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『詩の卵』

粗削りで愛しい、詩というには稚拙な「詩の卵」全18編、処女作です。

※noteにて掲載済みのものは、一部修正・題変更をしています。

「紙とペン」

書きたいことは山ほどあるけれど
それを言葉にするだけの力はなくて
そんな自分をなだめるために書きなぐってる


「本に触れる」

バズる文章、選ばれる文章、コンビニ本
本に群がる夜光虫

自分が思いつくものは大抵誰かの発明品で
それもまた誰かのもの

妄想空想の地図、本の海
積まれた本
何かを起こす人は偉人なのか凡人なのか


「生きる」

死にたいと思いながら
読みたい本を探し、聴きたい音楽を辿り
しまいには眠りにつく

そんな自分を愛せたらいいのにね、


「from inside the bed」

旅ひとつでなにか変わりそうな気がして
願望なのか確信なのか、わかないけど
結局今日も画面越しのデンマークを眺める


「私」

「生きる」ってなんなのだろうか
「私の価値」ってあるんだろうか
  そう思うときがある

風の音、少年たちの声
自転車のブレーキ、何気ない会話
冷たい風が頬を掠めた

私はその中にはいない
ひとりだった

日常は孤独を深いものにさせた


「花束」

あなたに買った花
あなたを思って買った花

あなたを思って買った花は
ほかのどれとも違って美しい

溢れた花束を
あなたのように手にする
濡れないように、欠けないように
強くでも優しく

雨の日の帰り道はいつもより長く
いつもより甘く愛しい時間になった


「メルヘン脳みそ」

同じように春の風を感じて
違う花の匂いを嗅ぎ

巡り合わせのように寄り添い
時に同じものを見て感動して
辛いときには安心して寝るまで傍に

最期に見る顔は貴方がいい

そう思ってた春、もう遅い夏


「逃避行」

2人だけのランデブー

ここは楽園
この箱の中では
あなたは私だけの
私はあなただけのもの

この楽園に閉じ込められたら
どれだけいいのでしょう、


「うさぎ」

卒業式
綺麗な袴に、可愛い花飾り
浮足立ちながら

騒がしい校舎を急いで抜ける

こんなにいい日なのに
こんなにいい日だから

やっぱりひとりはさみしい


「おんなこ」

血は赤だけど、絵の具の赤じゃない
真っ赤じゃない

今の私から出る血は深紅
深い深い紅

これは私の見る目が変わったから?
私が”女の子”じゃなくなったからなの?


「空白」

空白を埋めるテストが好き
用意されていない答えを書くのが好き
答えのない問いが好き

空白の紙を見て感じたことを
ひたすら斜めに書いていく

空白はそうやって埋めていく


「夏風」

隣を通ったあの人は
カバンを探る間に向こうに立っていた
照りつける太陽と爽やかな風、木陰
何でもない一瞬


「抱擁」

私は誰か
私には決められない

私は必要か
私には分からない

私は私なのに、私は私を決められない

冷たい目や鋭い口
無感情な数字が静かに私を測る

等身大の私はただの作り物

だから苦しいのです
私は私がわからない

だから人を好きになるのです
誰かに見つけてほしくて

ここにいていいのか
必要とされるのか

見つけてほしくて
知ってほしくて
教えてほしくて

私は人を憎み人を愛す


「pray for…」

願えば叶うことなんて一握りで

願いは儚く脆く、
掴もうと手をのばせば、
ぽうっとどこかへ。

それでも叶えと手を伸ばす
嗚呼、願わくば…


「街の風、少し前を向く」

電車に揺られてどこへ行く
風に吹かれてどこへ行く

晩御飯の香りに
あの人の香りに
本の一節に

看板に
走るあの人に
笑っているあの子に

目の前に広がる世界に
手を引かれながら

ゆらゆら
ふらふら

そうやって今日も生きるのです


「ばあちゃん」

ばあちゃんが死んだ
セミが鳴きだした初夏、静かに

握った手のあたたかさも
ふたりで内緒の恋バナも
全部が「更新されない思い出」になった

火葬が終わった夜、
棺に入れた杖と帽子をかぶって
ばあちゃんは私の足をさすりに来た
その感触があまりにも優しくて
こどもみたいに大きな声で泣いた

明け方の「更新された思い出」


「深海魚と孤独」

深く息を吸うことを忘れてしまった
忘れてしまった私はそのまま深海へ

とくとくとく
とくとくとく

見上げれば小さな気泡と光の玉

どこまで沈んでも独りなままでした


「天使の涙」

私はいいところがたくさんあって
悪いことをしたからこうなったんじゃない
らしいです

だから自分を責めないで
自分を受け入れて認めてあげてください
褒めてあげてください
そういわれます

私はそうは思えなくて
ただ静かに自分を殴ります


ゆっくり休む時期がある
何もしないことも必要
そういう時は誰にでもある
みたいです

そう言ってくれた人は
一生懸命に何かしていて
誰も休んでいません

私は私を睨みつけます
また静かに首を絞めます


暗いトンネルの中
裸足の私は死んだ私を引きずり
先の見えない道を歩きます

私が私を
抱きしめてあげられたら
手を繋いであげられたら

この道も歩きやすいのでしょうか


おわりに(あとがきのようなもの)

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

暗いものばかりでいいものではないのかもしれませんが、
私の中では初めてここまでのものを仕上げられ感無量です。

また、何かしらの形で書き続けられたらいいなと思います。

駄文


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