毎週ショートショートnote|入学式の養殖
『基本的なPC操作ができる方』という求人だったが、一日中入力というのもどうなのかと思った。
入力する数字は増えたり減ったりしているが、全体的に見ると少しずつ増加している。
この部屋は二畳程で、四方がコンクリートの壁に囲まれていて窓もなく床はグレーチングである。その下を覗くと、入学式がうようよと泳いでいて生臭いにおいが充満していた。
十一時五十三分になると『無敵の歌』という曲がかかるので、コンクリート壁の所々に穿たれた穴に手足の指を掛けて登る。
六メートルほど登ると一面コンクリートのだだっ広い空間に出る。他にも俺が登ってきたような二畳の「穴」が無数にあるので忘れないように、赤チョークで『λ』と書いておく。
いい匂いが漂ってきた。その方向に歩いて行くと社長が肉を焼いていた。
「キミに入力をお願いしてる数字は実は適当なんだよ」と社長は言い、グレーチングに肉を放り投げた。水面が激しく揺れる。
時給が二千五百円なのでもう暫くは続けたいと思った。
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3/3につげ義春さんが亡くなったそうです
あんな絵が浮かぶような文章を書けるようになりたいです
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