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毎週ショートショートnote|幻覚パジャマ

ある子供が言った。
「王様はパジャマを着ている!」
国民たちは、この一言をきっかけに、「王様はパジャマだ!」と叫び始めた。
実は王様も薄々「これって、パジャマなんじゃないかなぁ〜?」と思っていたのだ。
しかし家臣たちは、「このパジャマに見えるものは幻覚でございます」と口を揃えて言うものだから、最近はほぼ疑いなく裸だと思っていた。
そもそも王様は、ある詐欺的な仕立屋に騙され、裸にもかかわらず、見事な服を着ていると信じ込まされた過去がある。その時も家臣たちは「見事な服でございます」だなんて適当な事を言っていたのだ。
王様は部下に裏切られ、深く傷ついた。また家臣を信じられる様になるまで、何年もの時間を要した。開き直って「私は元々裸である」と言うことにしてからは、精神が保たれる様になった。
だが寒いものだから、自分以外には見えないと言う、「幻覚パジャマ」を通販で買ったのだ。届いてみると普通のパジャマだった。そして家臣たちは「見えない」と言った。
王様は身体を小さく丸め、玉座に座っていた。
そこにまた、子供がやって来て
「この城には王様しかいない」と言った。

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