かりっとした、朝
雨上がりの重たい湿り気がようやく抜けてきた。
窓を開けると、
まだ空気はひんやりとしているけれど、
差し込む光には、
昨日までになかった力強さがある。
天気予報は、
日中の気温が二十度まで上がると告げている。
まだ午前十時。
春の熱を帯びるのを待っている洗濯物を、
一枚ずつ、
光にかざして干していく。
わが家には、
トースターもオーブンもない。
「いつか買わなきゃ」と思いながら、
なんとなく、この不便さを抱えたままここまで来た。
今朝は、
メロンパンクリームを塗った食パンを、
フライパンで焼くことにした。
弱火でじっくり、両面を。
じわじわと甘い香りがキッチンに広がり、
パンの表面が「かりっ」と音を立てる。
特別な道具がなくても、
工夫ひとつで、
朝はこんなに「かりっと」仕上がる。
些細な迷いや、
心の湿り気も、
これから昇っていく二十度の陽射しが、
まるごと乾かしてくれそうな気がした。
冷めないうちに、
熱いコーヒーを淹れる。
二十度の予報を信じて、
午後の陽だまりを、
少しだけ待ってみる。
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