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【BL創作小説】君が教えてくれた、シャッターの向こう側#1


「やっぱ…お前しかいない」

「え…」

「お前が好きだ」


テレビの画面の中で抱き合ってる2人…


そんなセリフ…一回くらい
言ってみたい…


ソファーでビール片手に
恋愛ドラマを見ながら1人思う…
現実はそんなもんだ…


自分で言うのもなんなんだけど
さえないオレは、恋愛なんて
縁がない…


程遠い生活…
毎日、真面目に会社に行って
真面目に仕事して、家に帰ってくる


目立つのは苦手…
女性と話すのも苦手…
恋は…してみたいけど…
現実…無理そう…


ドラマへの憧れも虚しく
今日も地味だけど
オレの1日が始まる


会社に行って真面目に仕事をこなす
定時には退社できる
会社を出て、いつもの帰り道


あ…本屋さん寄ろうかな…


そう思った時、男の人とぶつかった
その瞬間、その人が手に持ってたモノが
ふわりと宙を舞った


「あっすみません!」

「ごめん!前見てなかった、大丈夫?」

「あ、はい」


落ちたモノを一緒に拾い集める
その人の手から落ちたのは写真だった
写ってる被写体は今まで見た事が
ないくらいキレイだった…


「ありがとう」

「いえ」

「ホント大丈夫?ごめんね」


そう言って笑うと


「ごめん!急いでるから」


って、その人は行ってしまった
ふと見ると、写真が1枚
まだ落ちてた


その写真を拾い上げたけど…
もう行っちゃったし…
そう思いながら、とりあえず
カバンに入れた



すごくキレイな写真だったから…



次の日、仕事の帰りに
あの人とぶつかった場所に行ってみた
もしかしたら会えるかなと思って…
しばらく待ってみたけど…


やっぱ会えないか…帰ろう


そう思った時、何かを探しながら
歩いてる人を見つけた


「あの…すみません」

「はい?」

「昨日、オレとぶつかった人ですよね?」

「え?あ!そう!昨日ごめんね」

「あ、いえ」

「昨日、一緒に拾ってくれた写真…
1枚足りなくてさぁ…」

「あ、これですよね?」


カバンから写真を出して
その人に渡した


「そう!これ!持っててくれたの?
めっちゃ助かるー!」


大切な写真だったんだ
返せてよかった


「じゃあ、オレはこれで」

「あ、ちょっと待って!」

「へ?」

「ホント、マジで助かったから
お礼させて!」

「いやいやそんな」

「メシ食った?」

「まだですけど…」

「メシおごる!行こっ」

「あ…いや…」


躊躇してるオレの声なんて
聞こえてないかのように
その人は、オレの腕を掴んで
どんどん歩いてく


「なに食べたい?」

「いや…」

「なんでもいいよ、好きなモノ言って?」

「あ…でも」

「遠慮しなくていいから」

「あ…なんでも…」

「お酒飲める?」

「少しは…」

「イタリアン好き?」

「あ…はい」

「オレの知ってる店でいい?」


そう言うと、その人は
ふわって笑った


「レオ、いらっしゃい」

「マスターこんばんは」


カウンターの席に案内されると



「好きなモノ頼んで
ここなんでも美味しいよ」


って、メニューをオレに
見せてくれた


こんなオシャレな店…
今まで来た事がない…
初めてで何を頼んでいいのか
わからない…


「ビール飲む?」

「あ…はい」

「マスター、ビール2つ」


ビールを頼むと、その人は
優しい顔でオレの方を見た


「決まった?」

「あ…オレ…こんなとこ初めてで…
何を頼んでいいかわからなくて…」

「あはっ、じゃあ…これは?」



って、メニューを指さした


「オレが好きなんだけどね」

「じゃあ…それで」

「マスター、いつもの2つ」

「はいはーい」



マスターがオレ達の前に
ビールを置いてくれた


「じゃ、かんぱーい」

「あ…」


グラスを鳴らすと、その人は
おいしそうにビールを飲んだ


「あ〜うまいっ」


って、笑う顔がかわいい



「マジでありがとね、助かった」

「いえ…写真…撮られてるんですか?」

「うん、オレの仕事だから」

「え?」

「写真家」

「え?すごい」

「全然すごくないよ」

「すごくキレイな写真だった」

「ホント?嬉しい!」

「あんな素敵な写真撮れるんですね」

「あ…でも、オレ猫を撮りたかったんだけどね」

「え?」


その人は、写真を出して指さした


「ほら、ここ」

「あ、いた」

「うん」

「気づかなかった」

「みんな、海見ちゃうからね」


って笑った




新しいお話始まりました
読んでくださって
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