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戦国絵巻-風の巫女-【1】

戦国時代

夕焼け空が茜色に染まる頃、立木里奈は未曾有の混乱の中にいた。最後に鮮明に覚えているのは、修学旅行先の古びた神社の、ひんやりとした石畳の感触。そして、足元から湧き上がったぼんやりとした白い光。

目を開けると、そこは見慣れない景色だった。木造の家々が肩を寄せ合い、土の匂いと焚き火のような…煙のような匂いが鼻を突く。

人々は見た事ないような簡素な着物を身につけ、慌ただしく行き交っている。腰には刀を差した武士らしき男達の姿もあった。

(え…これコスプレ…何処かのテーマパーク?)

周囲の異様な雰囲気に、里奈はそう思った。しかし、人々の表情は真剣そのもので、楽しげな様子は微塵もない。遠くからは時折、地鳴りのような音や、人の叫び声が聞こえてくる。不安に駆られ、近くにいた着物の女性に声をかけようとした。

「すみません、ここはいっ…」

しかし、彼女の言葉は途中で途切れた。女性が振り返り、里奈の姿を見るなり、目を丸くして後ずさったのだ。

「な、何だお前は…その奇妙な身なりは!」

まるで、戦国時代の風景。そして、チョンマゲに着物と刀。里奈の頭に有り得ないことがよぎり、背中が凍りつく。

(まさか…本当にタイムスリップしたの?)




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