パイプ継手
世の中の括り的な事とは違うかも知れませんが、パイプ継手というと、私の会社では、ねじ込み式の管継手を言っていました。
ニップル、チーズ、テーパソケット、ストリートエルボ、などです。
パイプ継手は安価な継手として、何かと重宝なものです。
良く利用した物は、1/4”、1/2”、3/4”、1” のねじ込み式の物で、材質はSUS316 又はSCS14 となります。
SCS14 はSUS316 の鋳鋼品で鋳物となります。カタログを見ると、ロストワックス製法とか説明されていて、鋳物の型に製品の形をした蝋を仕込んだ後、型を加熱して蝋を溶かして型から蝋を排出します。
その後、溶けたSUS316 を型に流し込んで作るという製法です。
例えば、日本刀のように鍛錬したものは粘り強さが出てくる訳だけど、ロストワックス製法のように溶かして固めるだけだと、耐圧的には弱いのではないかと考えられます。
そのせいかとも思うのですが、ねじ込み式のパイプ継手は耐圧が1MPa と決められているようです。
昔の話なのですが、私が機械設計を始めた時、ねじ込み式のパイプ継手の耐圧は継手の大きさとか種類によって耐圧が違っていました。
そう、確かにその当時のカタログには種類ごとに温度と耐圧の表が載っていて、それを見て設計していた記憶があります。
昔のカタログは、持っていないので、確かめようが無いのですが。
ある日を境に突然、耐圧が低くなるという事になってしまいました。
その日、会社全体の連絡として、朝礼のとき上司から報告があったのを覚えています。
たぶんJIS 辺りの改訂があったのかも知れません。
それ以降、継手のメーカのカタログからも耐圧の表が削除されています。
その頃、私の上司になる前のガスクロの担当者は、パイプ継手の耐圧が1MPaとなる会社連絡を伝えると、大変怒っていたのが印象的でした。会社全体の決め事、又はJIS の改訂による事であれば、しょうが無いと思うのですが。
それでは、1MPa 以上の圧力の場合、どの様なパイプ継手を使ったらよいかという事になると思います。
メーカによっては、高耐圧の物として用意されていたりします。
例として、Sch80 対応だったり、Sch160 の物が有ります。
よくSch80 の継手を使いました。
Sch80 の80は、耐圧を表しているという話を聞いています。この場合、耐圧は8MPa なのだそうです。きちんと調べた訳では無いのですが。
パイプの場合、よく利用するのが、Sch40 の物で、Sch の大きさによってパイプの肉厚が変わるのですが、パイプに直接ネジを切る場合、最低Sch40 位の肉厚が無いとテーパネジが切れないという事です。
このパイプの場合、Sch40 ですから、耐圧は4MPa 相当となりますね。
この時に使うねじ込み式のパイプ継手は、標準の物を使用すると耐圧は、1Mpa のためSch10 相当という事になりますね。
この継手を利用したシステムとしては、計装空気ラインとか、1MPa 以下の圧力のラインという事になります。
計装空気ラインはMax 0.7MPa なので、1MPa 以下の圧力となります。
よく外注の組立業者さんに、アナライザハウスを組み立てていただく事があったんですが、この時のパイプはネジ切りに必要な肉厚の関係からSch40 の物を利用します。
そこに使うねじ込み式のパイプ継手に、Sch80 の物を使用していました。
業者さんに部品の手配を任せると、耐圧の観点からパイプ継手をSch40 より下げる訳にはいかないという考えがあったのでは無いかと思います。
Sch40 の継手は入手出来ませんので、入手出来るSch80 の継手という事になる訳ですね。
同じ1/4” のネジを切った製品でも、Swagelok やHOKE のバルブ等に切られているネジ部の肉厚は、ねじ込み式のパイプ継手に比べて薄いのは、鍛鋼品であるか、鋳鋼品であるかの製作方法の違いという訳ですね。
鍛鋼品は強度が有るため、肉厚が薄くなるという事になるという事のようです。
ねじ込み式の管継手は、Swagelok やHOKE、フロウエルでも入手可能です。こちらはJIS 規格品では無いのですが、耐圧が高いのが特徴です。耐圧が高い理由は、鍛鋼品だからではないかと思います。
ただし良く使用するエルボ、ストリートエルボやチーズは無いようです。
エルボ、ストリートエルボやチーズは、Swagelok 継手やHOKE ではGyrolok 継手を使って下さいという事なのかも知れません。
この手のパイプ継手としては、フロウエルの継手をよく利用しました。
フロウエルの場合さすがに日本の製品だけあって、ニップルとかソケットとかを選ぶ時に、PTネジやNPTネジとかが自由に決められる点があります。
例えば、1/4 のニップルを選択する場合、片方をR1/4 (PTネジ)、もう片方にNPT1/4 のように選ぶ事ができます。そのためネジ規格の変換としての役割にも使用できます。
しかも、耐圧的にもSUS316 で20MPa となっています。
樹脂のPTFE のパイプ継手も有るため、測定するガスによっては、金属が使えない場合にも対応できます。
ねじ込み式のパイプ継手の接続は、大抵の場合バルカーなどのPTFE のシールテープを使いますがシールテープで対応出来ない時がありました。
それは、2 インチ、長さが300mm 位のSUS316の両長ニップルにキャップをねじ込んで活性炭フィルタを作ろうとした時の事です。
PTネジ(R2、Rc2)でシールテープで接続をしようとしたのですが、どうしても漏れを止める事が出来なかった事が有ります。
この時シールテープをやめて液シールとか、別の物を利用したらという話もあったのですが、別のシール材を利用するとシール材の成分にどの様な材料が使われているか分からない点があります。
特に分析計のラインに使用する場合、テフロン以外の物は分析の影響が出てしまうかも知れないので、なかなか使用に踏ん切りがつかないという点は有ります。
結局、対策としてはパイプに蓋を溶接して、その蓋にRc3/4 のネジを切りました。
Rc3/4の大きさの穴が有れば活性炭を詰めるのに充分な穴の大きさです。
ガスクロという分析計は計装空気喰いで、アナライザハウスなどハウス内に何台ものガスクロを一度に収める場合などでは、1インチ位のパイプを使用する事はよく有りました。
その経験から、それ以上の大きいパイプでも問題無いと思っていたのですが、この事は考えを改めさせられる事となりました。
