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【駄文5】博士と炎のゴブレット -人生120年時代-

前話はこちら(読まなくてもたぶん分かります
。)

【登場人物】
博士
子供部屋おじさん。親が金持ち。還暦。
蝿男
首から上が蝿。博士部屋在住。地の文担当。
旧ジャニ
イケメン男。博士部屋在住。詐欺行為しがち

博士は「力加減」と言うものを知らない。

生粋の「子供部屋おじさん」だからだ。
幼稚園からずーーっと不登校で、一度も労働せず、遂に還暦まで到達した。
依って「社会性」等と云うものは持ち合わせて居ない。詰まり他人にどれ程の腕力を使用すると壊れるのかと云う事を分かって居ない「悲しきモンスター」なのだ。
例示すると、古くは「フランケンシュタイン」で有り、近年であれば「ハルク」で有り「シュレック」で有る。
唯一の相違点は、当の本人が自らを「悲しい」と感じて居ない部分で有る。
総括すると、「悲しくない悲しきモンスター」で、故に「ミライ⭐︎モンスター」が最終到達点と分析されたのだ。

博士は今年で還暦に成るが、まるで赤ん坊と同じで有る。
「還暦」とは通常、何か色々経験して赤ん坊に還ると云う意味だが、博士はスタート地点に居たまま、時間が経過しただけである。つまり還っていない。依って、「還暦」ではなく「無歴」だ。

俺は当初、博士がどうしょうもない糞人間と認定して居たのだが、どうもそうとも言い切れない。いや。それもそうなのだが。
博士の母親が甘やかし過ぎてやしないかと、最近は睨んでいるのだ。此れは博士宅に居ると近過ぎて中々見えて来ない事象なのだ。灯台下暗しだ。
だってそうだろ。どこの世界に還暦息子に向かって米寿母親が毎日午後三時に「オヤツのじかんよー」なんてやるのか?
まあ平和と言えば平和だが。
その甘やかしが、博士と云う「ミライ⭐︎モンスター」を作り上げたのでは無いのか?
と考えた次第で有る。
そう考えると可哀想な人だ。
羨ましいけど。

兎にも角にも、博士の誕生日で有る。
還暦は「ちゃんちゃんこ」で有る。
俺は比較的漢字を愛好する者で有るが、「ちゃんちゃんこ」には漢字が無いので有る。間違いでも当て字でも何でも良いので、存在すれば良いのに。
それはそうと、俺は単なる寄生蝿男で有り、今横で「DEATH NOTE」を読みながら爆笑して居る「旧ジャニ」も単なるズル賢い詐欺師でしか無い。詰まり金が無い。

俺は詐欺行為が嫌いだ。
漢なら正々堂々、武力行使すべきだ。
博士と俺は唯一その点のみ同意見だ。
旧ジャニの容姿とズル賢さを使用すれば容易に金銭など引っ張って来れるのだが、それは詐欺行為だ。
「?」とお思いだろうが、敢えて反論させて頂くと、俺は「蝿男」で、蝿男以前も「准蝿男」だった訳だ。依って、容姿からは一銭も引っ張れた経験が無い。分かって来ただろうか?しかも、知能も低いと来て居る。ただし、これら全てを客観的に見詰める目は有る。依って俺は賢い。

寄生以前は兎に角働いた。世の遍く仕事を実施した。
「Timme」と云う隙間バイト系ゲームアプリにドハマりし、全クリした経験も有る。
その際、クリアの為に必要な免許も全て取得した。
此れらに係る費用についても「労働」で得た賃金からで有る。労働は絶対で有る。知能だけ使用し、自動化して鼻糞を喰らってはいけない。汗を掻くのだ。

頭が疲れたから一旦寝よう。

仕方が無い。
俺は重い腰を上げた。
ダンボールなら、幾らでも有るのだ。
これで赤い「ちゃんちゃんこ」を製作すれば良い。
俺は旧ジャニにそう命じた。
旧ジャニは「バクマン。」を読んで居る途中で有り、多少忍び無かったが、命じた。

五分も経過しない内に、商品の様な「赤いちゃんちゃんこ」が完成し、旧ジャニは「バクマン。」の世界に帰還して行った。

ダンボールをしごいた物を中綿に見立て、表地と裏地の間にたっぷりと詰め込んで有る。実用的だ。本来家紋が入る位置に「○博」と記載されて居り、袖が有れば杜氏が着用する半纏と見紛う程である。俺は旧ジャニの頭を撫でてやった。旧ジャニはゴロゴロと嬉しそうに喉を鳴らした。

「なかなか良いですねー。」

博士はトランプ米大統領の様な無敵の笑みを浮かべ、脳内世界を征服した時の顔をして居る。

『俺が作りました。』と筆談する。
俺は蝿男で口が「口吻」で、発語不能だ。
旧ジャニは不満そうだったが、博士が決定した序列は絶対で有る。

博士は満足そうに、赤ワインなんぞ飲酒して悦に入って居る。
縦置きしたPlayStation5の上にゴブレットを仮置きし、立ち上がったその時、ちゃんちゃんこの裾がゴブレットに触れ、真っ白なPlayStation5が真紅に染まった。色素の濃い良質の赤ワインだ、と俺は思った。

博士はちゃんちゃんこをまるでガザ地区かの様にビリビリの粉々に破き、俺を半殺しにした。

やはり、汗水流して労働せねば、天誅が下るのだ。

(つづく)

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