毎週ショートショートnote|人魚裁判所
水深二万メートルの海底に人魚裁判所はある。
それは海底国道十二号線沿いのドラッグストア、スーパー、ホームセンターなどが並んでいる郊外型店舗の内の、宝くじ売場の居抜き物件にそのまま入っている簡易裁判所だった。
そもそも水深二万メートルだなんて、そんなところはないと言われそうだが、実はあるのだ。
海底をよく探すとマンホールみたいな蓋があって、そこから行けるのだ。まだ見つかっていないだけだ。
今日も裁判所のカウンターで被告人がロト6のマークシート用紙を塗りつぶしていた。
被告人が祈りを込めて裁判長に用紙を渡し、それを機械で読み取ると、判決は「シャケ」だった。
被告人はすぐに職員に取り押さえられ、下半身を切断された。
その断面に魚の下半身を繋ぐ訳だが、量刑がシャケだったため大きさが全く合っておらず、見るからに変な仕上がりだった。
やはり、どうせ人魚刑になるのならば下半身はマグロくらい大きい方が上半身と合っているので少しはマシだ。
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