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毎週ショートショートnote|急性カーテンコール中毒

会場は拍手喝采に包まれている。
俺は舞台袖で待機しているのだが、一向に拍手は鳴り止まない。
俺は葛藤している。カーテンコールに応えるべきか否か。周囲には誰も居らず、周りの意見などを聞くことも出来ない。どうして良いのかさえ分からない。正解を探せば探す程、それらしきものは遠くへ行ってしまう。まるで握った瞬間に逃げてしまうネコジャラシの様に。
ネコジャラシだって!? お前はそんなモノ触った事もないじゃないか! そうだ。俺はネコジャラシなど触れた事もない。それなのに俺と来たら、それっぽいからと言って雰囲気でネコジャラシ、などと例えてしまった。そんな人間にカーテンコールに応える資格などあるのだろうか?
だが拍手は鳴り止まない。本当にこんな気持ちのまま出て行って良いものなのか? しかし、鳴り止まないのなら仕方がない。

俺が舞台に出た瞬間、会場は落胆に包まれた。
「大道具さん! 出ちゃダメだって!」
その声で俺は我に返った。
また持病の『急性カーテンコール中毒』が出てしまった様だ。

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