毎週ショートショートnote|下僕並べ
日本全国に猫の下僕は無数にいる。僕もその一人だ。
みなさんもご存知のとおりスーパーでもホームセンターでもどこでもキャットフードは販売されている。それほどこの国は猫下僕に溢れている。
僕は今、猫下僕として全国下僕並べ選手権に出場中だ。犬下僕を次々と撃破し、あと一歩のところまで来ている。もし負けようものなら犬下僕にされる。非常にリスキーだが、それは相手の犬下僕も同じだ。だからお互い必死だ。
試合が始まると僕はすぐに猫を置いた。相手も同じだ。四犬になる前に猫で防いでゆく。商業地帯は猫優勢。工業地帯は犬優勢。この流れだと農村地帯が決戦の地になりそうだ。僕はあぜ道を一気に固めた。相手もそこに犬を放つ。だが手が回らない。これは行けそうだ。
その瞬間ブザーがなった。試合終了だ。見ると山林にこっそり犬が五匹並べられていた。僕の犬下僕が決定した。
「犬が勝ったら、ダメじゃニャい!」
ステージに掛かる肉厚のカーテンがゆらりと揺れ、燕尾服を着た男が現れた。
その男がシルクハットを取ると、顔面が猫だった。猫男爵様だ! 見ると犬猫関係なく全員が跪いていた。
僕は知らなかった。この国は既に猫男爵様が支配していたことに。
(495文字。失格!)
【失格の理由を考えてみよう】
僕は田原さんの『創作のヒント!』を参考にして書いたはずだ。
今回はできるだけ自分で考えない、というある種斬新な手法を採用した。つまりオチまで丸パクリしようと考えたのだ。流石にこれは逆に誰ともカブらないはずだ。
とはいえ、書いている中で勝手に個性は立ち上がるわけで、万一カブっても特に問題はないのだ!
創作のヒント!
1.明らかに関連してそうな五目並べと関連するものをオチに持ってこよう
五個先に並んだら勝ちのゲーム
2.(ここ重要)五目並べと似ているけど違うものを持ってこよう・・・オセロ?
3.五目並べで頑張っているのに、オチはオセロのひっくり返しを持ってきて何かを変えてみよう
4.下僕がひっくり返される…私は猫の下僕だけど、犬の下僕に変えられてしまう。となると、犬の下僕になりたくない動機が必要
5.犬嫌いで猫の下僕になった。そして全国下僕並べ選手権に出たんだけど、負けたら犬の下僕にさせられる…
6.(ここ重要)ここで終わったら、お話の反転一回なので、更にもう一回反転させよう
7.主人公を操る犬は、実は猫の下僕で、更に葛藤を感じる・・・
1〜7全てを拾うことはできなかった。
犬下僕になりたくない動機は拾わずに前提にしてしまった。
農村地帯とか、そういう試合経過の描写が不要だったのか? いや。そういうのは結構大切な気がする。
ホームセンターだけでも七文字消費している。
読み手がすぐわかってなおかつ短い言葉が必要だ。「猫下僕」の三文字でさえ長く感じた。
とは言え410文字にするには一つ二つの描写をゴッソリ飛ばす必要がある。
二つひっくり返すのに410文字は少な過ぎると感じた。
最後の二文でトン!トン!と一気に二つひっくり返せば良いのかもしれない。
光明っ…!!
微細なる光明っ…!
来週また頑張りまーす
