「未来に伝えたい」-詩―
夜空の 天の川が
震えて 流れる始める頃
この町の 田んぼでは
蛍と カエルの
光りと音の 華麗なショーが
幕開けする
ポッ ポッと 光を
置きながら 飛ぶ蛍たち
小さな 子どもたちの歓声
「アッ あそこに 飛んでる」
親たちは スマホを構えて
銀河の中の 一つ星のように
ホタルの 舞う姿を撮る
蛍は 子どもの肩に止まり
ゆっくりと 息をするように光る
子供の笑顔が 暗闇に輝く
山の湧水をひいた
用水路には
澄んで 冷たい水が
いつ果てるとも知れず
流れていく
この町の 命の流れ
流れの音に 合わせて
アマガエルが 歌いだす
わらしべ笛を 吹くように
ズッ ズッ ズッと
素朴なアルトの声を 聞かせてくれる
すぐに 田んぼの あちこちが
カエルの 声の衣に 包まれる
弥生の昔から
ずっと 受け継がれてきた
この町の 夜の「円舞台」
出来るなら この世界を
氷漬けにして ずっと
未来にまで 残したい
夜明けは 茜色の筆を
空に 走らせる
黒い空は 紫に姿を変え
茜色へと 生まれ変わる
立山連峰の 尾根からは
今日が 顔を出す
雲は 橙 薄紫 黄色と
絵具のように 混ざりあい
立山は 貴婦人として
化粧をし始める
今日も 胸いっぱいに
朝のすがすがしさを 吸い込めば
この地で 暮らしている 喜びが
フツフツと また 湧き上がる

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