掌編小説|コーチャンフォー
北海道には『コーチャンフォー』という大型書店がある。僕はコーチャンフォーが好きだ。本屋の良さは何と言っても思わぬ出会いがあることだ。SNSなどで検索していてもそういう出会いはなかなかない。
この日も平積みの本をパラパラ見ていた。その視線の延長線上にある背表紙が気になった。全体に真っ黒な本で、『チ部』と黄色で書かれている。
所謂キリスト看板のような風合、と言えばイメージしやすいだろうか。
僕はその怪し気な本を手に取り、ぱらぱらと頁を捲った。「恥」や「全裸」という攻撃力の高そうな言葉が至る所に散りばめられていた。
僕は、『チェンソーマン第二部』を買いにきた筈だったのに、この妙な本の魔力に取り込まれ、気付いたらその本だけを買って帰っていた。
本当はあのあとスーパーに寄って第三のビール六缶パックを買って、自転車カゴに入れて帰る予定だったというのに。
僕はまるでえっちな本を買ってきたときのようにどきどきしながら、コーチャンフォー独特の水色にギリシャ神話みたいな絵が描かれたビニール袋を乱暴に開けた。やはり如何にもサブカル臭の強そうな真っ黒な本が出てきた。
部屋の中は薄緑色のカーテンがぶら下がっていて、そこから僅かな光が漏れているだけだった。だから僕は机へ向かい、電気スタンドのタッチ式スイッチに触れ、昼白色の灯の元で本を開いた。
その時。
そう。ちょうどその瞬間。
僕の頭蓋骨の上半分がぐるりと外れて取れた。取れた頭蓋骨のフタはブリキ缶のような高い音を立てて床に転がった。
あー大変だ。僕は焦った。思わず立ったまま上半身だけを傾けた。所謂菜々緒ポーズのような姿勢だ。それで頭蓋フタを取ったものの、剥き出しの脳が滑って床に落ちた。まるで油玉のような(油玉、なんて言葉があるのかは知らないが)べちょん、という音が出た。
やってしまった、と僕は思った。
それは床に落ちた脳が思ったわけで、つまりBluetooth通信で本体に情報が飛んできたと解することができた。それもまた落脳が考えている事だ。そういうのを世間では『我思う故に我あり』というのだろうか? 知らんけど。
僕は頭蓋フタを机の上に置いて、脳を拾った。脳は、暫く掃除していない僕の部屋のゴミをたくさん付着させていた。例えば髪の毛、スナック菓子片、繊維屑、と言ったものだった。
こんな風になっちゃった脳はどうすれば良いのだろうか? 水道水とかで洗い流してから、また頭蓋骨の中に収脳して、それで大丈夫なのだらうか?
もしかしたら水道水に含まれる塩素やミネラル分といった成分が悪さをして、脳がおかしくなるれるかもしるれないし、もっと単純に水道水で浸透圧なんかがが、が狂って、やっぱり頭がおかしくるる可脳性も考えらるる。やはりここは洗めん器に生理食えん水を浸してその中に脳を入るれるるておく方が無無難なのではないだるらうか? 知らんけど。
はたして僕は脳を洗めん麺?器に入るて、常に水質をするということは家族で見てました、あでで?なんだが、遅れて、聴こえて。じゃないよ! Bluetoothがチョット混線して、コンセント? おーまってチョット冷蔵庫は。またイヌの毛とかまー結局さ。ギルティ炭酸シュワしゅわシュワワーとかけるとアーラ不思議or不可思議。治ります。お疲れ様デーーす。
-------補正⚡︎-----再生🤯不能-----⚡︎再修------
ビートたけし(以下、「た」。)
兵藤ユキ(以下、「兵」。)
た「『脳が床に落ちる』
コレは嫌ですねぇ!
頭蓋フタが緩んでいるのに気付かなかったんでしょうか。それで外れちゃったんでしょうね。その状態で頭を傾けたもんだから脳がカーペットか何かの上に落ちちゃったんでしょうねー。コレは嫌ですねー。
それでバカヤロウ!なんて言われて、くーーっ!って泣いたりなんかして。」
兵「#なんのはなしですか!」
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と、いう事で文学フリマ東京42に『チ部』が出店予定です!
🤯執筆者の脳内が余す所なく晒されていることでしょう…!
【日程】
2026.5.4(日・祝)12:00〜17:00
【会場】
東京ビッグサイト・文学フリマ東京42
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テレビ番組型インフォマーシャル
ドキュメンタリー番組のようにドラマが展開しつつ、実は商品コマーシャルだったというタイプのものを見たことがあるでしょうか。中には旅番組やグルメ番組のように見えて実はインフォマーシャルというものも。
https://cm.kokoku-direct.jp/column/Infomercial
(終わり)
