見出し画像

何もしない日でさえ思い出になる、瀬戸内の夏休み

ふと、時間が止まったような場所に出会った。 瀬戸内の海は、どこまでも青く、そして深い。

高台から見下ろす集落は、まるで物語の挿絵のようだった。 赤い屋根と、入道雲。 静かな凪の海に、ぽつりと浮かぶ島影。

何をするわけでもない。 ただ、吹き抜ける潮風の匂いを胸いっぱいに吸い込んで、 遠くで鳴くセミの声に耳を澄ませる。

忙しない日常を遠くに置いてきたような、贅沢な時間。 「今日は何もしなかったね」 そんなふうに笑い合える何もしない一日さえ、ここではかけがえのない思い出に変わっていく。

透明な夏の光と、いつまでも眺めていたくなるようなこの景色。 瀬戸内の夏は、私の心の奥底に、静かで温かな色を残してくれた。

いいなと思ったら応援しよう!