「あなただから」と言ってもらえた。その先で、私が取り戻したもの。
「人生を変えよう。」
そんな大きなことを考えていた
わけではありません。
人生を立て直す方法なんて、
知りませんでした。
ただ、
このままではいたくない。
子どもたちのためにも、
自分自身のためにも、
今、目の前にあることを
一つずつやっていこう。
それくらいだったと思います。
でも今、
あの頃を振り返ってみると、
私の人生を変えていったのは、
何か特別な出来事ではなく、
何でもない毎日の、
小さな積み重ねでした。
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これまで以上に仕事に向き合うようになりました。
目の前のお客様が、
何を求めているのか。
何に困っているのか。
そんなことを、
以前より考えるようになりました。
子どもたちにも、
「相手の立場に立って考えることは
大切だよ。」
そう伝えてきました。
仕事でも、
相手が何を求めているのかを
考えることは、
自然と大切にしていました。
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特別な用事がなくても、
「こんにちは。」
と、お客様のところへ
顔を出しました。
世間話をして、笑ったり。
行ったからといって、
すぐに仕事につながるわけでは
ありません。
それでも、
また顔を出す。
そんな小さなことを
繰り返していました。
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すると少しずつ、
お客様との関係が
変わっていきました。
仕事の話だけではなく、
いろいろな話を
してくださるようになり、
時には、
身の上相談をしてくださることも
増えていきました。
そして、
「あなただからお願いしたい。」
そう言っていただけることが
増えていったのです。

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私は、
その言葉が本当に嬉しかった。
私という人間を、
信頼してもらえたような気がしたからです。
その積み重ねの先で、
AED150台のリース契約を
いただいたこともありました。
担当していたお店の売上も、
少しずつ上がっていきました。
もちろん、
すべてが私一人の力だったとは
思っていません。
周りの人にも、
たくさん助けてもらいました。
でも、
仕事を通して感じたことがあります。
どんな仕事でも、
結局は、
人と人なんですよね。
「この人にお願いしたい。」
そう思ってもらえる信頼は、
一日でできるものではありません。
何でもない会話だったり、
小さな約束を守ることだったり、
顔を見せることだったり。
そんな日々の積み重ねが、
人とのつながりを
作ってくれたように思います。
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仕事の成果が出るにつれて、
給料も少しずつ
上がっていきました。
そして、
長く続けていた夜の仕事を、
やっと、やっと
辞めることができました。
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昼も働いて、
夜も働く。
それが長い間、
私の日常でした。
生活のためだから仕方がない。
そう思っていました。
だから、
夜の仕事を辞めて、
子どもたちと夜を過ごせるように
なった時、
なんとも言えない
嬉しさがありました。
夕飯を一緒に食べる。
同じ部屋でテレビを見る。
くだらないことで笑う。
時にはケンカも。
そして、
「おやすみ。」
と言って、
子どもたちと一緒に眠る。
誰かにとっては、
何でもない日常かもしれません。
でも、
ずっと夜に家を空けていた私には、
子どもたちと一緒に眠れることが、
たまらなく幸せでした。
布団に入って、
子どもたちがそばにいる。
「あぁ、夜、家にいられるんだ。」
そんなことを、
しみじみ思ったのを
今でも覚えています。

夜を一緒に過ごせるようになると、
子どもたちとの
共通の楽しみも増えました。
今のように、
Netflixなどなかった時代です。
TSUTAYAへ行って、
「今日は何にする?」
なんて言いながら、
みんなでビデオを選ぶ。
お菓子を買って帰って、
家で、わくわくの鑑賞会。
ゲーム機を買った時には、
当時人気だった
ファイナルファンタジーに、
子どもたちだけでなく、
私までハマってしまいました。
一緒に考えたり、
教えてもらったり。
もしかしたら、
子どもたち以上に
私が夢中になっていたかもしれません。
そんな、何気ない時間が、
本当に嬉しかった。
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生活に少し余裕ができると、
時には、
子どもたちとホテルへ
泊まりに行けるようにもなり、
今までできなかったことが、
少しずつできるようになって
いきました。
それも、
とても嬉しかった。
でも、
今振り返ると、
ホテルで過ごした時間も、
家でお菓子を食べながら
ビデオを観た時間も、
みんなでゲームに
夢中になった時間も、
私にとっては、
どれも同じくらい大切な思い出です。
幸せって、
案外、何でもない日常の中に
あるのかもしれません。
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あの頃の私は、
人生を変えようなんて、
そんな大きなことを
考えていたわけではありません。
目の前にある仕事に、
今までより少し丁寧に向き合った。
人とのご縁を、
大切にした。
自分にできることを、
一つずつやった。
本当に、
それくらいだったと思います。
でも、
その小さな積み重ねが、
少しずつ信頼につながりました。
信頼が、
仕事につながりました。
仕事が、
収入につながりました。
そして、
生活に少し余裕ができたことで、
私は夜の仕事を辞め、
子どもたちとの時間を
取り戻すことができました。
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人生って、
不思議だなと思います。
その時には、
目の前の小さなことが、
この先どこへつながっていくのか
なんて、分かりません。
何も変わっていないように
思える日もあります。
でも、
今日やった小さなことが、
また次の何かにつながっていく。
そして、
ずっと先で振り返った時、
「あの日々が、
ここにつながっていたんだ。」
と気づくことがあります。
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私が仕事を頑張った先で、
手に入れたもの。
それは、
お金だけではありませんでした。
夜、
子どもたちのそばで眠りながら、
「幸せだな。」
そう思える毎日。
ずっと一緒にいられなかった分、
子どもたちとの大切な時間を、
少しずつ取り戻していきました。
