった。
「やばっ、目が合った」
「そこのあなた!今目が合ったわね!これであなたとも縁が出来たわ!」
「(関わっちゃいけないタイプの人だった!)」
涼太は逃げようとするがーー
「え」
ーー20メートルは離れていたであろう女に、あっさり捕まってしまった。
「もうどうして逃げるのよ!あそび部が気になるんでしょう!?そうでしょう!?ならば入部しましょう!すぐしましょう!」
「ちょっ、なんなんですか!貴女は!」
「え?ああ、そういえば紹介がまだだったわね。ごめんなさい。ーーこほん!私の名前は立花 遊(たちばな あそび)!あそび部部長の二年生よ!」
「たちばなあそび…(遊ぶために生まれてきたような名前だなぁ)」
「あなたは?名前は何ていうの?」
「あっ、隅角 涼太(すみかど りょうた)です。」
「隅角くんね!よろしく!」
「いやよろしくされても困りますけど…大体何なんですか?あそび部って」
「よくぞ聞いてくれたわ!あそび部とは、その名の通り"遊ぶ"ことを目的とした部活よ!」
「はあ、それって部活なんですか?」
「れっきとした部活よ!ちゃんと学校に部活動として登録されてるんだから!」
「(この学校大丈夫か?)」
「とにかく、興味があるなら是非あそび部に来てちょうだい!歓迎するわ!」
「いえ、結構です。」
「なんでよ!お願い!入部して!今部員が私を含めて2人しかいないの!3人以上いないと廃部になるの!」
「それはもうそういう運命だったってことで」
「ひどい!最近副部長も忙しくてあんまり部活に来てくれないから、私一人で遊んでるのよ!」
「悲しっ」
「そう思うなら入部して!私の一人チェスとか一人神経衰弱とか誰が読むの!?誰も読まないわよ!みんな1話切りするわよ!」
「ここまで読んでくださっただけでもありがたいと思いましょう。」
「人の心とかないの!?」
「ありません」
「鬼!悪魔!音楽の先生!…ねえお願い!面白くなるのはここからなの!せめて3話切りにして!うわーん!」
「(泣き出してしまった…少し可哀想かもしれない)…わかりましたよ、まずは体験入部させて下さい」
「えっ、いいの…?ああ、神様!仏様!校長先生!用務員さん!購買のおばちゃん!」
「神サイド多いですね」
「そうと決まれば部室に行きましょう!」
「えっ、今からですか?」
「もちろん、善は急げよ!」
「いや今日はちょっt
「レッツゴー!」
無理やり引っ張られる形で涼太は連れて行かれた。



「ここがあそび部の部室よ!」
「な、なんだこの部屋は…」
涼太が連れてこられたのは、校舎の隅にある空き教室の様な場所。そこには、おびただしい数のおもちゃやらが置かれていた。
「ボードゲームにチェス、囲碁、将棋…見た事ない物まである…」
「どう?すごいでしょ!」
「いや、すごいというか…こんな大量のゲーム、どうやって用意したんですか?」
あまりにも数が多く、とても部員2人の部活に与えられる部費では買えそうもない。
「ああ、それはね。私の一個上の先輩…先代部長が置いていってくれたのよ」
「えっ、この数のゲームをですか?」
「ええ、先輩曰く…『良いのよ、私同じやつ全部持ってるから』って」
「貴族かなんかですか」
「うん、流石の私もちょっと引いたわ」
「(これ全部寄付するとかどんな富豪だ?)…あれ、これって…ペケメンカード!こっちには王⭐︎戯⭐︎遊まで!
「カードゲーム好きなの?」
「はい!大好きです!」
「ふむ…じゃあこうしましょう!今から私と遊びで対決するの。あなたが勝ったらその中から好きなカードをあげるわ!」
「えっ、良いんですか?部内の物を勝手に…」
「良いのよ、だって私、部長だもの!」
「権力の暴走」
「ただし、私が勝ったらもちろん、入部してもらうわ!」
「まあそうですよね…わかりました。その賭け、乗ります!」
「そうこなくっちゃ!それじゃあ、対戦する遊びを決めてちょうだい?」
「えっ、僕が決めて良いんですか?」
「もちろん!私はあらゆる遊びに精通してるから、大抵のゲームじゃ負けないもの」
「(む、舐められてるな…)じゃあ、ババ抜きで」
「ババ抜き?いいけど、もっとあなたの得意なものでもいいのよ?」
「なるべくフェアに戦いたいので」
「あら…気に入ったわ!じゃあやりましょうか!」



立花 遊のあそび解説(読み飛ばしてもいいわ!)
その1  ババ抜き

用意するもの トランプ(53枚内ジョーカー1枚)
推奨人数 3〜7人

遊び方
1.カードを配る
 まずは裏向きで均等にカードを配って、他の人から表面が見えないようにして持ちましょう!
2.手札のペアのカードを捨てる
 同じ数字・絵札のカードを2枚組みにして中央の場に捨てていきましょう!全員の手札の整理が終わったら、ゲーム開始よ!
3.時計まわりにカードを引いて捨てる
 カードを引く順番を決めたら、持っているカードを扇の形に広げて、左となりの人に引いてもらうわ!
4.同じ数字のカードがあったら捨てる
 カードを引いた人は、そのカードを自分の手札に加えて、同じ数字のカードがあれば中央の場に捨てるわ!同じカードがなければそのまま自分の手札にくわえて、扇の形に広げて左となりの人に引いてもらいましょう!
5.順番にカードを引く
 そのまま時計回りの順にカードを左となりの人に引いてもらって、同じカードがあれば中央の場に捨てていくわ!
6.手札がなくなったら勝ち抜け
 早く手札のなくなった人から勝ち抜けよ!ババ(ジョーカー)は負けカードで、最後にババが手札に残った人が負けとなるわ!

以上!立花 遊のあそび解説でした!



「…と、まあ解説はしたけれど、ババ抜きのルール知らない人の方が珍しいわよね」
「身も蓋も無いですね」
「さて、早速始めましょうか」
二人はカードを揃え、捨てていく。
「(…とはいえ、二人だと当然…)」
淡々とゲームは進みーー遊の手札が2枚、涼太の手札が1枚という状況になった。
「まあ、こうなりますよね」
「ええ、当然ね。さあ、あなたの番よ。引いてちょうだい」
「…(さっき、『なるべくフェアに戦いたい』とか言ったけど、実はババ抜きを選んだのには理由がある。それはーー」
涼太は遊が持っている右のカードに手をかけた。すると、遊の顔がニッコニコの笑顔になった。左のカードに手をかけると、プルプルと怯える様に震え出した。
「ーーこの人、めっちゃわかりやすい!!)」
涼太は笑うのを堪えた。
「(こんな漫画みたいなリアクションする人いるのか…ともかく…)もらったッ!」
涼太は、左のカードを引いたーー!
「え」
引いたのは、ジョーカーであった。
「な、なんで…ハッ!」
♩ラ◯アーゲームのBGM
「アッハハハハハ!やーい!引っ掛かったー!騙されたわね!隅角くん!」
「バ、バカな…まさか…!」
「ええ、そうよ!演技よ!あんな漫画みたいなリアクションする人がいる訳ないじゃない!」
「クソッ、謀られた!」
「オーホッホッホ!私に勝てると思い込んでいたあなたの姿はお笑いだったわよ!」
「グッ、この女…!い、いや、まだだ!まだ負けてない!そっちが引く番が残っている!」
「フッ、まだわからないのかしら?」
「な、なんだと!?」
「私にジョーカーを引かされた時点で、あなたは既に『敗北』していたのよッ!!!」
遊は迷う事なくカードを引く。そしてーー
「はい、アガリっ」
「そ、そんな…」ガクッ
勝負は決した。


「あー楽しかった!もう一回やる?」
「い、いえ…やめときます。というか、何で最後当たりがわかったんですか?」
「フフフ…それはね…勘よ!」
「は?」
「私がどれだけババ抜きしてきたと思ってるの?2分の1の確率くらいなんとな〜く引けるわよ」
「(か、勝てる気がしない…)」
「ふふ、何はともあれ、これで入部決定ね!」
「…はい、そうですね」
「あら、もう少し抵抗すると思ったけど」
「勝負は勝負ですから。でも、いつかリベンジしてみせますからね」
「まあ!ますます気に入ったわ!その気概があれば、大会でも活躍してくれそうね!」
「…た、大会?」
「ええ、そうよ?言ってなかったかしら」
「初耳です」
「あら、じゃあ説明するわね。こほん、…『遊び人の遊び人による遊び人のための遊戯大会!"アソビンピック"!それは、世界中の遊び人たちが様々な遊戯で競い合う夢の祭典!集められた遊び人の中で最も"遊んだ"者には【遊王】の称号があたえられる!さあ、集え!世界の遊び人たちよ!』」
「…なんですか、今の」
「アソビンピック公式宣伝動画の言葉を引用したのよ!」
「アソビンピックがそもそも疑問なんですけど」
「でも、アソビンピック本戦に出るだけでも容易ではないわ…」
「聞けよ」
「まず各国で行われる予選大会で勝ち進み、優勝する必要があるの。予選大会の優勝グループだけが、アソビンピック本戦に出場できるのよ」
「グループ?団体戦なんですか?」
「高校生の部は団体戦のみね。夏と冬、年に2回開催されるわ。去年の冬の大会では準優勝に終わったわ…」
「めっちゃ惜しいとこまでいってた」
「今年こそ、アソビンピック本戦に出るわよ!…そのために、あと2人必要ね」
「え?」
「廃部は免れたけど、大会に出るためには最低5人必要なのよ。だから、あと2人」
「……」
「勧誘よろしくね?隅角くん」
「(…やられた!もう部員だから断れない!)…はい」
「ありがと!大会まであと3ヶ月よ!気張って遊びましょう!」
「気張って遊ぶとは」

「改めて、あそび部へようこそ!隅角くん!」

こうして、僕の"あそび部"での活動が始まった。この先どんな遊びに出会うのだろうかーー


大会まであと 90日


「ちなみに活動は週6よ!」
「早く言って下さい」

                 つづく

https://note.com/preview/nf537461cd1e8?prev_access_key=3634d9c67a0488013327fe9e8b868620

https://note.com/preview/n9ff772629b21?prev_access_key=de5eb98534f69c96ab8a4275720dc82f

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