箱根本箱で過ごす時①~本の王国に入り込む 2026-5
仲の良い友人に誘われて、箱根に出かけました。
行先は『箱根本棚』。いつも素敵な宿を紹介してくれる友人と一緒なので、素晴らしい時間を過ごせるはず。わくわくしながら向かいます。
外国人たちとバスで
小田原から大涌谷行きのバスに乗ると、両手に特大スーツケースの外国人がどやどやと乗り込んできました。
ギュウギュウになってバスは出発。
途中のバス停で待っている人が乗れないほど混んでいます。
京都だけでなく、箱根もオーバーツーリズム状態なんですね。
箱根の坂は、道幅が狭く、急カーブが多く、急斜面。
ここを大型バスで通れる運転手さんってすごいですね。
小一時間ほど乗り、中強羅バス停で降りました。
中強羅は、会社の保養所が多い静かなエリア。
つんのめりそうな急勾配の坂を、慎重に下りていきます。
目指すお宿を見つけました。一見ホテルとはわからないシンプルな建物ですが、窓からたくさんの本が見えたので、きっとここでしょう。
本の王国、箱根本箱
なんの看板もない(裏側から入ったから)木製の自動ドアの前におそるおそる立つと、バーンと明るい景色が開けました。
そこは、本棚が壁一面に広がるロビーホール。
「わあ〜!」
目の前に現れる本、本、本!
圧倒されます。ここは本の王国ね。

突然、非日常感たっぷりの場所に来たので、ポーッとしています。
ホテルの人に以下の説明を受けている時も、気がそぞろでした。
ここは「本との出会い」「本のある暮らし」をコンセプトにしています
ここには「衣・食・住・遊・休・知」の6つのジャンルを中心に、文学、アート、建築、旅、料理、エッセイなど、さまざまな本が並んでいます
館内の蔵書は、洋書も含めて約1万2000冊です
滞在中はどの本でも自由に読むことができます
全ての本が購入可能で、気に入った本をお持ち帰りできます
つまりここは、ホテルと書店を兼ねた大きな本箱なんですね。
本好きにとっての楽園。思いがけない発見があるかもしれません。

いったんチェックインしたら、もう本箱の住人。
客室が18室のみの小さな建物ですが、ホテルのいたるところに自由にくつろげるソファや読書スペースがあり、宿泊客が読書にふけっています。
大声でしゃべったり、バタバタせわしなく動く人は誰もいません。
心地よい静けさの中、ゆったりとした時間が流れています。
高所恐怖症の人はご注意を
窓の外には箱根の山々が広がり、自然を眺めながら読書ができます。
ワクワクしながら2階に上がりましたが、高所恐怖症の友人は「こわい!ムリ!」と通れず、エレベーターを使いました。

たしかに踊り場にいると、ほかの人が階段を歩く振動がミシミシ伝わってきて揺れるんです~。
苦手な人は避けた方がいいかもしれません。
高山の崖っぷちに咲く花を採りに行くような気持ちで!

チェックイン時には、ウェルカムドリンクやスイーツが準備されています。
酒粕のチーズケーキやチョコをつまみながら、気になる本をパラパラ。

ショップと絵本コーナー
まずは、館内を探検しました。
「ライフスタイル&アルチザンショップ」というショップがあり、商品が並んでいましたが、売り子さんはいません。無人だなんてフリーダム。

使い心地のよさそうな手作りの日用雑貨やギフト用の小物などが並ぶお店全体が、本棚に囲まれています。

お店の奥には読書コーナーがあり、さらに児童書の小部屋もありました。
このホテルは大人専用なので、昔子どもだった人のための場所ですね。
小さい時に夢中になって読んだなつかしい絵本たちに再会できました。
優しい物語に囲まれてほのぼの。

部屋のなか
客室に入ると、ナチュラル感のあるシンプルなインテリア。
グリーンビュー側の部屋で、窓の外の緑に癒されます。
ウッディなテラスには露天風呂があります。

明るく清潔感があり、温かみがある静かな部屋です。テレビはありません。今流行りのデジタルデトックスというより、本に没頭するためでしょう。

館内着は肌なじみのいいオーガニックコットン。
ミニトートバッグ(持ち帰れます)は、本を入れるためにあるのでしょう。
「あの人の本箱」
各部屋ごとに違う「あの人の本箱」が備えられています。
今回泊まった部屋は、村田紗耶香さんと相澤紗呼さんの選書部屋。
お二方の選書のテーマや各本へのコメントが書かれたリーフレットが置いてありました。

村田さんの『コンビニ人間』は、世相の切り取り方がおもしろかったです。
ミステリーがちょっと苦手なので、相沢さんの作品は未読ですが、『雨の降る日は学校に行かない』はそのうち読みたいと思っています。
なにか書きたくなったら
「あの人の本箱」の隣には、原稿用紙風の便箋がありました。
これだけ本に囲まれていると、自分も何か書きたくなってきますからね。

作家になった気分で、旅の日記や本の感想を綴ったり、大切な人への手紙を書くことができる、利用者の気持ちにそったすてきなサービスです。
こんな本を読みました
便箋の隣には、雑誌『自遊人』。箱根本棚にしっくり合う内容です。
今は書店で見ることがなくなった、貴重な冊子体のバックナンバーです。

やはり旅先では旅の本を読みたくなるもの。
『海外名作映画と巡る世界の絶景』を読みました。
あとは『フルーティー侍』も。
これ、パラパラブックスなんですよ。
れっきとした一冊の本として、部屋の本棚に鎮座していました。
赤リンゴと青リンゴが竹林で真剣に果し合いをしている、シュールな設定!
パラパラかあ。小学生の時に教科書のはじに描いたきりでしたよ。
なつかしい!
<②につづく>
