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“おそろい”の記憶

あの頃の私は
あなたとおそろいじゃなきゃいやで
小さな声でだだをこねた

困らせたかったんじゃない
ただ
あなたと同じものを持って
同じ時間を歩いて
同じ気持ちでいたかった

あなたが選んだ色を
私も選びたくて
あなたが笑ったものを
私も好きでいたかった

今思えば
あの頃のおそろいは
物のことじゃなくて
“あなたと一緒でいたい”
その気持ちの形だった

あなたが隣にいるだけで
世界が少しやわらかくなって
そのやわらかさを
ずっと離したくなかった

あのときの私は
ただ
あなたと同じ景色を見たかった
それだけだったんだ

そして今
あの頃の私に
そっと伝えたい

あんなふうに
まっすぐに誰かを想えたこと

ありがとう




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