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そのVBAマクロ、本当に大丈夫ですか|放置で業務が止まる5つのリスク

「うちのVBAマクロは動いているから大丈夫」

そう思っていらっしゃる会社が大多数です。しかしVBAマクロは、自社が何もしていなくても、外部環境の変化で突然動かなくなる性質を持っています。Microsoftのアップデート、取引先のデータ形式変更、担当者の退職、Windowsの仕様変更。引き金は社内のコントロール外にあります。

本記事では、業務でVBAマクロを使い続けることのリスクを5つに整理してご紹介します。「うちは大丈夫か」を判断する材料としてお読みください。

ある日突然、月次業務が止まった話

先にひとつ、現場で実際にあった話をご紹介します。

あるご支援先で、月次の売上集計に使われていたVBAマクロが、ある月から突然エラーで停止しました。原因は取引先から届くCSVファイルの列が、わずか1列増えただけです。VBAコードは列番号がハードコーディングされており、列順がずれた瞬間に正しい値を拾えなくなって停止しました。

作成者は既に退職、コメントは一切なし、変数名は意味不明。解析だけで丸3日かかり、月次業務はその間停止しました。「動いているから大丈夫」という前提が、ひとつのCSV変更で崩れた瞬間でした。

リスク1:属人化リスク

業務で使われているVBAマクロのなかには、作成者が既に退職しており、誰がいつ何の目的で作ったのか分からないまま動き続けているものが少なくありません。仕様書もコメントもなく、画面の挙動を見て推測するしかない状態です。

ある調査では、情シス部門の約半数が「メンテナンス不可能なExcelファイルがある」と回答しているとの結果も報告されています。担当者の退職・異動が決まってから動き出しても、間に合わないケースがほとんどです。

詳しくはブログで解説しています。(外部リンクへ遷移します)


リスク2:マクロのデフォルトブロック

2022年以降、Microsoftは「インターネット経由と判定されたマクロをデフォルトでブロック」する仕様に変更しました。問題は、社内のファイルサーバーやNASに置いたファイルでも、設定によってはインターネット扱いと判定されてブロックされる点です。

「セキュリティリスク このファイルのソースが信頼できないため、Microsoftによりマクロの実行がブロックされました」という赤い帯が表示され、コンテンツの有効化ボタンすら出てこない状態になります。社内環境でも、ある日突然マクロが動かなくなる構造です。

詳しくはブログで解説しています。(外部リンクへ遷移します)


リスク3:クラウド・モバイル非対応

VBAマクロは、Excel for the web(ブラウザ版)、iPad・iPhone・Android版Excel、共同編集中のファイルでは仕様として動作しません。Microsoftの公式情報でも、これらの環境ではVBAマクロの実行はサポートされていないと明記されています。

在宅勤務、SharePointへのファイル集約、営業のタブレット利用が進むほど、「PCを開かないと処理が回らない」VBAが現場の働き方から取り残されていきます。Microsoft 365導入時に「マクロが動かない」と現場が騒ぐ典型パターンです。

詳しくはブログで解説しています。(外部リンクへ遷移します)


リスク4:ゾンビVBAの故障リスク

「動いているから触らないでください」と申し送りされてきた古いマクロは、外部要因のちょっとした変化で突然動かなくなります。取引先のCSV変更、Office更新、Windows更新、PC入れ替え、基幹システムの入れ替え。引き金は常に外側にあります。

実例として、2025年4月のOffice 2016向けセキュリティ更新KB5002700では、WordやExcelがクラッシュする事象がMicrosoft公式で報告されました。こうした更新による事象は今後も繰り返し発生します。

業務停止より深刻なのは「静かに進む誤データ」です。マクロは動き続けているが、間違った結果を出している。誰も気づかないまま誤った数字が経営判断に使われていた、という事例も現場では起きています。

詳しくはブログで解説しています。(外部リンクへ遷移します)


リスク5:VBScript段階廃止

「VBAは廃止されない」というアナウンスをご覧になった方も多いと思います。これは半分正解です。VBA本体に廃止予定はありません。

しかし、VBAから呼び出されている「VBScript」という別の機能は、2023年10月にMicrosoftが非推奨化を発表し、2027年頃にデフォルトで無効化される計画です。VBAコードの中で CreateObject("VBScript.RegExp") のような記述を使っている場合、その箇所が動かなくなります。

VBA本体は残るのに、その一部の処理だけが動かなくなる。これが2027年頃に多くの企業で発生すると予想される事象です。

詳しくはブログで解説しています。(外部リンクへ遷移します)


「動いているから様子見」が最もコストの高い選択

5つのリスクに共通するのは、時間とともに悪化する一方で、自然解消しない点です。担当者は退職していき、Microsoftのアップデートは続き、取引先のシステムは更新され、働き方はクラウドへ移行していきます。

「動いているから様子見」と先送りした結果、ある日突然動かなくなって対応に追われる。解析コスト、業務停止損失、代替手段の検討。3つのコストが同時に発生します。担当者がいるうちに棚卸しを始めるのが、最も安いタイミングです。

より詳しく知りたい方へ

各リスクの技術的な背景、対処方法、棚卸しの進め方は、筆者ブログのVBAカテゴリーで解説しています。(外部リンクへ遷移します)



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複数の支援先を見てきた経験を踏まえ、業種や規模に応じた現実的なアドバイスをお伝えします。

動いているうちに動く。それが最もコストの低いタイミングです。

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