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10人の「いいじゃん」より、1人の「やめとけ」が残る理由。

「やめとけ」を気にして止まるか。無視して走るか。その差が、1年後の景色を変える。

── ヒミビズ から、今日も。人口4万人の港町で、毎日5件以上、年間1,200件の経営の相談を受けている、荒川健生です。

前回は「成長は均等にはこない」について書いた。 今回は成長の場面に必要な話をする。 「自分で決めて、動く」ということについて。


■ 反対を押し切って、動いた人の話

昨日の休日、プライベートで会った方がいた。 親の意向とは、まったく違う道を選んだ人だ。

周りからは止められた。 「なぜ、わざわざそっちに行くのか」と。

でも、この人は止まらなかった。 富山に移住して、ゼロから事業を立ち上げようとしている。 しかも、ひとつではない。いくつもの事業を、同時に仕込んでいる。

話を聞きながら、ひとつだけ確信したことがある。

この人の目は、迷っていなかった。

反対されたことを恨んでもいない。悲観もしていない。 ただ、前を向いている。全力で。

自分で決めて、動いた人の顔は、こういう顔をしている。

■ 10の応援より、1の否定が残る──ネガティビティ・バイアス

人の脳には、厄介な性質がある。

10人が「いいじゃん」と言ってくれても、たった1人の「やめとけ」が、ずっと頭に残る。

「ネガティビティ・バイアス」という仕組みだ。 難しい名前だけど、中身はシンプルで、脳が悪い情報を優先的に保存する。それだけだ。

つまり、気になって当然なのだ。 あなたが弱いのではない。人間の脳が、そういうふうにできている。

しかも厄介なのは、「やめとけ」を言った人に悪意がないことだ。 心配してくれている。本気で。 だから、刺さる。深く。

「あの人が言うなら、やっぱりダメなのかな」

そう思った瞬間、足が止まる。 1の意見に引っ張られて、10の応援が見えなくなる。 そして、動けなくなる。

覚えておいてほしい。

否定が頭に残るのは、脳の仕組みだ。あなたの弱さではない。

この1行を知っているだけで、次に「やめとけ」を聞いたとき、少しだけ距離が取れる。

このことだけ頭に入れておくことをおすすめする

■ 正直に言う。決めたことは、相談しない

ここから先は、もう少し踏み込んだ話をする。

自分は、決めたことを人に相談しない。

意見を聞きたいときは、聞く。 迷っているときは、相談する。 でも、「やる」と決めた後に、誰かに「どう思う?」とは聞かない。

なぜか。否定されたくないからだ。

正確に言えば、否定されても変わらないから、聞く意味がない。
決めたあとに「やめたほうがいいよ」と言われても、やめない。
だったら最初から聞かないほうが、お互いのためだ。

だから、事後報告でいいと思っている。

「実は、こういうことを始めた」。 決めた後に伝える。それでいい。

冷たく聞こえるかもしれない。 でも、これは自分への信頼の問題だ。

自分のことを一番わかっているのは、自分(と思っている)。
自分の覚悟の深さも、調べてきた量も、腹のくくり方も、全部知っている。 それを知らない人に「どう?」と聞いても、返ってくるのは基本的には一般論だ。

もちろん、この考え方には落とし穴もある。 自分を過信して、足元をすくわれることもあるかもしれない。

でも、それでいい。そのときは自分で修正する。 他人に止められて動かなかった後悔より、自分で転んだ痛みのほうが、ずっとマシだ。

■ 響く否定と、響かない否定

ただし、全部の否定を無視しろとは言わない。

否定には、2種類ある。

響く否定と、響かない否定だ。

響かない否定は、こういうものだ。 その分野を知らない人が、なんとなくの印象で「やめとけ」と言う。 自分の状況を全部は知らない人が、一般的な心配をしてくれる。

正直に言う。 「あー、わかってないな」と思う。 「汎用的なアドバイスだな」と思う。 悪意がないのはわかる。でも、響かない。

では、響く否定とはなにか。

自分が尊敬している人の言葉だ。 その分野の知識がある人。自分より明らかに先を行っている人。 実績で語れる人。

そういう人に「やめたほうがいい」と言われたら、さすがに立ち止まる。 なぜなら、その人の否定には根拠があるからだ。

つまり、大事なのは「なにを言われたか」ではない。

「誰に言われたか」だ。

同じ「やめとけ」でも、発信元で重みがまったく違う。
尊敬する人の否定は、聞く価値がある。
そうでない人の否定は、参考意見にすらならないこともある。

否定されたとき、まず考えるべきは「この人の言葉は、聞くに値するか」。 それだけでいい。

迷ったときに確認する点

■ 否定は、燃料になる

もうひとつ、伝えておきたいことがある。

否定は、燃料になる。

親に反対されても、なにも感じない人がいる。 「ふーん」で終わる。そういう人もいる。

でも、逆のタイプもいる。 否定されると、火がつく。 「見てろよ」と思える人だ。

自分は、完全に後者だ。

「やめたほうがいい」と言われると、「じゃあ、やって見せる」と思う。 反対されたことが、動く理由になる。

これは、強がりではない。

「やめとけ」をそのまま受け取って止まるか。 「やめとけ」をひっくり返して、前に進むエネルギーに変えるか。

同じ否定でも、受け取り方で意味が変わる。

否定された。だから、やる。 それでいい。それくらいのほうが、ちょうどいい。

■ 新しい一歩は、「よし」の前に踏み出していい

ここまで読んで、「じゃあ、どうすればいいのか」と思った人がいるかもしれない。

答えは、動くことだ。

完璧な準備が整ってから動く人は、たぶん一生動けない。 「よし、やるぞ」と気合いが入ってから動く人も、その気合いは3日で消える。

新しいことを始めるとき、最初の一歩に必要なのは、勇気ではない。

「とりあえず、やってみるか」くらいの軽さだ。

冒頭で話した、富山に移住してきた人もそうだった。 「覚悟を決めました」とは言わなかった。 「なんか、やれそうな気がして」と笑っていた。

でも、動いた。動いたから、次が見えた。 次が見えたから、さらに動けた。

準備が整うのを待つな。正解が見つかるのを待つな。 動いた先にしか、正解はない。

結果を出すための具体的な方法や考え方は、また別の記事で書いていく。 でも、その方法が活きるのは、動いた人だけだ。

■ 思いがあるなら、一緒にやろう

最後に、伝えたいことがある。

自分の仕事は、「思いを形にすること」だ。

毎日、5件以上の相談を受けている。 「こんなことやりたいんです」「でも、うまく言葉にできなくて」 そういう人と、隣に座って、一緒に考える。 漠然とした思いを、事業の形に変えていく。それが、自分の仕事だ。

だから、言い切る。

あなたの「やってみたい」には、価値がある。

今はまだ、ぼんやりしていていい。 まとまっていなくていい。 「こんなこと相談していいのかな」と思うくらいが、ちょうどいい。

どんな選択をしても、必ず応援してくれる人はいる。 もし今、誰もいないと感じているなら。

自分が応援する。それだけじゃない。一緒にやる。 それが、僕の仕事だから。

■ 今日の学び

この記事を、5行でまとめておく。 立ち止まりそうになったとき、見返すために。

  1. 「やめとけ」が残るのは、脳の仕組み。あなたが弱いのではない。

  2. 決めたことは、相談しなくていい。事後報告で十分だ。

  3. 否定が響くかどうかは、「誰に言われたか」で決まる。

  4. 否定は、受け取り方で燃料になる。「やめとけ」を「やってやる」に変えろ。

  5. 自分で決めた道は、失敗しても修正できる。決められた道は、後悔になる。

動いた先にしか、正解はない。 だから、動け。


追伸

この記事を書いた日、ふと自分の過去の選択を振り返ってみた。

大企業を辞めたとき、親にはかなり心配された。 「せっかく入ったのに」と。

相談したか? してない。事後報告だ。 「辞めた」と伝えたら、電話の向こうが3秒くらい無音になった。

でも、辞めた。動いた。 その結果、今こうして富山に、そしてヒミビズにいる。

で、思った。
「決めたことは相談しない」「動け」と偉そうに書いておきながら、 今朝、昼ごはんを何にするか15分動けなかった自分がいる。

しかも、隣にいた人に「なに食べる?」と相談した。 決めたことは相談しない主義、昼メシの前では無力。

「思いを形にする」が仕事のはずなのに、 昼メシへの思いだけは、いつまでも形にならない。


事業のことで、考えていることがあれば。いつでも、気軽にどうぞ。 「一緒に考えたい」。それだけで、十分です。

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── ヒミビズ から、今日も。

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