宅建という試験を受けてみたこと
今から10年ほど前、平成28(2016)年の2月ごろのことです。
さすらいの派遣介護士だった私は、
とある施設で上司だった女性管理者に言われました。
「ここにいる職員の中で、
『宅建』受けてみようって人いないかな?」
初めて聞いた「宅建」とは、なんだろうか?
ざっと、こんな感じのお話でした。
・「宅地建物取引士」の資格試験である。
・不動産系の資格であるらしい。
・ちょっと頭がいい人でないと難しいらしい。
もともと、そのとき勤めていた施設の親会社が不動産系らしくて、その関係で何か今後の展望があるらしいような感じです。
その時は「いやあ、難しいですね」で話は流れました。
しかし、そんな資格試験というものがある、ということが、妙に心に残ったのです。
というのも、もともと学校の成績はわるくないほうでした。
いえ、小学校の時は良かったのです。
中学、高校と進むにつれ、成績は下がり続け、大学は中退。
「神童も二十歳過ぎればただの人」を地で行く大人になりました。
そう、「ただの人」。
その、ただの人が一念発起するきっかけになったのが
この「宅建」という資格試験だったのです。
「ひょっとすると、人生が変わるかもしれない」
そう、思い至るのに時間はかかりませんでした。
さっそく、あちこちの通信講座に資料を請求し、
最終的に「フォーサイト」という通信講座に申し込むことに決めました。
学費は(当時・クーポン適用後)66,080円。
…お高いです。
しかし、ちゃんと最後まで学習を終えると
「教育訓練給付制度」が利用できるので、
その制度を使うことに決めました。
もう、あと戻りはできません。
介護士の仕事をしながら、勉強の日々が始まりました。
毎日欠かさずDVDの講義を聴き、テキストの例題を解く。
通勤や昼休みのスキマ時間には、暗記事項をまとめた単語帳(講座に付属していました)で、ひたすら暗記する。
ここで私は大きな間違いを犯していたのですが、それについては次に書きます。
そうして試験日を迎え、問題用紙を見たときに
はじめて、その「勉強法の間違い」に気づきました。
見たことのない単語や、知らない解き方の問題がけっこうあったのです。
これは、後になってわかったのですが、
「過去問」(過去に試験で出題された問題)をしっかり学習しておけば、防げたことでした。
そもそも、私が資格試験を「学校の試験」と同じように考えていたのが誤りだったのです。
宅建をはじめとする資格試験の学習は、「過去問」こそが命だったのです。
にもかかわらず、何も知らなかった私は
「授業をちゃんと聴いて教科書を読み、重要事項を暗記すればいいのだ」
そう思いこみ、「過去問」を学習する時間をおろそかにしてしまいました。
いえ、正直を言えば、「過去問」の問題集まで手が回らず、時間切れになってしまっていたのです。
結果は…もちろんというべきか。
合格点に2点足りずに、『残念』でした。
2点「も」と思うか。
2点「しか」と思うか。
ここで「2点『しか』」とポジティブに考えてしまい、それから4年間も資格試験の沼にはまることになるのですが、それはまた、別の機会に。
ともあれ、いくばくかの悔しさを覚えながらも、
私の宅建への初挑戦は終わりました。
ただ、この経験は、満足感と、ささやかな自信を与えてくれました。
「仕事を続けながら、勉強を続けることができた」という自信です。
学校の勉強を、あまり真面目にやってこなかった私にとっては、大きな一歩でした。
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