クロス✕ロマンス✕オンライン 第1話
<あらすじ>
世界中の人達に遊ばれているネットゲーム「アナザーワールド」。花草世海(かそうよ かい)はゲームの中で仲良くなった子と会うことに。初デートは成功、2回目のデートをするが待ち合わせの場所には前回とは違う子が待っていた。その時に前回お互い違う人とデートをしていたことに気がつく。4人の男女が織りなす、なさそうでありそうな恋の物語。
<第1話>
「緊張してきた」
待ち合わせ場所として有名な都内某所にて現在人待ち中。俺、花草世海(かそうよ かい)。仮想世界アナザーワールドの中で出会い仲良くなり実際に会うことになった。アナザーワールドは、幻想、現実、未来の3つのモードがあり、俺達はその中の幻想モード、よくある中世世界のアクションRPGのゲームの世界を一緒に遊んでいた。ゲーム内はチャットを使い交流している、仲良くなり会おうという話しをしてからメールアドレスを交換、一気に話しが進み会うことになった。メールはしているが電話を使い会話はしていないから声はわからない。当然お互いの顔もわからない。お互い焦って一気にやりすぎたかな、携帯番号の交換くらいはしておくべきだったか。まあ逃げ道はあった方がいいからこれでいい。
「そろそろ時間かな」
スマホを見るふりをしながら、手首につけたブレスレットを付近の人達に見えるような位置に移動。このブレスレットはアナザーワールド幻想が1周年の記念に売り出された特別な品物。見た目は一般的な物だがゲームをプレイしている人には記念品だなとわかる仕様。お互い買っていたのは知っていたからこれを目印にしようということになった。普段アクセサリーを付けない人だから少々恥ずかしい。
「あ、もしかして」
近くにいた女性が声をかけてきた。同じくブレスレットを見せる。彼女で決まりだな。
「そうだよ。こちらでは初めましてだね」
「初めまして。なんだか不思議な気分」
結構好みだ。しかもあちら側もまんざらではない様子。尚更緊張してきた。とにかくデートを開始しないと。
「いこうか」
「うん」
今日はランチデート、初めて会うからかなり軽めのデートにした。
「いい天気だね」
「うん」
いけない、会話が弾まない。しまった、緊張しすぎて事前に考えておいたネタ会話を出すのを忘れていた。ゲームの世界では冗談ばかり言っているから、一般的な初デートとは違い最初から飛ばしても問題ないハズと予習していたではないか。ここは攻め時、意を決して彼女に話しかける。
「何食べようか。立ち食いそばにする?ホットスナック自販機?袋麺を調理してくれるラーメン屋?」
「もっといいものにして!」
お互い笑い合う。よし、成功だ。その後はスムーズな会話に。ただ、彼女っておしとやか系だと思っていたけどなかなか激しいツッコミをしてくるとはな。てっきり「冗談ばっかり」という返答が来るかと思っていたが。ゲーム内では大人しくしているタイプなのかも。それかデートだから気合を入れてくれているか。そうこうしているうちに目当ての洋食店に到着、俺はお肉のランチコース、彼女は魚介のランチコースを注文して待つ。
「それにしてもゲームの世界の人とこんなに仲良くなるとはなー」
「俺もそんな感じ」
たかがゲームと笑っていたが、いつの間にかどっぷりハマりここまで来ていた。今は彼女にするなら趣味が合う人が最高なのではと思うように。人生わからないものだ。頼んだ料理が運ばれてきた。美味しい食事に会話も弾む。食べ終え店を出る。待ち合わせの場所まで移動。
「楽しかった、また会おうよ」
「もちろん」
彼女を見送り俺も帰宅。いやー楽しかった。しかも次回がありそうだ。おっとしまった、会話に夢中になり電話番号交換をしていなかった。まあ後で聞けばいいか。焦ることはない。その日の夜、意気揚々とゲームにイン。いかんな、テンション上がり過ぎだ。少し落ち着けないと。そして彼女に会う。
「今日のお昼楽しかった」
「うん、すごく」
チャットが弾む。
「さーて、軽くゲーム遊んで寝ようか」
「はーい」
彼女とゲームを遊んだ後、就寝。今日は楽しかった。いい夢が見れそうだ。
