諦めたはずの夢が、私を動かした話ー 終わったはずの夢の、その続き ー
少しだけ、自分の話をさせてください。」
小さい頃、歌うことが好きでした。
夢は、歌手になること。
でもその夢は、挑戦する前に終わりました。
両親の反対もあったし、環境もあった。
でも今思えば、
一番は自分に勇気がなかったんだと思います。
それから私は、
歌うことから少しずつ離れていきました。
好きなはずなのに、
どこかで見ないふりをしていた。
大人になっても、
「このままでいいのかな」と思いながら、
答えを出せないまま過ごしていました。
そんなとき、はじめて行ったコンサートで、
山下智久さんの歌を聴きました。
あえて予習はしませんでした。
はじめての一曲は、その場で受け取りたかったからです。
音が、すっと心に入ってきました。
言葉にできなかった気持ちに、
静かに触れられたような感覚でした。
そのとき、ふと思ったんです。
「まだ、好きでいていいんだ」って。
諦めたはずの夢なのに、
どこかでちゃんと残っていた。
コンサートが終わる頃には、
もう一度会いたいと思っていました。
「今、会いに行かなければ、
きっと後悔する」
そう思って、
はじめてひとりで新幹線に乗りました。
予約も不安で、全部が初めてだったけど、
それでも行きたい気持ちの方が強かった。
そこから、少しずつ世界が広がりました。
SNSで同じ想いの人と繋がって、
言葉を交わして、
ひとりじゃなかったんだと知りました。
コロナ禍で会えない時間もありました。
それでもその間に、
「次に会える日までに、自分も何かしたい」
そう思うようになりました。
そして迎えた、久しぶりのコンサートの年。
自分なりに続けてきたことが、
思いがけない形で届きました。
あのとき終わったと思っていた夢は、
終わっていなかったのかもしれません。
形は変わっても、
ちゃんと私の中に残っていた。
歌は、私を変えたわけじゃない。
でも、動けなかった私を、
もう一度動かしてくれました。
だから今も、
好きでいることをやめずにいたいと思っています。
