毎週ショートショートnote|夜桜系男子
中西サクはホームルームが終わった瞬間に、下を向いて教室を出て行った。私はその様子を眺めてから、グラウンドに向かった。
昨日少し雨が降ったから土はうっすらと湿っていた。風がびゅーびゅー吹いて、さくらの花びらがそこに落ちた。
外野フライが飛んできて、私は落下点まで走った。それを何本もこなして、花びらは黒い土と混ざって汚れた。
日が長くなってきたから、たくさん練習ができた。スパイクの裏をブラシで洗って靴袋に入れた。土と花びらの混ざったものが排水路を流れて行った。
十八時台の駅前は、いろんな世代の人で混雑していた。ロータリーの真ん中にあるさくらがライトアップされていて満開だった。そこにも人々が行き交い、やはり花びらは踏んづけられていた。いろんな種類の靴で踏みつけられた花びらはどれも汚れていて、千切れている物もあった。私のスカートが揺れて、また花びらが落ちた。
音楽が聴こえてきて、そこに人集りができていていた。掠れた声の中西サクが歌っていた。
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これは『ショートショート』か?と言われると…
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