【毎週ショートショートnote】Yシャツ犬
犬小屋に雪が積もり、犬が寒そうにしている。
犬をこよなく愛する私は一計を案じた。
靴下を履かせるのだ。
私は犬にヘッドロックを極め、動けなくした状態で靴下を履かせて行く。
犬は当初嫌がっていたが、次第に大人しくなり、やがてされるがままとなった。
然して、靴下犬の完成である。
犬は何とも言えない上目遣いをしている。
まるでサラリーマンのような哀愁だ。
またアイデアが閃いた。
たしか半袖Yシャツがあった筈だ。
犬はヘッドロックされる未来を避けるため、初めから全てを受け入れている。
Yシャツのボタンを全て留める。
私は画家のように全体のバランスを確認する。
真っ白なシャツの効果で顔だけが空中にぽっかりと浮いている。
どうもしっくり来ない。
…ネクタイだ。
酔っ払いサラリーマン感を出すのならば額一択である。
完全なる哀愁!
私は犬の頭をポンポンと撫で、家に入った。
翌朝。
犬は逃げていた。
少しイタズラが過ぎたようだ。
夜には帰ってくるだろうと思い、
出勤すると犬が私の席に座っていた。
(422字)
↓毎週ショートショートに参加しています。
