清濁
明らかになっていくことの
なんと健やかなことよ。
長い間繋がれていた鎖から
解き放たれていく。
才能という言葉
商売という言葉
そのふたつがぶつかり合う時に
生まれる
目が潰れるような醜さに
わたしはずっと耐えられなかったのだった。
商売を憎んだ。
お金を、経済を憎んだ。
ほんとうに憎まなければならなかった
身内を、憎みきれないくせに。
わたしが批判しなければならなかったのは
商売ではなく
商売の前に
真実の創造を捨てた
作り手その人たちであった。
彼らはいつも正論を言った。
甘くないのだと。世の中は。
美しいだけでは売れないのだと。
そうだろうか。
わたしはそうは思わない。
やってみもしないで
なぜ断言するのか。
ほんとうは、美しいものが
ただ美しいだけのものが
恐いだけではないのか。
わたしは今はっきり言える。
美しいだけだ。
いつも、いいものは。
それを売ろうと、買おうと
それは自由だ。
でも美しい、そのことだけが
そこにある、ほんとうなのだ。
わたしには、それしか
わからない。
昔からそうだったし
今もそうだ。
演劇は美しい。
そして楽しい。
わたしはそれ以外に
何も望まない。
清濁。
そうではなく。
ただ清くあれ。
それだけが美しい
俳優を作ってゆく。
