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【毎週ショートショートnote】おとぎ話診療所

この島にも昭和の終わり頃まで「診療所」がありました。
今は薬や機械だけが残され、島民は勝手に使っています。

「お医者様来てくれんもんかな。」
今日も男が来ました。

すると衝立の向こうから
「どうぞー。」
という若い女の子の声が聞こえて来ました。
今の言葉で言うと「初音ミク」の声です。

恐る恐る中に入ると、阿修羅像が白衣を着て立っています。

「どうしました?」
初音ミクの阿修羅像が聞きます。

「ひ、膝が痛いんじゃ。」

すると阿修羅像の目が光り、
「あー水が溜まってますね。」
と初音ミクが言いました。

阿修羅像は男に近づくと精確な動きで注射針を膝に刺します。

「また痛くなったら来てくださいね。」

狐につままれたような顔をしながら男は帰っていきました。


「阿修羅像が女の子の声で膝の水を抜いてくれたんじゃ!」

「それはもう、おとぎ話じゃ!」

島民たちは半信半疑で診療所に行きました。

阿修羅像は注射を金槌に持ち替え、診療所の壁を直している所でした。

「今大工が遠隔操作してます。」
と初音ミクが言いました。

おとぎ話のような時代になったものです。

(450文字)

↓毎週ショートショートnoteに参加しています。今回は千鳥大悟さんの北木島をイメージして描きました。イカ二貫!

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