小学生のシャーペン使用は結局どうしてダメなのか?
皆さんが今とは違って穢れなきキラキラ小学生だったころ、「何でシャーペン禁止なの?意味分からん!」という思いをした人は多いはずです。僕も同じく鉛筆の削り方が下手だったのか何か分かりませんが、鉛筆がボキボキ折れてイライラすることもしばしばあり何度思ったことやら。
実はこの「シャーペン禁止」、文部科学省がはっきり禁止しているわけでもありません。それなのに、ほとんどの小学校で当たり前のように守られているルールなんです。今回は、なぜここまで広く禁止されているのか理由を調べてまとめてみました。あわせて、シャーペンを許可している学校がどんな工夫をしているのかも紹介します。
そもそも「禁止」に法的な根拠はない
まず驚くのが、シャーペン禁止に全国共通のルールは存在しないという点です。国が定める学習指導要領には筆記具の指定はないそうです。
にもかかわらず、2017年に行われた小学校の学級担任1185人への調査では、なんと96.7%の先生が「シャーペンの使用を禁止している」と回答。つまり実質的にはほぼすべての小学校で禁止されているもののということになります。
一部の自治体では「鉛筆を使うのが望ましい」という立場を取っていますが、これも明文化されたルールというより教育委員会の考え方に近いものです。
なぜここまで広く禁止が定着しているのか。理由は一つではなく、いくつもの事情が重なっています。
① 芯が折れやすく、かえって授業に集中できない
低学年の子供はまだ筆圧のコントロールが上手くいかずに細いシャーペンの芯はすぐに折れてしまいます。折れるたびに芯を入れ替える動作が発生し、授業に集中できなくなるというのが、最もよく挙げられる理由です。
② 正しい持ち方や筆圧を身につける時期だから
小学校低学年は、鉛筆の正しい持ち方や文字を書く力加減を習得するためには重要な時期とされます。鉛筆は太くしっかりした軸で力を込めやすいのに対し、シャーペンは軽くて細いため、この時期の練習には向かないという考え方です。
③ おもちゃになる
シャーペンはノックする感触や、分解して芯を入れ替える構造そのものが、子どもにとって遊びの対象になりやすい文房具です。これはブンブン首を縦に振って同意するところです。現在大学4年生の僕もたまに勉強に飽きてシャーペンをカチャカチャ分解して遊ぶことがよくあります。小学生だとなおさらでしょう。
④ 安全面の不安——シャー芯をコンセントに挿す事故
意外と見落とされがちですが、これも現場ではよく語られる理由です。シャーペンの芯は炭素でできているため電気を通す性質があり、コンセントの差し込み口に誤って挿してショートし、発火したりする事故が起きることもあるそうです。子どものいたずらから起きるケースが多く、先生たちが神経をとがらせる理由の一つになっています。
こうして並べてみると、とにかく複数の理由が積み重なって「禁止」という結論に落ち着いていることがわかります。
ちなみに、こうした理由を子どもにきちんと説明しないまま「決まりだから」で押し通されてきたことが問題視され、2020年の国会審議ではシャーペン禁止が"ブラック校則"の一例として取り上げられたこともあります。
一方で、シャーペンの使用を認めている学校も存在します。いくつか例を紹介します。
公立中学校ではほぼ解禁:一部自治体では市立中学校ではシャーペンの使用がほぼ解禁されているとみられています。小学校と中学校で対応がはっきり分かれているのが特徴です。
学年で区切って解禁:小学校の中にも、高学年に限って使用を認めるケースがあります。作図や細かい計算問題が増える高学年では、線の細さが正確さにつながるというメリットも指摘されています。この段階では先述のような筆圧の発達等の懸念は解消されていく子が多いでしょうし高学年からの使用は現実的に思います。
家庭や塾ではすでに広く普及:文具メーカー・ゼブラの調査によると、学校では禁止されていても塾や自宅では小学3・4年生ごろからシャーペンに移行する子どもが多く、1年生から使っている子も約2割いるそうです。学校の外では、すでに当たり前の文房具になりつつあります。
まとめ
シャーペン禁止は、法律で決まっているわけではなく、現場の肌感で様々な理由から決まっていることが見て取れると思います。
