ミツロウ・はちみつ石鹸の失敗しない作り方(作るのは寒い時期がベスト)
型(牛乳パックがあれば十分です)に入れたら2~3か月放置しておくだけです。余暇のある方はどうぞトライしてみてはいかがですか。

★上の写真の石鹸は栃木県内の女子高校生が作られた「ミツロウ・はちみつ石鹸」です。コンクールで金賞を取られたとかで過日、娘さんのお母さまが持ってこられました。長期間風呂場の湿気に当たってもべたべたせずにとても使いやすい石鹸でした。ありがとうございました。

ミツロウ・はちみつ石鹸は素晴らしい石鹸です。肌に優しくとてもなめらか、興味のある方、余暇がある方、何かしてみたいという方は是非自分用に作ってみてください。
しかし、「ミツロウ石鹸を作ったがどうもうまくできなかった」、「どの位の配合割合にしたらいいのかどこにも書かれていない」、「通常の石鹸の作り方で説明通り作ってみたが、カセイソーダを入れる45度の時点でミツロウが固まってしまった」、「ミツロウを10%入れたところ沈殿してしまった。」などの質問がありました。そこで失敗しないミツロウ・はちみつ石鹸の作り方を説明します。(実のところ私もミツロウを入れすぎて何回も失敗しました)
石鹸を作る際のカセイソーダとの混合割合(鹸化率など)については、インターネット上で「石鹸シュミレーション」が公開されていますので、そこに表示されている表に油脂の必要グラム数を入れるだけで、カセイソーダなどの割合やオイルの種類による肌特性、石鹸の硬さ等が一発で計算されますので活用するととても便利です。
※コツ=気楽に作ること。作成後の気温によっても同じにならないので手順に神経質にならないこと。失敗しても使えます。

1 準備するもの

●計量カップ(なくても良い。正確には秤で計ってください)
●オリーブオイル、ココナッツオイル等(米油は化粧用以外は避けてくだ
さい。精製にシンナー類を使用しているものもあるからです。)
アーモンドオイルやひまし油等を混合する方もおります。)
●精製水(ペットボトルでスーパーなどで売っています)
●秤(グラム単位計量のもの)
●カセイソーダ(薬局で販売してます。印鑑必要)
●ゴーグル(カセイソーダが目に入らないための予防)
その外に
●ゴム手袋とマスク(カセイソーダによるやけど防止)
●撹拌棒(木やプラスチック棒、割りばしも可)
●ステンレス製ボールなど(カセイソーダに反応しない容器)
~私は100円ショップの小鍋を使いました。
●型(牛乳パックやシリコンの型が無難)
●ミツロウ少量(インターネットで販売されてます)
●はちみつ少量
●ガラス瓶(カセイソーダと水の混合用です。2リットル位のペットボト
ルを半分にしても良い)
●温度計(出来れば100度まで計れるもの)~水にカセイソーダを加え
ると発熱するのでそれの測定とオイルを加熱したときの測定(赤外線デ
ジタル温度計も便利ですが良く拡販していないと上部と下部の温度差が
激しいので上部の温度を計測してしまう恐れがあります。使い方に注意
してください)
2 石鹸を作るときに知っておきたいこと(良く使用される言葉)
●鹸化価とは、
油脂1gを石鹸にするために必要な苛性カリのミリグラム数
●苛性ソーダ換算値(g)とは、
鹸化価をもとに計算した単位をグラム(g)にしたもの
3 安全に石鹸を作る注意点
●カセイソーダを肌に付着させないように長袖、ゴム手袋を使用
●面倒でも目と口をマスクとめがねできっちりガード
●カセイソーダがこぼれた場合に備えて万全の準備(室外が無難)
●寒くても換気(室内の場合は広い安全な場所で)
●慣れても気を抜くな、丁寧に仕事
●石鹸作りに最適な時期は初冬から初春
4 ミツロウの混合割合
① 1~2%混合が無難~とても良くできます。乾燥も比較的早い。
ミツロウが多いと固まりが遅い。業者でも3%以上入れない。
② 5%混合~素人にはオイルの混合割合が難しくて困難
5%混合は、ある業者が混合方法を開発したところ海外で引っ張り
だこになったくらい難しいが素晴らしい石鹸が出来上がります。
③ 8%混合~通常の作り方では、限界です。
④ 10%混合~チャレンジ精神は認めます。最近10%混入の石鹸を見
たことがありますが製造は秘密でした。
5 はちみつの混合割合
100gに対して小さじ1杯弱程度で十分です。型に入れる前に入れてくだ
さい。多いと溶けやすくなってしまいます。
入れる際は良く拡販することです。
※ラベンダーオイルなど香り成分は1滴です。
6 作り方順序・要領(例)~「石鹸シュミレーション」を使用すると完成石
鹼の硬さも事前にシュミレーションすることが出来ます。
(1)油の種類と量、カセイソーダと水の量を決めます。
●オリーブオイル240g、ココナッツオイル45g、ミツロウ3gの
場合、肌適正と洗浄力の ある石鹸が出来ます。
ここではこの割合で作ってみます。
オリーブオイルは安く、手に入りやすいですが単品だとやわらかすぎる
石鹸になってしまいますので他のオイルも加えて調合します。
オリーブオイルを使う場合の注意点~絶対にバージンオイルは使っては
いけません。うまく固まりません。オリーブオイルは安い方が良くでき
ます。
●以上の割合で「石鹸シュミレーション」を使って計算すると、カセイソ
ーダ約38.4グラム、水の量約102グラム、鹸化率約92%で出て
きました。
(2)デスカウント率を決めます。(好みのオイルでよい)
石鹸の中に余分なオイル分を残し、保湿度を高めたりその効能を引き出す
ためにも加 えます。また、未反応のカセイソーダと反応させるためにも
オイルを追加します。
加える量は5~8%がいいでしょう。多く入れると石鹸が固まりづらくな
ります。少ないと苛性ソーダが残ってしまう恐れがあります。
(3)ハチミツを準備する。
小さじ1杯位(好みにより各種エッセンスなど)
(4)オイルの混合
鍋に全てのオイルを入れる。ミツロウは63度にならないと溶けないので
加熱して溶けたら良く撹拌する。そのまま放置すると固まってしまうの
で、65~70度を維持する。(※普通公開されている手順書には45度の
温度でオイルと苛性ソーダを混ぜるように書いてあるがミツロウの溶解温
度は約63℃なのでそれ以下にはしないこと)また、ココナッツオイルやパ
ームオイルなど常温で固まっているオイルを使用する時は温度に注意する
こと。
(5)カセイソーダと精製水の混合。(4)とほぼ同時進行する。
※(5)を先に行い、温度を見ながら(4)の手順を進める方もいる。
ガラス瓶に精製水102gを入れて、用意したカセイソーダ38.4gを
少しずつ入れます。一度に入れると高温になりガスが発生するので注意。
温度が上がりすぎるようであればボウルに水を入れて冷やし、温度は65
~70度を保ち、溶かしたオイルと同じ位の温度を維持します。(ミツロ
ウは温度が63度以下になるとオイルと混合したときに固まってしまっ
て撹拌がうまく出来なくなります。)
(6)オイルとカセイソーダ・精製水の混合、はちみつの添加~ひたすらか
きまぜること
鍋に入っているオイルに(5)のカセイソーダと精製水の混合液を少し
ずつ加えて「の」の字が書けるくらいまでかき混ぜます。
(かき混ぜる時間はオイルの種類により異なります。)
次に用意したはちみつを加えてさらにかき混ぜます。また、ミツロウの
ような常温では固まっているオイルを使用する時は攪拌時に温度を下げ
すぎるとカセイソーダと反応して粘度が増したのかオイル本来の特性で
粘度が増したのか判別が未経験者には難しいので温度はゆっくり下げる
ことが 望ましい。
※はちみつは、撹拌の終わり頃か、撹拌後ねかした後に入れる場合もあ
りますが、ミツロウの影響でが石鹸溶液が固くなってしまうので早め
に添加した方が無難です。
(7)型入れ・保温
どろっとして粘っこくなってきたら牛乳パックに(6)を入れ、軽くたた
いて空気を抜きます。シリコンの型がある方は使っても良いです。
バスタオルにくるんだりハッポースチロール製の箱に入れて24時間保温
します。コタツなど温かい場所や保温パックを使用しても良いです。
※型入れ前に良くかき混ぜ、少しねかすと均一に仕上がりますが、ミツ
ロウ石鹸の場合には温度が下がるとミツロウの影響で固くなって型入
れ出来なくなってしまうので、どろっとしたら早めに流し込んだ方が
無難です。(型入れ前の攪拌はとても大切で石鹸の良し悪しにもつな
がりますが気泡を入れないように注意しましょう。)
※型入れの時期の判断はオイル種類によっても違いますので上手く作り
たい方は経験が重要です。でもミツロウが2%以下なら失敗は殆どあ
りません。
(8)型抜き
牛乳パックから取り出して適当な大きさに切り分けます。
型抜きの時期はオイルの種類で異なります。1週間を目安にしてく
ださい。
(9)乾燥
通気性の良い日陰で乾燥させます。最低2ヶ月は乾燥させましょう。ミツ
ロウを入れた場合は入れない石鹸より少し乾燥に長くかかります。

(10) 道具の清掃
●カセイソーダの付いた道具は、酢をスプレーしてから台所洗剤で洗うと
綺麗になります。
●石鹸生地はキッチンペーパーなどで良く拭きとってください
(11) オイルの種類・効果と混合割合上の注意点
●オリーブオイル~肌特性がよい。洗浄力大。泡立ち少。撹拌に時間がか
かる。
●ココナッツオイル~肌を乾燥。泡立ちよい。固い石鹸になる。
●キャノラーオイル~保湿効果が強い。
●ひまわりオイル、紅花オイル~保湿効果が強い。酸化しやすい。
●アーモンドオイル~栄養素豊富、細胞間の潤滑
●グレープシードオイル~軽い感じ。酸化しづらい。
●マカデミアナッツオイル,アボガドオイル~栄養素豊富、肌特性非常に良
く使い心地がよい。
●米オイル~栄養素豊富、保湿効果十分
●ラード~保湿・泡立ち硬さのバランスがよい。
●馬油~とても肌に浸透しやすいので薬用石鹸向き。
●ミツロウ~硬く溶けにくい。但し他のオイルの配合により溶けやすくも
なる。多くの成分を含んでおり肌にうまく適合する。
●ココアバター~溶けにくく、くずれにくい。皮膚を覆う力がある
●椿油~単品では使いにくい。少量混ぜる程度がよい。
※オイルとカセイソーダ・精製水の混合、はちみつの添加割合や温度管理で微妙に石鹸の出来が変わります。たとえば、なかなか固まらなかったり、風呂で使うと柔らかくなったり、毎回の完成品に色のばらつきがあったりです。私が作っても、わずかに入れたはちみつの種類によって白色になったり、黒ずんだりしています。
皆さんは作った石鹸が販売している石鹸のように風呂場においても柔らかくならない固い石鹸を望んだかもしれません。よく考えてみてください、販売している石鹸は1日で出来る全く別物なのです。皆さんが作った石鹸は今は石鹸業者もほとんど作っていない素晴らしい石鹸なのです。
(12)保管
苛性ソーダを使った石鹸は長く洗面所に置いておくと水蒸気のために柔ら
かくなり、或いは崩れたりする場合が多いと思って下さい。
使ったら洗面所の水のかかるところを避けて棚の中に置くと良いでしょ
う。また濡れたまま放置しておかないことです。
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