2歳。ダンゴムシ片手に人生を楽しむ。
昨日、外遊びをしていた息子が、
ずっと1匹のダンゴムシを握りしめていた。
発見場所はじゃがいも畑。
なかなか立派なサイズである。
最初はいつも通りの光景だと思っていた。
息子はダンゴムシが好きだ。
しかし今日の息子はいつもとは違った。
その後のじゃがいも収穫も、
ずっとダンゴムシ同伴。
右手にジャガイモ。
左手にダンゴムシ。
または、
左手にダンゴムシ+ジャガイモ。
のスタイルを貫く。
テンポ良く芋を拾い、
テンポ良く私に渡してくる。
たまに芋とダンゴムシを間違えて渡してくる。
「どーぞっ!」
いや、それは芋じゃない。
私はダンゴムシマニアではないので、
もらっても困る。
むしろ少し遠慮したい。
収穫が終わると、
今度は三輪車。
もちろんダンゴムシ付き。
片手にダンゴムシを握りしめたまま器用に漕ぎ、
途中で停車しては背中を撫でている。
どんな光景だ。
完全に愛玩動物の扱いである。
そしてお家に入る時間。
問題はここからだった。
息子が家に入らない。
ダンゴムシと別れたくないらしい。
玄関の下に腰掛け、
ダンゴムシと一緒に景色を眺めている。
独り言なのか、
通りすがりの人に話しかけているのか、
時々何か話をしている。
ダンゴムシとの対話まで始まったのか?
通りすがりの人から見たら、
「家に入れてもらえない2歳児」
にしか見えない気がする。
通報されないかヒヤヒヤしながら、
彼の気持ちを尊重しておいた。
彼は今、
大切な友との時間を過ごしているだけなのだ。
母にはその友情はよくわからない。
しかし許せる範囲だったので、
とりあえず見守ることにした。
振り返れば、
収穫中も、
三輪車中も、
黄昏れ中も、
息子はずっとダンゴムシを握っていた。
それなのに、
最後まで潰れなかった。
我が息子は意外と器用なのかもしれない。
そんな親バカなことを考えながら、
私は別れの時を待った。
ダンゴムシとの別れを受け入れるまで、
かなり時間がかかったが、
いざ、別れる決意が固まれば意外とあっさり、
畑ではなく、
玄関脇のコンクリートにポイっと投げ捨てて家に入ってきた。
さっきまでの可愛がり方はなんだったのか。
ダンゴムシ側にも心の準備が必要だったと思う。
息子を育てて3年弱。
気づけば私は、
ダンゴムシの気持ちまで代弁する母になっていた。
