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【考察⑬】〜高校野球・DH制の導入について〜

昨年の8月、高校野球においてもDH制(指名打者制)が導入されることが発表されました。

野球に詳しくない方にもわかりやすく説明すると、試合に出場する9人が打席に立って打つわけですが、そのうちの“投手の選手の代わり”に出場する“打撃専門”の選手のことです。

現在では、プロ野球のパ・リーグで導入されており、2027年からセ・リーグにおいても導入されることが決まりました。

wikipediaより引用

この 「DH制の導入」  は、100年以上続いてきた高校野球の歴史において大きな変革です。

現在議論されている7イニング制もそうですが、この「DH制の導入」によって試合の戦い方・戦術が大きく変わると思われます。

今回は、高校野球にDH制が導入されることで、どのような影響を及ぼすのかについて考えてみようと思います。

選手の出場機会の増加

メリットは何といっても、選手の出場機会が増えることです。

投手を務めている選手も試合に出場できて、かつ指名打者(DH)として出場できる選手も生まれます。

実際に高校野球に携わっていると、「打撃が苦手な投手を打席に立たせなければならない」場面もしばしば見られますし、「打撃は良いが守備に難があって試合の出場機会が少ない」選手も多くいます。

打撃が得意であることで出場機会に恵まれる可能性が出てきたということです。

また、投手が投球に集中できるようになるため、投手の負担を減らすこともできます。

これは、高校球児にとって“希望の光”となることでしょう。

少人数のチームと大谷ルール

次に、デメリット・マイナス面について考えてみようと思います。

私は公立高校で指導している身ですので、どうしてもそういう視点で考えてしまいますが、部員数(選手)の少ない学校では(勝利を目指して戦うことを考えると)あまりDH制の恩恵を受けられないのではないかと感じます。

皆さんは「大谷ルール」という言葉を聞いたことはありますか?

大谷翔平選手(ドジャース)が投手と打者を兼任することがきっかけで作られた野球ルールの特例です。

ロサンゼルス・ドジャース 大谷翔平選手
(読売新聞オンラインより引用)

2022年からMLB公式戦で、2023年から日本の公認野球規則でも適用されました。

先発投手とDHを兼任し、投手として降板後にもDHとして出場できる、いわゆる「大谷ルール」が、高校野球でのDH制でも適用されるとのことです。

例えば、スターティングメンバ―時に「3番・DH・大谷くん」&「投手・大谷くん」という形になる感じです。

https://x.com/ryotarosakai12/status/1970049143843455415?s=46&t=N9EC1IrbhGgBcNlV50Sz_Qより引用

部員数(選手)の少ない学校では、投手をしている選手がチームの核となる選手であり、チームで一番打撃が良いといったことは、よくあることです。

大谷ルールを活用するチームは、多く出てくるでしょう。

ですが、これではこれまで通り「3番・投手・大谷くん」という形で出場するのとあまり変わりません。

また、ベンチから中継ぎで登板する投手がそのまま投手に入るのであればいいですが、部員数(選手)の少ない学校では“すでに野手として出場している選手”が中継ぎ投手となることも多くなることが予想されます。

となると、DH制は解除しなければならず、DH制が導入されていなかったこれまでとなんら変わらなくなります。

部員数(選手)の多い学校では、投手に特化した育成、打撃に特化した育成を行い、その中で成長してきた投手、打撃を磨いてきたDHの選手と、それぞれの活躍の場で多くの選手たちが出場できる機会が増えます。

部員数(選手)の少ない学校では、DH制を活用しても、そこまで大きな変化はありません。

このようなことから、地方大会では格差が広がることが予想されます。

野球界・連盟・運営側の視点から

DH制の導入は、自チームの勝利のことだけを考えず、野球界全体の発展のことを考えると、たとえ地方大会の格差が開いたとしても、全国の高校球児たち全体の出場機会が増えることには間違いないので、非常に良いことだと思います。

投手に特化した選手、打撃に特化した選手等、“投”の分野や“打”の分野のスペシャリストが誕生する可能性も高まります。

そういった特長のある選手たちがプロの道に進み、活躍することで野球界ももっと盛り上がるでしょう。

また、注意しなければならないのは運用面です。

DHを使用するかしないかもそうですが、試合途中に「DH解除」が行われることも多く予想されます。

システム・ルールが複雑化するため、高野連・運営側は「選手変更に間違いがないか」と細心の注意を払わなければなりません。

もちろん、運営側だけではなく、チームの指導者側(監督・部長等)もしっかりとシステム・ルールを理解しなければなりません。

高野連から起こりうるケーススタディが示されたので、私もしっかりと目を通そうと思います。

さて、今春のセンバツ大会からの運用になります。

実際にどのような変化が起こるのか、どのような影響が出るのか。

楽しみに見てみようと思います。

変わり際は何事も大変ですが、数年後に気がついたら慣れているものなのでしょうね。

追記(2026.2.22)

こんな記事(研究)を見つけました。

プロ野球(リーグ戦)の分析ですが、果たして高校野球ではどうなのでしょうか?

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