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退職勧奨されたらどうする?された場合の対処手順とNG行動4つ

会社から突然、会議室に呼び出されて「今のポジションに君の席はない」と言われたら、頭が真っ白になるのは当然である。

外資系企業や管理職の方々を多くサポートしてきた経験から言えば、この瞬間の対応が、その後のあなたの人生を大きく左右することになる。 

1章 退職勧奨されたらどうする

退職勧奨を受けた際に最も大切なのは、会社側のペースに飲み込まれないことである。まずは自分の権利を守るための正しい手順を知り、一歩ずつ慎重に進めていく必要がある。

1-1 手順1:安易に退職合意書にサインしない

退職勧奨を受けたら、まずはどのような書類であってもその場ですぐにサインをしないことが、鉄則である。

一度サインをしてしまうと、「自分の自由な意思で退職に同意した」とされてしまい、後からそれを取り消すことは法律的に非常に難しいからである。

会社側は「今サインすれば退職金を上乗せする」などと言って決断を急かしてくることもあるが、焦ってはいけない。

例えば、目の前に出された書類を一度預かり、「大切なことなので、一度持ち帰って家族や専門家と相談します」と伝えて、物理的にその場を離れることが重要である。

1-2 手順2:弁護士に相談する

書類を持ち帰ったら、できるだけ早い段階で労働問題に詳しい弁護士に相談し、現状を整理してほしい。

会社が提示した退職条件が法律的に妥当なのか、あるいはもっと有利な条件を引き出せる可能性があるのかは、専門家でなければ正確に判断できないからである。

とくに外資系企業や管理職の場合、これまでの貢献度に応じた「パッケージ(特別退職金)」の相場を知っているかどうかで、結果が大きく変わる。

自分の権利がどれくらい守られているのかを客観的に把握するために、まずはアドバイスを求めるべきである。

1-3 手順3:交渉する

弁護士などの助言をもとに、会社側と具体的な退職条件についての交渉を進めていく。

退職勧奨はあくまで会社からの「お願い」に過ぎず、あなたがそれに応じる義務はないため、こちらからも希望する条件を提示する権利があるからである。

単に拒否し続けるだけでなく、自分にとって納得のいく「着地点」を見つけるための話し合いを行う。

例えば、特別退職金の金額を増額させたり、再就職支援の費用を負担させたりするなど、次のステップへ進むための準備を整えるプロセスである。

1-4 手順4:労働審判・訴訟を提起する

もし会社との話し合いがどうしてもまとまらず、不当な解雇を強行されたり嫌がらせを受けたりする場合は、裁判所の手続きを利用することを検討する。

「労働審判」という制度を利用すれば、通常の裁判よりも格段に早く、原則として3回以内の期日で解決を目指すことができるからである。

会社側が話し合いに応じない強硬な姿勢であっても、法的な強制力を持った判断を仰ぐことが可能である。

最終的な手段ではあるが、法律という盾を使って、不当な扱いに対して正当な決着をつけることができる。

労働審判については、以下の動画でも解説している。

不当解雇の裁判については、以下の動画でも解説している。

2章 退職勧奨されたら知っておくべきこと

会社から「辞めてほしい」と言われたとき、多くの人が「もう自分はクビなのだ」と思い込んでしまう。

だが、退職勧奨と解雇は法律上まったく別物であり、その違いを正しく理解することが、自分を守るための第一歩となる。

2-1 退職勧奨は拒否できる

まず、会社からの退職勧奨は、いつでも自由にはっきりと拒否できるということを知っておいてほしい。

退職勧奨とは、会社があなたに対して「辞めてくれませんか?」とお願いをしているだけの状態であり、あなたにそれに応じる義務は一切ないからである。

どれだけ会社が「残っても席はない」と言ったとしても、あなたが「辞めない」と言えば、雇用契約はそのまま続くことになる。

例えば、面談の場で「退職する意思はありません」と明確に伝え、その後も今まで通りに業務を続けるという姿勢を見せることが大切である。

2-2 退職は口頭や態度でも成立する

注意しなければならないのは、退職の合意は書類にサインをしていなくても、口頭でのやり取りだけで成立してしまう恐れがある点である。

法律の世界では、お互いの意思が一致すれば契約が成立するため、不用意に「わかりました」や「退職自体は構いません」といった言葉を返すべきではない。

一度「辞める」と言ってしまうと、後から「やっぱり撤回したい」と言っても認められないケースも少なくない。

例えば、相手の話に対して相槌を打つ際も、「同意した」と誤解されないよう、「そうですか」、「お話は伺いました」という表現にとどめるなどの慎重さが必要である。

2-3 退職勧奨と解雇は違う

退職勧奨と解雇の決定的な違いは、「あなたの同意が必要かどうか」という点にある。

退職勧奨は、あくまで話し合いによって双方が納得した上で契約を終わらせる「合意退職」を目指すものであるのに対し、解雇は会社が一方的に契約を解除することである。

日本の法律では、解雇を行うためには非常に厳しい条件(客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性)が必要であり、会社が簡単にできることではない。

例えば、会社側が「辞めないなら解雇するぞ」と脅してくることもあるが、実際には解雇をするだけの正当な理由がないことが多いため、安易に恐れる必要はないのである。

3章 退職勧奨されたら獲得すべき退職条件

退職勧奨を受け入れるということは、本来であれば働き続けられる権利を手放すということである。

その対価として、これからの生活を守るための有利な条件をしっかりと交渉し、獲得しなければならない。

3-1 特別退職金

退職勧奨に応じる際、最も重要な交渉材料となるのが、通常の退職金に上乗せされる「特別退職金」である。

これは、会社側が早期に退職してもらうための「解決金」としての意味合いを持っており、月給の数ヶ月分から1年分以上になることもあるからである。

特に外資系企業などでは、勤続年数や役職に応じて一定の計算式に基づいたパッケージが提示されることが一般的である。

例えば、基本給の6ヶ月分を上乗せとして要求するなど、生活を立て直すためのまとまった資金を確保することが大切である。

特別退職金については、以下の動画でも解説している。

3-2 ガーデンリーブ

外資系企業や重要なポストに就いている場合に交渉すべきなのが、「ガーデンリーブ(庭いじり休暇)」という制度である。

これは、退職が決まった後、出社の義務はないものの、籍は残ったまま給与が全額支払われる期間のことである。

転職活動に専念しながら収入を確保できるため、精神的なゆとりを持って次のステップへ進めるというメリットがある。

例えば、退職日を3ヶ月先に設定し、その間は有給休暇とは別に「特別休暇」として扱うよう交渉するケースもある。

ガーデンリーブについては、以下の記事でも解説している。

ガーデンリーブについては、以下の動画でも解説している。

3-3 有給買取

退職時に使い切れなかった有給休暇について、会社に買い取ってもらうよう交渉することも有効である。

本来、有給休暇の買い取りは原則として認められていないが、退職の際に残った分を清算として金銭で支払うことは違法ではないからである。

消化しきれないほどの有給が残っている場合は、その分を給与換算して上乗せしてもらう。

例えば、残っている40日分の有給をすべて日給換算し、退職金に含めてもらうよう計算式を提示する。

有給買取については、以下の動画でも解説している。

3-4 会社都合退職

離職票の退職理由を「会社都合(特定受給資格者)」にしてもらうことは、失業保険を受け取る上で利益となる。

自己都合退職にされてしまうと、失業保険を受け取れるまでに長い待機期間が発生し、給付日数も少なくなってしまうからである。

退職勧奨による退職であれば、本来は会社都合として処理されるべきものである。

例えば、退職合意書の中に「本件退職は会社からの勧奨によるものである」と明記させ、ハローワークで不利にならないよう書面で残しておく必要がある。

ただし、退職手続きを進められてしまうこともあるので、他の条件に納得できた後に交渉を行うといいだろう。

退職勧奨と会社都合退職については以下の動画でも解説している。

3-5 アウトプレースメント

会社が費用を負担して「再就職支援サービス(アウトプレースメント)」をつけることについて、提案されることもある。

会社側から提示があれば、あえて断る理由まではないだろう。

ただし、条件がまとまる前にサービスを利用するべきではない。また、コンサル的な支援が中心であり、転職に慣れているような方は期待しすぎない方がいい。

アウトプレースメントサービスについては、以下の動画でも解説している。

4章 退職勧奨されたらすべきではないNG行動

退職勧奨を受けた直後は、誰しもが動揺して自分に不利な行動をとってしまいがちである。

しかし、一度失った有利な立場を取り戻すのは非常に困難なため、以下の4つの行動だけは避けてほしい。

4-1 NG1:安易に退職合意書にサインする

最もやってはいけないのが、その場の雰囲気や圧力に負けて、退職合意書などの書類に署名・捺印してしまうことである。

日本の法律では、一度書面で合意した内容を「やっぱりやめます」と後から覆すのは、詐欺や強迫があったと証明できない限り、極めて難しいからである。

会社側は「今サインすれば退職金を上乗せする」と特別感を演出してくることもあるが、それはあなたに考える時間を与えないための作戦であることも多い。

例えば、会議室で囲まれてサインを迫られたとしても、「大切なことなので、一晩考えさせてください」と毅然とした態度で断り、物理的にその場を離れる勇気を持ってほしい。

4-2 NG2:退職を認める発言や態様をする

書面へのサインだけでなく、口頭で「辞めます」と言ったり、退職を前提とした行動をとったりすることも危険である。

法律上、契約の合意は口約束だけでも成立する可能性があり、会社側がその発言を録音していた場合、合意退職が成立したと主張される恐れがあるからである。

退職が成立していないとしても、このような労働者に対して、会社が有利な退職条件を提示する理由はなくなる。

後片付けを始めたり、取引先に挨拶に行ったりすることも、「退職を認めた証拠」として扱われるリスクがある。

自身の方針と矛盾しないように一貫して行動をしていかなければならない。

4-3 NG3:方針を決める前に反論・回答・提案をする

会社からの指摘に対して、その場ですぐに感情的な反論をしたり、自分から条件の提案をしたりすることも避けるべきである。

自分の身を守ろうとして口走った言葉が、会社側に「自分の非を認めた」と逆手に取られたり、交渉のカードを先にさらけ出すことになったりするからである。

とくに、自分で反論したメールや書面が不利な証拠として後から出されたり、足かせとなり交渉の幅が狭まってしまったりすることが非常に多い。

例えば、まずは相手が何を根拠に退職を求めているのかを静かに聞き、メモを取ることに徹し、自分の意見は専門家と相談してから伝えるようにしてほしい。

4-4 NG4:転職活動の状況を会社に報告する

もし転職活動を始めていたとしても、その状況を会社側に伝えることは控えてほしい。

「もう次の仕事が決まりそうなので辞めます」などと言ってしまうと、会社側は「退職金を払ってまで辞めてもらう必要はない」と判断し、交渉があなたにとって著しく不利になるからである。

退職勧奨の交渉において、あなたの強みは「辞める義務がないのに、会社の要望に応じてあげる」という立場にあることを忘れてはならない。

例えば、会社から「次の仕事は決まったのか」と聞かれても、「今は現在の仕事に集中しており、そのような状況ではありません」と回答するのが賢明である。

5章 退職勧奨されたら集めるべき証拠

退職勧奨を受けた際、会社側は自分たちに都合の良い理由を並べてくるものである。

それに対抗し、有利な条件を引き出すためには、今のうちから手元に残しておくべき重要な証拠がいくつか存在する。

5-1 退職勧奨の録音

最も強力な証拠となるのが、会社との面談内容を記録した録音データである。

言った・言わないの争いを防ぐだけでなく、会社側が「辞めないと解雇するぞ」といった脅迫めいた発言をした場合、それが不法行為として認められる可能性があるからである。

最近ではスマートフォンの録音機能でも十分に証拠能力を持つ。

例えば、ポケットやカバンの中に録音状態にしたスマートフォンを忍ばせ、面談の最初から最後までを記録しておくことが重要である。

5-2 退職勧奨の理由への反論となる資料

会社が退職を求める理由(例えば成績不振や素行不良など)が事実と異なることを証明するための資料を揃えておく。

これまでの評価シート、表彰実績、上司や同僚からの感謝のメールなどは、あなたの貢献度を裏付ける貴重な武器になるからである。

外資系企業などの場合、過去のパフォーマンスレビューの結果が、交渉における解決金の額を左右することも少なくない。

例えば、数字目標を達成していることがわかる営業成績表や、プロジェクトを成功させた際の報告書などをコピーしておくことが有効である。

5-3 入社日から現在までの給与明細・勤怠記録

退職金の計算や、未払いの残業代がないかを確認するために、給与明細やタイムカードの記録が必要になる。

特に管理職として扱われていても、法律上は残業代が発生する「名ばかり管理職」であるケースが多々あり、これらを清算することが大きな交渉材料になるからである。

過去3年分、可能であれば入社時からの記録を確保しておくことが望ましい。

例えば、パソコンのログイン履歴や、業務指示が出されたメールの送信時間なども、労働時間を証明する立派な証拠となり得る。

5-4 雇用契約書・就業規則・賃金規程

自分の権利がどのように規定されているかを知るために、会社のルールブックである各種規程を確保しておく。

退職金の算出方法や解雇に関する規定がどうなっているかを把握していないと、会社側の提示が妥当かどうかを判断できないからである。

会社によっては、退職勧奨が始まると社内システムへのアクセスを制限することもあるため、早めの確保が肝心である。

例えば、就業規則のコピーをとっておくか、重要な箇所を写真に撮っておくなどして、社外でも内容を確認できる状態にしておくべきである。

6章 退職勧奨されたらよくある疑問

退職勧奨は、多くの人にとって一生に一度あるかないかの出来事である。迷いや不安を解消するために、以下の回答を参考にしてほしい。

6-1 Q1:退職勧奨で慰謝料は請求できる?

原則として、退職を勧めること自体で慰謝料をもらうのは難しい。しかし、やり方がひどい場合は別である。

例えば、大声で怒鳴られたり、毎日しつこく呼び出されたりして、精神的に傷ついた場合は請求できる可能性がある。

6-2 Q2:退職勧奨が違法となるケースは?

労働者が「辞めない」とはっきり断っているのに、しつこく何度も面談を繰り返すような場合は違法になり得る。

例えば、仕事を与えずに隔離したり、長時間にわたって多人数で退職を迫ったりする行為は、やりすぎとみなされる。

6-3 Q3:退職勧奨の相談先は?

一番の相談先は、労働問題に詳しい弁護士である。弁護士であれば、あなたの代わりに会社と交渉することもできる。

例えば、初回相談が無料の事務所などを利用して、まずは状況を整理してもらうのが良い。

6-4 Q4:退職勧奨されたときの答え方は?

その場で返事をしてはいけない。「弁護士に相談したいので一度持ち帰ります」とだけ伝えるのが正解である。

例えば、相手が「今すぐ決めて」と言ってきても、家族や専門家に相談することを理由に、その場を離れるようにしてほしい。

6-5 Q5:退職勧奨の断り方は?

辞めたくないのであれば、「退職する意思はありません」と一言、はっきり伝えるだけで十分である。下手に理由を言うと、そこを突っ込まれてしまう。

例えば、「今の仕事に満足しているので、辞めるつもりはありません」と短く答えるのが効果的である。

6-6 Q6:退職勧奨を断り続けるとどうなる?

会社が退職を諦めてそのまま雇用が続くか、あるいは会社がリスクを承知で「解雇」に踏み切るかのどちらかである。

6-7 Q7:退職勧奨なのに自己都合退職とされたら?

ハローワークで「会社から辞めるように言われた」と証拠を持って伝えれば、会社都合に変更してもらえる可能性がある。

例えば、退職勧奨の録音やメールがあれば、それが強力な証拠となり、失業保険を早く、長くもらえるようになる。

6-8 Q8:退職勧奨されたら真っ先にすべきことは?

何よりもまず弁護士に相談することである。

法的な見通しに基づいて方針を決めてから対応していくべきだからである。

何か行動を起こしたり、回答したりする前に、まずは弁護士に相談してほしい。

7章 退職勧奨されたらリバティ・ベル法律事務所

退職勧奨されたら、是非、リバティ・ベル法律事務所に相談してほしい。

この分野は、専門性が高い分野であるため、弁護士であれば誰でもいいというわけではない。

法的な見通しを分析したうえで、あなた自身の意向を踏まえて、適切に方針を策定する必要がある。

リバティ・ベル法律事務所では、解雇や退職勧奨事件に力を入れており、とくに外資系企業や管理職の不当解雇問題に圧倒的な知識とノウハウを蓄積している。

初回相談は無料となっているため、まずはお気軽にご相談いただきたい。

お問い合わせ – リバティ・ベル法律事務所

8章 まとめ

以上のとおり、今回は、退職勧奨されたらどうするべきかについて説明した。

突然、退職勧奨をされたら戸惑うかもしれないが、安易な発言や態様は控え、法的な見通しに基づいて、冷静に対処していくことが成功の秘訣だ。

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