Episode 002|触れて、深まる静寂ー言葉の外側で確かめる温度

言葉では得られない、
確かな安心感が――触れ合いにはある。


今夜会えるのに、
日中は、言葉遊びのように絡み合う
メッセージを交わす。

外の風が、グレーに冷たく澄んでいて、
空気そのものの透明感が増していく。
風の肌寒ささえ、貴方を想うきっかけになる。

ドアを開けて、いつもの貴方の顔を見る瞬間。
会えた嬉しさに、少しぎこちなくなる。

薄暗い部屋に入ると、
日常のごちゃごちゃした音が、
すべて溶けて消えていく。


ここには、私と貴方だけがいる。


私達の間に流れる静けさは、
空白ではなく、濃度だ。


その静けさに触れると、
自然に身体が近づく。

近付くと、ふわりといつもの貴方の香り。
頬を寄せて、そっと深く呼吸をする。
張りつめていたものが、静かにほどけていく。

その体温を確かめたくて、
ぎゅっと腕をまわす。
胸の奥まで、温かさが染み込んでいく。

愛おしさが満ちて、
そっと唇を重ねる。
その柔らかな触れ合いに、
心ごと――音もなく溶けていく。

まどろむような時間の中で絡まる指先。
指のひとつひとつに、想いを絡ませる。


言葉では届かない想いを、
触れ合いの中で確かめたくて。


今日もまた、あの部屋へ向かってしまう。

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