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【毎週ショートショートnote】最低二万里

朝鮮への使いが、三年の年月を経て戻った。

「ご苦労。
ところで、目的の品は持って来れたのであろうな。」

桐の箱をすーっと持ち上げると、中から赤黒い茶碗が現れた。

「これは『陶器』ではないか!
おのれは何を聞いておったのか!
儂は朝鮮に渡り『磁器』を持て、と言ったはずじゃ!
結構丁寧な口調で、「白くてツヤツヤしているヤツだよ、間違えるなよ、合図じゃないぞっ」て、確と伝えておったはずじゃろがい!」

ぱりーん。

「あ。」

「何が、あ。じゃ!
こんな物、殿に見せるまでもないじゃろがいぃぃぎぎぎ器器…!」

「家老が御乱心じゃ!
いつも御乱心じゃが、今回は結構強めに御乱心じゃ!」

家臣たちは月曜日の朝礼が如く、だらだら集まった。

「はにゃ!?
コ…コレ、アレじゃない?
結構イイ感じのヤツじゃない?」

「え?もしかして儂、やっちゃった?
とりあえず、金継しよ。それで謝っちゃお」

「コレは見事也。
お主の名を取りコレを『二万里焼』とす」

「ははー。有難き幸せ」

アイツ最低だな。

(414文字)

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