「西遊記」のこと
ごあいさつ
こんにちは。
前回は
筑摩書房の世界文学全集
(全70巻+別冊)の
お話をしました。
その第9巻が、
丸1冊を使って(抄訳ですが)
『西遊記』を収録していたこと。
引っ越しの際に
「文学全集」は処分したけれども
この『西遊記』1冊だけは
手元に残して持ってきたこと…
というところまで
お話ししたように思います。
伝説のドラマのこと
1978年に放送された
日本テレビのドラマ
『西遊記』をご存じでしょうか?
堺正章さんが孫悟空を演じた
伝説のドラマです。
夏目雅子さんが
高貴で中性的な高僧の姿で
凛々しくも美しい三蔵法師を
見事に演じたことでも有名です。
他には
猪八戒を西田敏行さん
(後に左とん平さん)、
沙悟浄を岸部シローさん…
そして三蔵の乗る白馬
(実は竜の化身)「玉竜」に
藤村俊二さん、
そしてナレーターが
芥川隆行さんという
そうそうたる布陣でした。
(アフィリエイトリンクではありません)
劇中音楽を担当したゴダイゴの
主題歌「モンキー・マジック」がこちら。
三蔵法師を女性が演じていて、
中国の伝奇小説なのに
音楽は英国人を含むロックバンド。
いま考えてみると斬新ですが、
そんな違和感を感じさせないほど…
ものすごい説得力があり、
(当時としては)最先端の
エンタメの面白さが詰まった
化け物ドラマだったわけなのです。
私が子供の頃に
この『西遊記』が幾度となく
再放送されていました。
そのたびに、
画面にかぶりつきで
観ていた記憶があります。
それほど好きなドラマでした。
それが、なぜ「世界文学全集」と
繋がるのかはこれからお話しします。
なぜそれほど好きだったのか
筑摩書房の「世界文学全集」第9巻
『西遊記』の刊行は1968年。
訳者は入谷仙介とあります。
この方の訳文を読むと、
頭の中であのドラマの悟空や三蔵が
動き出すのです。
悟空が三蔵を呼ぶときの
「お師匠さん」呼びや、
悟空を諭す三蔵の
ていねいな「ですます調」。
なんなら、沙悟浄のセリフだけ
頭の中で関西弁に翻訳すれば
もう、あの世界が
脳内で再現できます。
ドラマ版のほうは、
じつはかなり脚色されていて、
原作から離れている部分が
多いと知ったのは、
ずいぶん後になってからのことです。
あのドラマのキャストで読む
原作準拠の『西遊記』は、
それはそれは面白い読み物でした。
それほど似ていたのは
これは、あくまで
私の想像にすぎないのですが…
おそらく、あのドラマの
制作当時(1970年代後半)に、
『西遊記』の日本語訳として
最もメジャーだったのが…
この筑摩書房「世界文学全集」の
入谷仙介訳だったのではないか。
…という推測です。
当時の脚本家陣が、
この入谷訳を参考にして
登場人物の口調のフォーマットを
作った可能性があります。
それほど、この訳を読むと
あのドラマの悟空や三蔵が
生き生きと蘇ってくるのです。
もちろん、これは
単なる一個人の感想と
それに基づく推測の域を出ません。
が…
きっと今、
別の訳者の『西遊記』を読んだとしても
私は頭の中で、あのドラマの世界観に
置き換えて読むことでしょう。
それほど、私の中で
『西遊記』といえば
1978年のドラマ版『西遊記』であり…
それと分かちがたいものになっている
この入谷訳『西遊記』であることに
違いないのです。
原作の面白さ
もちろん、
「世界文学全集」から
1冊だけこの巻を持ってきたのは…
原作の『西遊記』が
途方もなく面白いから…
ということもあります。
後に講談社文庫版
『封神演義』(安能務・著)を
読んで、これにもハマりました。
いや、中国の著者って…
(想像を超える
奇想天外さという意味で)
頭のネジがぶっ飛んでるとしか
思えないな。
と、『西遊記』を思い出して
そう感じたものです。
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