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【毎週ショートショートnote】骨折折祈願

「コレでは保険はおりません。」

保険会社の回答に俺は愕然とした。

「『骨折』ではなくて、『骨折折』でないと保険金は出ません。こちらの説明通りです。」

誰がこんな小さい字を読むんだ。
だが、契約書に『骨折折』と書かれているのだから仕方がない。

早速俺は神社に行き、
絵馬に『骨折折祈願』と力強く書いた。
骨折している間に、もうひと骨折れたら儲け物である。

名前と住所も書いた。
こうしないと神様には通じないと聞いたことがあるからだ。

手を合わせて、境内の階段を降りる途中で足が絡まり、ド派手に転げ落ちた。

目が覚めたら、病院の天井だった。

看護師に状況を尋ねる。

「かなりあちこち骨折されていますので、しばらく安静です。」

予想以上の効果だったが、まあ成就した訳だ。

「ところで、『骨折折』を祈願されていた様ですね?
運ばれたときに絵馬を握られていたので…。」

絵馬を掛ける前に境内をウロついたのがいけなかった。

勿論、『故意の骨折折』は保険適用外である。

(410文字)

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