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恋のタッグマッチ 〜すれ違いのダブルプレゼント作戦〜

割引あり

恋愛って、時々プロレスだ。

時には、タッグマッチのようにパートナーと息を合わせないといけない時もある。
そしてパートナーとの価値観・気持ち・未来などの方向性がズレるとギクシャクするし、近い関係だからこそ、ぶつかり合うこともある。



俺の名前は佐藤大地。大地と書いて、(たいち)と読む!高校2年。言わずと知れたプロレスファンだ!

この前のデートで、俺とあかりとの距離が少し縮まった……はずだった。

しかし俺は今、自分の家でケンタの幼馴染・真由さんに電話越しに頭を下げている。

すべては月曜日の朝の教室からはじまった。教室で俺は友人のケンタに向かってこう叫んだ。

「ケンタ!俺、あかりちゃんにプレゼントを渡したい。」

「何だよ、急に……。」

ケンタは驚いた表情で俺に質問してきた。

「あかりちゃんにあげるプレゼントに何がいいのか全然分からなくて、ケンタにアドバイスが欲しいんだよ。」

ケンタは、しばらく考えた後……

「じゃ、僕の幼馴染に「友人にアドバイスしてくれないか?」って聞いとくわ、女の子のおくりものなら女子に聞くのが一番だよ。」

大地は目が飛び出る勢いで驚いた

「えっ、お前幼馴染がいるの?名前は」

「真由(まゆ)だよ。」

「ありがとう!お願いね。」

放課後、大地が自分の家のリビングにいるとスマホから"パワーホール"が大音量で部屋中に流れた。
ケンタから電話がかかってきたのだ。

大地は電話を耳のそばに置き「もしもし」と言った

するとケンタから「もしもし、大地?」と応答があった。

「あっ、ケンタ!どうしたの?」

「幼馴染に聞いたらさ、プレゼント選び、オッケーだって。」

「そうなんだ!ケンタ、ありがとう。」

「んじゃ、変わるわ。」

「えっ、ちょっと待って。」

そう言って、ケンタは彼の幼馴染に電話を変わった。

「もしもし、あなたがあかりちゃんにプレゼントを送りたい人?なんでまた急に?」

「いや、その……この前あかりが“またどこか行こうね”って言ってくれて。それが嬉しくて……なんか、ちゃんと気持ちを返したくなったから。」

すると真由さんはクスッと笑った。

「そういうの素直で可愛いじゃん。あかりちゃんに伝えれば、絶対喜ぶよ」

真由さんはきっと誰にでも可愛いとかわざと言ってくるタイプだ。この人、ケンタとは真逆で強い。

「で、あんたは何あげたいの?アクセとか洋服とか?」

真由の質問に対して考えた大地からはすごい答えが返ってきた。

「……全然わからない。」

真由は大地に対して、大きなため息を吐き

「はぁ……男ってそういうとこだよねぇ。よし、任せなさい。協力してあげるわよ、大地くん!」

「君は僕とタッグ……?を組んでくれるの?」

「よくわかんないけど、頑張りなさいよ、大地くん。」

真由さんはケンタとは全く真逆の存在だ。けど、とても頼もしい存在だと俺は思った。


一方、同じ日の夕方の放課後に人が行き交う学校の廊下ではあかりがクラスメイトの原(はら)を捕まえていた。

「原くん、大地くんへのプレゼントってなにがいいかな?」

「え、俺?大地のプレゼント相談?なんで俺に……」

「だって、原くん服のセンスいいし、アクセとかも詳しいし……大地に似合うもの、君のほうが選べるかなって」

原は耳まで赤くしながら頷いた

「……まあ、いいけどさ。でも大地ってさ、ああ見えて自分で服とか選ぶタイプじゃん。休みの日には靴や服を自分で買ってるもん。」

「たしかに……! なら、服より“日常で使えるもの”のほうがいいかも?」

「そうそう。タオルとかスポーツ系の小物とか……あ、いいのあるよ。今度、店に案内する。」

あかり「ありがとう!原くん!」

あかりもまた、原とタッグを組んでいた。


その次の日の火曜日

大地は放課後、真由さんと街へ向かった。

同じく、あかりは原とショッピングモールへ向かった。

大地と真由は街中で何を買うか話しながら歩いていた。

「真由ちゃん、あかりちゃんへのプレゼントって何をあげればいいかな?」

「そうね?予算はいくらぐらい出せる?」

「三千円くらい。」

「予算が三千円なら、気軽で喜ばれやすいプチギフトがいいと思う」

「どんなのがいい?」

「無難な入浴剤やバスグッズなんて良いじゃない?」

「いいんじゃない。どこで売ってるかな?」

「あそこのショッピングモールで探してみましょう。」

そう真由が言うと大地と真由はショッピングモールへと走っていった。 

二組のタッグチームが向かった場所は同じだった。

先に着いていたあかりと原がショッピングモールに入ると中は暖かく、夕方だったため家族連れやカップルが多く、にぎわっていた。

あかりと原はスポーツ用品を中心にプレゼントを選ぶためにエレベーターで2階に上がっていった。

そして大地と真由が二人に遅れるような形でショッピングモールに到着した。

大地と真由はバスグッズを見るために2階の専門店へエスカレーターで走って向かった。  

二組は同じ階層で買い物をしている。

しかし、大地とあかりはすれ違いそうで、すれ違わない。

しかし、買い物中に大地はあかりが自分がいる店のガラスの反射に一瞬映ったような気がしてドキッとした。

(……気のせいだよな?)

あかりもまた自分のいる店のガラスの反射に一瞬、大地が映ったような気がしてドキッとした。

(ん……今の、大地くん? いや、違うよね……?)

二人は同じ場所にいるのにお互いに自分を“隠す”ように周りに警戒して動いていた。

そんな買い物の途中、大地はケンタにお礼をしようと店の隅に寄って電話をした。

「もしもし、ケンタ?プレゼント選びと一緒にお前にもお礼したいんだけど何か欲しいものある?」

「おぉ、大地!今、お前たちどこにいるの?」

「ショッピングモールだよ。二人で行ってる。」

「お前らさぁ……それ、絶対あとで誤解されるフラグだろ」

「えっ?」

「だって、真由ちゃんとショッピングモール歩いてて、あかりちゃんに見られたら終わりじゃん」

「うっ……!」

「まぁ、あかりも原といると思うけどな。」

「はぁぁ!?!?!?なんで?」

「だって俺、夕方の学校の廊下であかりちゃんが原にプレゼント選びの相談をしていたのを聞いちゃったんだもん。」

「そんな!あかりちゃん 誰に渡すんだろう。」

「まぁ、気にすんなってプロレスでよく言うじゃん。“恋はシングルよりタッグのほうがややこしい”って」

「俺はそんな言葉 初めて聞いたぞ。」

ケンタと話していると真由ちゃんが僕に近づいてきた。

「大地!これなんてどうかな?」

真由は大地にある商品を見せた。すると

「それカワイイよ。これならあかりちゃんにも喜んでもらえる!」
 
大地はそう言って喜んで買った。プレゼントのためにお店の方に大事に梱包してもらって帰った。

一方、あかりはスポーツ用品店で大地に何をあげればいいか考えていた。

「原くん、大地くんへ何を送ろう?」

「タオルとかどうかな?」

「大地くんプロレスのタオルや手ぬぐいをいっぱい持っているからあまり喜ばなさそう。」

「そうだな?じゃあ……プロレスTシャツとかどうかな?」

「大地くん レギュラー団体のTシャツは全部持っているからあまり喜ばなさそう。」

「ん、じゃあ………部活バック!」

「大地くん 部活動入ってないからほぼ使い道ないよ。」

「じゃあ、何を買えばいいんだよ!」

原はあかりにキレ気味に言った!するとあかりはため息を吐き、原に対して口を開いた

「それが分からないんだよ。」

「もうこうなったらAIだ!Chat GPT に聞こう。」

「もう、そうしよう!」

原は自身のスマホを取り出して、Chat GPTに向けて
「プロレスファンの彼氏へのプレゼントって、Tシャツ、タオル、バック以外だと何を送ればいい?」
と質問した。返ってきた回答には

・試合観戦チケット

・プロレスのポスターや壁掛けアート

・レトロDVDやドキュメンタリー

・ 手紙やカメラ、手作りのミニアルバム 

 などが書いてあった。それを見て、あかりと原はこれだとばかりに一点の商品に目をつけてその売り場へと走っていった。それを包装してもらって2人も帰っていった。

その日の夜。二人は自分の部屋で梱包されたプレゼントを置いていた。

大地は袋を握りしめながら思った。

(あかり、喜んでくれるかな……俺のプレゼント、ちゃんと気に入ってくれるかな……)

あかりもまた包装紙を自分の前に置いてそっと呟く。

「大地のために選んだんだよ……気持ち、届くといいな……」

互いに相手のためを思い、

互いに相手にバレないように秘密で走り回り、

互いにすれ違う――。


まるで、

二人は互いに交差する電車のようだった。同じ線路上を走っているのに、出会うべき瞬間にお互いに通り過ぎてしまう、静かな寂しさと運命感を感じた。

翌朝の水曜日

あかりと大地はお互いに相手へプレゼントを渡すために相手に渡しやすい場所をお互いに考えていた。

どこにしようか? 自分の家……やっぱりまだ呼んでもいい関係じゃないし、幻滅されたらどうしよう。

放課後の学校………先生にプレゼントが見つかって取り上げられたら嫌だな。

体育館なんてどうだろう………部活の人と被らない時を見つけないといけないからすぐには渡せないな。

あかりちゃん/大地くんにどこで渡したらいいかな…

大地とあかりはお互いに自問自答して考えていた。

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