ASIA DRINK NEWS #004|アジアのコーヒー市場は拡大している—それでも「潰れる店」が増える理由
アジアのコーヒー市場は拡大している—それでも「潰れる店」が増える理由
2026年4月。
コーヒー業界に関する重要なレポートが公開された。
まずは事実から確認する。
【ニュース】アジアのコーヒー消費は拡大している
業界専門メディア
Perfect Daily Grind(2026年4月10日付)は、
アジア市場のコーヒー消費は、欧米よりも速いペースで成長している
と報じている。
さらに、
2026/27年の世界コーヒー生産量は約1億8250万袋と、過去最高水準になる見通し
とも言及されている。
出典:
https://perfectdailygrind.com/2026/04/coffee-news-recap-10-april-2026/
整理すると、
・コーヒーの需要は拡大している
・供給も増えている
ここだけ見れば、
市場は完全に成長フェーズに入っていると言える。
しかし、同時に起きていること
同レポートでは、
欧米および日本のコーヒー在庫が減少していることにも触れられている。
つまり、
・生産は増えている
・消費も増えている
・それでも在庫は減っている
この状態は何を意味するか。
需給が極端にタイトになっている、ということだ。
もう一つのニュース:東南アジアは次のフェーズへ
投資系メディア
DealStreetAsia の分析では、
東南アジアのコーヒー・ティーチェーンは、出店拡大から収益性重視のフェーズへ移行している
とされている。
出典:
https://www.dealstreetasia.com/stories/se-asia-coffee-tea-chains-report-476377
これはシンプルに言うと、
・店舗を増やす時代は終わった
・これからは「どう利益を残すか」の競争になる
ということだ。
ここから何が読み取れるのか
ここまでは事実。
ここから先は、その解釈だ。
コーヒービジネスは「売れるか」ではなく「成立するか」の問題になった
この変化を一言で言い切る。
これから潰れる店は、「売れているのに潰れる」。
理由はシンプルだ。
・豆の価格は上がる(しかも読めない)
・人件費は上がる
・家賃は下がらない
・しかし客単価は簡単に上げられない
つまり、
売上が伸びても、利益が残らない構造に入った。
なぜ「売上」ではなく「粗利」なのか
カフェの利益はこう決まる。
売上 − 原価 = 粗利
粗利 − 固定費 = 利益
重要なのはここだ。
固定費は、粗利からしか払えない。
実際にどう違いが出るか
例えば、
【客単価800円・月商200万円の店】
売上:200万円
原価30%:60万円
粗利:140万円
ここから
家賃:20万円
人件費:60万円
その他:30万円
残り:30万円
一見成立している。
しかし、
・人を1人増やす
・豆が値上がりする
・廃棄が増える
これだけで一気に赤字に転落する。
なぜこうなるのか
このモデルは、
「数を売らないと成立しない構造」だからだ。
・回転を上げる
・人を増やす
・オペレーションが複雑になる
結果として、
固定費が膨らみ続ける。
逆の構造はどうなるか
客単価を上げると何が起きるか。
・提供数が減る
・人件費を抑えられる
・回転に依存しなくていい
つまり、
固定費をコントロールできる。
ここが結論
同じ売上でも、
低単価 × 高回転 → コスト増型
高単価 × 低回転 → コスト制御型
になる。
つまり、
売上の大小ではなく、
売上の「作り方」で勝敗が決まる。
今回のニュースが示している本質
アジアのコーヒー市場は確実に伸びている。
しかしそれは、
誰でも勝てる市場になったという意味ではない。
むしろ逆だ。
雑にやると、売れていても確実に潰れる市場になった。
最後に
コーヒーはこれからも伸びる。
しかし、
コーヒー屋は減る。
残るのは、
粗利を設計できる店だけ。
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