#39 鹿対策 YES NO のその先に
有害鳥獣として
鹿やイノシシを捕獲されている方も多いかと思います。
わたしは、山に暮らし、山の自然を見て
鹿の増加が
あまりにも大きな影響を及ぼしてしまっていることを感じ
なんとかしなければ!と
捕獲にたちあがりました。
しかし、この業務には必ず
賛否両論が付いて回りますよね。
畑の被害防止のための捕獲は
まだ、理解が得やすいように感じます。
実際、畑で捕獲すると、
ものすごく感謝されます。
しかし、
山や森林の環境破壊というのは
表面からは分かりづらい。
山は観光の方々も多く、
別荘利用の方々も多い。
そういう方々は、
鹿がたくさんいて、自然が豊かでいい!とか、
かわいい鹿たちの姿を見るのが楽しみで来るんだ!
という方が多く、
捕獲なんてとんでもない!
もっと他の方法があるだろう!
と思っていらっしゃる。
また、
命を守らなければ!
自然を守らなければ!
という方々は
鹿の方が先住者。
いやならお前たちが山から出ていけ!
とおっしゃる
確かに、
ただ、数を減らすために捕獲だけを行っても
根本解決にはならないと思います。
彼らの棲みかであり、
生活の場である森の在り方を理解し、
人と住み分け、
距離をとって共存できる策を模索してゆくことは
mustだと思います。
しかし、
逆に、捕獲をやめて、
森の再設計だけでなんとかなるかといえば
もう、その段階ではありません。
すでに増えすぎてしまっています。
場所により、
適正頭数の100倍以上になっているところもあるんです。
(適正頭数=生態系に影響を及ぼさない数の意)
鹿の増え方は恐ろしい。
もし、放置すれば4年で倍増です。
山はもう耐えきれません。
あちこちで崩壊がはじまると思います。
鹿を守るのか
それとも
人を守るのか
究極の選択の段階になってきていると
わたしは思います。
とにかく、
数を減らすことと 森の再構築を
同時進行ですすめていくことが重要だと思います。
人工林の伐期を迎え、皆伐したエリアに
新たにまた苗木を植えるということで
環境保全団体として、2017年
国有林の植樹祭にご招待いただいたことがあったのですが、
そこで 用意されていた苗木は
なんと!

「杉」!!!
ビックリしました。
この期に及んでまだ杉をあらたに植えるとは!
「花粉の少ない種類ですから」
いや、そういうことではなくて。。。
生態系回復のことを考えていますか?
人と動物が共生できる環境のことを考えていますか?
杉ばかりの山は命を育めません。
餌場・遊び場となる開けた天然林があって、
隠れることのできる針葉樹の森があって、
どちらもバランスよく配置されていれば
動物は人とも出会わずに済む山で暮らし、里に出てくる個体は減る。
個体の絶対数を減らせば、
餌場の天然林も動物に食べ物を与えながら、
森としても元気に維持できる。
その設計を考え、
現状を改善してゆくのが
林野庁の仕事なのでは?
まずは国有林から
樹種転換を始めてゆくべきではないかと
素人ながら わたしは そう思います。
わたしたちも、まだまだ微力ではありますが、
自分が出来るところから、少しずつ、
人工林の天然林への転換を行っています。
この地の本来の自然を取り戻し、
鹿も人も共に、
それぞれが命を輝かせ、
全うできる未来を作り、
末永く繋いでゆきたいと思っています。
……続く
