無定年時代、どう生きるか
「急にどうした」というタイトルだが、ガラス制作や日本伝統工芸展への挑戦に繋がる話だ。
今回は、少し昔話を書いてみたい。
大学で電気工学を学び、電子部品メーカーへ入社した。
最初は商品開発(回路設計)を担当したが、数年後、プロセス開発へ転向した。
新しい製造方法を考え、実験し、立ち上げる仕事だ。
自分には、こちらが向いていた。
仕事に不満はなく、転職を考えたことはなかった。
起業したいとも思わなかった。
サラリーマンとして働くことが、自分には合っていた。
2000年代半ばを過ぎた頃から、「70歳定年」や「無定年」という言葉を記事やニュースで目にするようになった。
自分の世代は、定年なく働き続けることになるのだろうか。
元気なうちは働いていたい。
でも、スピードと精度を求められる今の仕事をやっていけるだろうか。
技術の進歩についていけるか。
体力やモチベーションを維持できるか。
周囲に迷惑を掛ける状態は避けたい。
無理のないペースで続けられ、長い年月をかけて積み重ねることで、将来、主軸になり得るものを探そうと思った。
何を始めるか。
趣味はあったが、主軸になりそうなものはなかった。
あれこれ考える中で、思い当たることがあった。
海外旅行へ行くと、その土地の器を買うことが多かった。
使う予定があるわけではない。
それでも、目につき、選んでしまう。
その土地の文化や価値観が、器に凝縮されているように感じた。
器制作はどうだろうか。
甘い世界ではないだろう。
「アート」は自分にない才能が必要な世界に見えた。
一方、「工芸」は技術を積み重ねる努力の世界に思えた。
努力であれば、自分でも何とかなるかもしれない。
陶芸を始めた。
ただ、私が続けることになったのは、陶芸ではなくガラス工芸だった。
その話は、また次回。
無定年時代、切子しようぜ。
